やおい穴が描かれるBL漫画5選&実際の存在を肯定派と否定派で討論

やおい穴が描かれるBL漫画5選&実際の存在を肯定派と否定派で討論

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コタロー編集チーム
エロ漫画・アニメなど、オタク趣味のディレクターとライターで構成されたチームが作品の隅々までレビュー。軽いエロからハードエロまで、シコれる作品を紹介していきます。基本的に好きな作品や、シコネタのルーティンになっているオススメばかり!コミケ参加は不可欠で新刊チェックも日々行っています。
BL漫画のファンのあいだで、昔からまことしやかに囁かれてきた1つの噂をご存知でしょうか?男同士のアナルセックスで、使われている穴は実は肛門ではないとする奇想天外な仮説。アナルとは別に、ただ純粋に愛し合うためだけの“やおい穴”なる器官が存在すると言うのですが…。今回はそのやおい穴が描かれたBL漫画5選に加え、「やおい穴は実在するか?」をテーマに一般女性5名が行なった白熱の討論会の模様も収録しました!


やおい穴とはゲイの股間にあいた挿入専用の架空の穴


ゲイの股間にあるのではと噂される、肛門とは別の穴の事。当然ながらセックスのときの挿入用ですが、あくまで想像上の産物です。「謎穴」「腐女子穴」とも呼ばれます。

女性作者が描くやおい同人誌において、無知からか意図的にかどう考えても肛門とは思えない位置への挿入シーンが描かれた事から、特別な「やおい穴」の存在がささやかれるようになりました。

男同士でやっているナニの具体的な描写があって。これを読んだときに、「あ、穴があるんだ」って気付いたんです。そこからは、もう穴一辺倒ですよ。
引用:cakes


中学2年のとき栗本薫の本で「やおい穴」に取り憑かれた、BL研究家・金田淳子氏の証言です。女子中学生にとって、男同士のHはそれだけでかなりのインパクト。そして同時に「まさか肛門を使うはずがない」とも考えた事でしょう。子どもにとってはただウンチを出すための穴で、恐ろしく不潔だからです。

どうもそのあたりに、セックス専用の穴である「やおい穴」の起源がありそう。お尻の穴を排泄以外に使う事が理解できない、子どもの想像力が生んだ産物というわけですね。

たんに素股をしているだけだったり両性具有のふたなりを描いていたりする場合は、「やおい穴」とは似て非なるもので厳密に区別すべき。またあくまで同人漫画で描かれるシーンの話で、現実にそういう穴を持つ人がいて噂が広まったわけではありません。


実際に漫画の中で「やおい穴」が描かれている作品5つ


今や入試問題にも登場するやおいですが、そもそも「やおい穴」の存在が語られ出したのは、同人BL漫画での描き方がきっかけ。挿入角度の点で、「やおい穴」を想定しないと理不尽に思えてならないシーンがあったからです。ここでは、男同士のそんなミステリアスな濡れ場が含まれる作品を5つご紹介しましょう。


「少年メイド クーロ君」

大きな白亜の洋館に住み込みのメイドとして雇われている風宮クーロ。彼はじつは男の娘で、イケメンの主人・白龍院ミースにぞっこんです。朝一番に行なう目覚ましフェラも、仕事とは言え一切手を抜きません。

日中ミースは部屋にクーロを呼びつけ、わざといやらしい下着を身につけさせます。クーロが顔を赤らめ恥ずかしがると、自分も興奮してきてそのまま男同士のHへ。

アナルをいじられ、挙げ句は媚薬まで注入されるクーロ。煽情的な下着姿のまま、床に寝転がって2人はまぐわい始めます。正常位でハメるシーンではタマキン直下にミースの巨根がズブズブ突き入れられ、肛門と考えるには明らかに不自然な位置。

そのあとバックで交わるシーンでは、アナルだと納得できる挿入位置に戻りました。しかし騎乗位に転じるとやはり穴の場所が睾丸に寄りすぎていて、「やおい穴」の存在を露骨に予感させてくれます。




「チン★デレ ブラ婚ウエディング」

兄弟愛と言っても、Hしちゃいますから正確には近親相姦になります。両親の目を盗んでは、ひとつ屋根の下でせっせとアナルセックスにふける2人です。

受け役は、男の娘である幼い弟・つかさ。見た目はすっかり女の子でありながら、胸はつるぺた、そして股間には可愛いオチンチンが。接合部分のぼかしが大きいため断言はできませんが、そのあまりにオーソドックスな正常位の体勢は「やおい穴」の存在を匂わせます。

すると何度もカラダを重ねるうち、まな板だったつかさの胸は徐々にボリュームアップ。次第に女らしく丸みを帯びたボディラインとなり、「ボクのウンチの穴」と言っていたのが「オマンコ」と呼び方さえ変わってきます。

ボカシのデカさについつい「やおい穴」を想像させられてしまう、そんな不思議なテイストの作品です。




「フタコイ」

あえてこの作品も取り上げます。ネット上では「やおい穴」ジャンルに区分されていますが、タイトルからおわかりのように中味は両性具有ものです。でも本物の「やおい穴」は肛門ではなく、男性の体にできたマンコの穴でもありません。

「進撃の巨人」が元ネタで、主人公エレン・イェーガーがふたなりであるという大胆な設定。兵長ことリヴァイは、飲み会にも参加せず部屋にこもるエレンが気がかりでなりません。

エレンのお目付け役として全てを知る義務があると、エレンからふたなり化した体の秘密を打ち明けられ…。ところが実物を目の当たりにした兵長は、おもむろにズボンのジッパーを下ろし始めました。

「やおい穴」そのものが描かれる事はほぼありませんが、ふたなりのマンコは別。M字開脚させられたエレンの股には、タマタマの下にすっと1本マンスジが。

指を入れられ、陰唇をつまみあげて挟まれ、やがて挿入へ。しかしこれは、残念ながら断じて「やおい穴」ではありません。あくまで両性具有者の、れっきとしたおまんこです。




「ザマミロウ! 2」

八頭身のリアルなイケメンである龍司と優矢が、オールカラーでアナルセックスを披露する作品。ほとんどのシーンでしっかりアナルに挿入しており、一見「やおい穴」とは無縁に思えます。

もともと大学の同級生で、最近ようやく晴れて同棲するようになった2人。クラスの誰にも気づかれぬようひそかに温めてきた関係だからか、部屋の中では毎晩のように激しく求め合います。

日々くり返される情事のワンシーン、騎乗位での交接の場面に「やおい穴」を思わせるカットが。龍司の上になった優矢のバックショット、まっすぐに伸びた背筋と引き締まった尻。そこへまっすぐ垂直に龍司のペニスが突き刺さっています。

「おいおい、肛門ならもっと上だろう」明らかにそう思わせる不自然な位置と角度。リアリズム路線の描画で体の動きや構図が正確な作者だけに、そのコマの挿入シーンだけは非常に違和感があるんです。

もしかすると「やおい穴」とは、勢いあまった漫画家の書き損じが由来かもしれませんね。




「オトコのコSEXライフ」

「やおい穴」をストレートに描いたBL同人漫画は、じつはほとんどありません。元ネタのあるパロディBL漫画の場合は、「フタコイ」のような人気キャラを両性具有化するケースばかりが目立ちます。

この「オトコのコSEXライフ」にも、じつは「やおい穴」そのものは描かれていません。ただ間違えて美少年に化けちゃったサキュバスとのアナルセックスでは、「やおいの穴」があるとすればココという場所がはっきりと示されています。

それは上体を思いっきり後ろにそらした騎乗位のシーン。可愛いサキュバスのアナルにめりこんだペニスと、サキュバス自身の勃起した小さなチンポ。その2つのあいだに、テニスボール1個ぶんくらいのわずかなスペースがあるんですね。

もし「やおい穴」があるとすれば、まさにその場所。両性具有のオマンコとも、肛門とも違うそれは一体どんな穴なのか。才能ある作家の想像力で、ぜひ細部まで具体的に描ききってもらいたいものです。




やおい穴の存在を肯定する派と否定する派で徹底討論してみた

名前(仮名) 肯定 or 否定
なおこ 肯定(絶対ある)
よしえ 肯定(インドとかで見つかりそう)
かおり 否定(どこにつながる穴?)
さりな 否定(ありえない)
ゆり 中立(どちらとも言えない)

一般女性5名にお集まりいただき、賛成派と反対派に分かれて“やおい穴は存在するか?”をテーマに議論をしてもらいました。以下、参加メンバーの簡単な紹介を。

なおこさん(26歳)とよしえさん(24歳)は九段下のOL。BL漫画の愛読者で、2人ともやおい穴の存在は確信していると言います。一方、かおりさん(20歳)とさりなさん(20歳)は都内にある某私大の3年生。同じくBL漫画好きながら、やおい穴についてこちら2名は否定的です。またお一人で参加してくださったゆりさん(29歳)は、絶賛妊活中の専業主婦。やおい穴の存在については最後まで中立を保ち、場を和ませてくれました。


やおい穴の存在を肯定する派の主張


まずは“やおい穴肯定派”の主張に耳を傾けてみましょう。BL漫画歴10年以上というおふた方の話は、荒唐無稽に思えるやおい穴を題材としながらもなかなか説得力がありました。


快感の高まりでアナルが化学変化を起こしたもの=やおい穴である

え?何?よしえはガチでやおい穴持ちの男が現実にいると思ってんの?うわー、それはありえないでしょ。あたしが言ってるのは全然違って、BL漫画の世界観の中に「やおい穴」は確実に存在するって意味よ。

(編集部から「それだと否定派になりますが…」と言われ)あ、そうなっちゃうんですか?うーん、それだとでも話題が狭くなりすぎません?

あ、じゃあこういうのはどうでしょう?男同士でヤッてる最中に、入れてる穴自体は肛門なんだけど、何かの拍子にミラクルな化学反応が起きて、感度も締まりもアナルより格段にアップしたやおい穴に変わるっていう。

(編集部から「そういう解釈ならわかりますが、今とっさに思いついたのでは?」と突っ込まれ)いや、そんな事はないです。やおい穴の肯定派は、たいていこの“アナル変質説”ですから。“現実に”存在するなら、おそらくそういう形でしょうね。ただあたしが考えてるのは、お話の中でリアルな第2の穴として…(編集部注:なおこさんの熱弁が長引いたため割愛させていただきます。)


金玉とお尻の穴の間にやおい穴は実在する

きょうの帰りしな、なおこと電車でもめそうです(笑)。私は本当にあると思ってて、だって言葉だけあって実物がないなんておかしくないですか?あともう1つは子どもの頃のトラウマって言うか、高1の頃初めてBL漫画を読んだとき「え、どこに入れてるの?お尻?まさかね」っていうのがあって。

だからやおい穴の話を聞いたときは、すごく腑に落ちたって言うか。医学的に説明しろと言われたら困るけど、漫画を読んでるとHが最高に盛り上がったシーンではたいてい男女の行為とおんなじ体位になるんですよね。

私自身、いまだに男同士のそういう事って心の奥底では受け入れられていないのかも。お尻の穴じゃなくて、男の人たちにもちゃんと愛し合うための穴があってほしいという。だからこれは意見と言うより願望みたいなものかもしれません。説得力なくてごめんなさい。


やおい穴の存在を否定する派の主張


今度は否定派のお二人の意見に耳を傾けてみましょう。討論の前に1人ずつ意見を述べてもらったんですが、肯定派であるなおこさんが泥縄式(失礼!)に言い出した「アナル変質説」が否定派には意外と応えたようで…。


そんな穴があれば科学雑誌に発表されている

わたし、大学で人類学の授業取ってるんです。そしたら先生が世界中どこを探したって、もう未知の部族なんていないって言うんですね。いかにも見つかりそうなアマゾンなんか、とくにいないんだとか。科学ってだからすごく進んでるんだと思います。

もしやおい穴みたいな穴を持つ人が現実にいたら、絶対科学雑誌とかに発表されてなきゃおかしい。たとえ本人が恥ずかしがって隠そうとしても、別れた恋人が言いふらすとか普通にありそうじゃないですか。

だからわたしはあくまでBL漫画の中のフィクションと捉えています。ただなおこさんがおっしゃったみたいな、“ある一瞬だけお尻がやおい穴に変わる”というのは、百歩譲ってなくはないかもしれません。

でもそれを科学的に裏付ける事は難しいですよね。そもそもやおい穴が何かっていう定義自体はっきりしませんし、お尻の穴が変化したんだと言われても、それは結局主観的な感想でしかないような…。


やおい穴が実際にあったと仮定するといろいろ辻褄が合わない

私はさりなと違って医療系の学部なので、やおい穴があると仮定して一体どういう構造で体のどこにつながる穴なんだろうって真っ先に考えてしまいます。

想定される場所としては、睾丸と肛門のあいだですよね。ここは会陰部(えいんぶ)と呼ばれる場所で、穴を掘って行けば外尿道括約筋(がいにょうどうかつやくきん)にぶつかります。外尿道括約筋は随意筋なんですが、同じ随意筋である骨格筋を刺激する実験をネットで見ました。

結果として起こった事は交感神経の亢進です。セックスのときはもともと交感神経が優位になりますが、さらに余計な刺激を咥えたところで血圧の上昇や脈拍の乱れなどマイナス効果しか得られないはず。

それに前立腺の手前あたりに穴があっても、まわりは筋肉と脂肪だけ。愛液の分泌が全く期待できないカサカサの穴に、果たして敏感なペニスを挿入できるものでしょうか?

私はなおこさんの主張された“アナル変質説”はちょっとずるいと思います。医学的な証明ができないものを持ち出して、やおい穴が存在する証拠だなんて筋が通りませんよ。


やおい穴の存在を肯定も否定しない派の主張

妊娠4ヶ月の専業主婦がBL小説なんて変わってますよね~。身ごもると食べ物の嗜好が変わるとよく言いますが、わたしの場合は読み物のジャンルが180度変わってしまって。前はBLものなんて見向きもしなかったのに、ここ2~3ヶ月はどハマりしてます(笑)。

とは言え、皆さんに比べれば完全なにわか。“やおい”は知っていても、やおい穴までは今日まで存在すら知りませんでした。ですから肯定とか否定とかわたしが言ったら、そもそもおこがましいんです。

でも中立にしたのは、それだけが理由ではありません。LGBTとか、いまはセクシャリティの多様化が叫ばれる時代でしょう?やおい穴が実際にあるかどうかはわかりませんが、わたしとしては仮にあっても差別心を持ってはいけないと思うし、ないと決めつけて肯定派の人をやり込めたくもありません。

いい子ぶって見えるかもしれませんが、妊婦はどこまでも平和主義なんです。「鬼滅の刃」好きだったわたしがBL漫画ばかり読むようになったのも…いや、これは平和主義とはまるで関係ないですね(笑)。


5人で討論した結果…たどり着いた結論は“高揚したアナル=やおいの穴説”

専業主婦のゆりさんが中立の立場からまとめてくれたおかげで、そのあとの議論は予想とは裏腹にいたって穏やかなムードに終始しました。母の力は偉大です。さて肯定派、否定派ともに、

・やおい穴を持った実在の人物は現在まだ確認されていない
・BL漫画の世界では、やおい穴は1つのれっきとした性器である

の2点に異論はなく、一応の結論としては当初かなり無理があるかに思われたかなこさんのあの説、

・Hで高揚しきったアナルが、やおい穴へと変質する可能性

を1つの折衷案として採択するに至りました。


まとめ:やおい穴を巡り議論は白熱!BL漫画を読み込んで存在を確かめよう

男の下腹部にある穴と言ったら、尿道口と肛門。前者にペニスは無理ですが、入るからと言ってアナルを酷使しすぎるのは考えものです。

タマキンの真下に「やおい穴」があれば…。それは受け役の男性の切なる願いのようでもあり、お尻への挿入を認めたがらない腐女子の中二病的幻想のようでもあります。

その存在を確かめるべく、やおい穴が描かれたBL漫画をさらに読み込んでいきましょう。以上、panpan(パンパン)編集部からのお届けでした。

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