人気エロゲ10作品のストーリーまとめ｜物語展開が見事なおすすめ作を厳選

エロゲを大きく2つに分けると、抜きゲーと非抜きゲーという事になるでしょう。もちろん非抜きゲーと言ったって18禁には変わりないわけで、要するに「抜き要素＞ストーリー」か「ストーリー＞抜き要素」かの違いがあるだけです。今回はあえて後者に注目し、人気エロゲ10作品のストーリーまとめをお届けします。ハラハラさせるサスペンスから大どんでん返しの衝撃の結末まで、物語展開が見事なおすすめ作品だけを厳選しました！

エロゲのストーリーの王道はヒロインとの絆をメインに描く純愛ドラマ

引用元：FANZA GAMES

エロゲにはたいてい複数のヒロインが登場します。そのうちシナリオに個別ルートが用意されているのは、メインヒロインとサブヒロイン合わせて3～5名です。ストーリーの流れとしては、

プロローグ→共通ルート→個別ルート

の順で進んでいきます。主人公は秀でた才能もしくは何らかのトラウマを抱えており、ゲーム内で格付けが上のヒロインだけがそうした主人公の内面にまでアクセス可能です。

物語の伏線は、最終的にはメインヒロインとの交流の中で回収されます。またストーリー重視の作品で描かれるエロシーンは、たとえ内容が過激であってもほとんどの場合和姦。抜きゲーのように凌辱やNTRを安易に組み込むと、シナリオの整合性が破綻しかねないからです。

ユーモアと涙もストーリー重視のエロゲの作品では重要なポイント。全体としては重いテーマを扱っている場合にも、ほっこりさせるシーンやキャラクターが必ず登場します。

エロゲマニアが教える、エロゲのストーリーで注目して欲しいポイント3つ

ストーリーに重きを置いたエロゲにも、いくつかパターンがあります。ここではどのような種類があるか、実際のエロゲを例にしながら紹介してみましょう。

〈ドラゴンボール型〉起承転結や勧善懲悪など、王道の分かりやすい展開

引用元：Amazon

ストーリーの面白さにもいろいろあって、起承転結の妙で感心させるものもあれば、ハラハラドキドキさせて引き込む展開など各種のパターンがあります。中でも筆者がじつは一番強力なのではと思っているのが、ストーリーがかもし出す雰囲気で魅了するタイプのエロゲです。

わかりやすく〈ドラゴンボール型〉と呼んでいますが、鳥山明のあの名作はストーリーテリングのうまさだけで人気を集めたわけではありません。登場キャラクターの個性、好ましい人間関係、雄大でのびやかな世界観など、何とも言えない独特の雰囲気が根強いファンを生み出しました。

エロゲで言えば、Navelの「月に寄りそう乙女の作法」(2012年)などが良い例。キャラを取り巻く世界観が魅力で、いつまでもプレイしていたい気分にさせてくれます。同様のゲームは他にも、戯画の「この青空に約束を―」(2006年)や同「パルフェ ～chocolat second brew Re-order～」(2005年)、AUGUSTの「穢翼のユースティア」(2011年)などがあります。

〈24 -TWENTY FOUR-型〉大どんでん返しのカタルシスにシビれる

ネタバレ厳禁のプレイ推奨ながらゲーム終了後の満足感がきわめて高いのが〈24 -TWENTY FOUR-型〉のエロゲです。2020年秋には唐沢寿明主演で「24 JAPAN」も放映されますが、アメリカ発の大ヒットドラマはどんでん返しの連続が大きな売りの1つでした。

じつはエロゲにはこの分類に当てはまる作品が多く、伏線を張り巡らせて最終ルートで回収するのはある種の常套手段になっています。ただ意図したどんでん返しの成功率は決して高くはなく、エロゲ愛好者ほどシナリオの先が読めてしまう弊害も。

うまくいった具体例としては、あかべぇそふとつぅの「車輪の国、向日葵の少女」(2005年)やKIDの「Ever17 -the out of infinity-」(2005年)、エルフの「勝 あしたの雪之丞2」(2002年)のほか新しいところではシルキーズプラスWASABI「きまぐれテンプテーション」(2019年)などが挙げられます。

ただし〈24 -TWENTY FOUR-型〉のデメリットは、ラストまで行かないと本当の面白さがわからない点。この手のゲームは事前情報なしでのプレイが必須だけに、プレイヤーが錯綜する伏線に耐えかね途中で挫折してしまう事がありえます。

〈七人の侍型〉とにかくあるだけ詰め込んでもうお腹いっぱい

テーマに関するあらゆる要素をふんだんに盛り込み、プレイヤーに最高の満腹感を与えるのもストーリー物の魅力の1つ。黒澤明の「七人の侍」は、剣劇アクションから合戦の戦略、身分社会、ヒューマンドラマなどあらゆる要素を詰め込んで観客を大満足させました。

そんな〈七人の侍型〉がエロゲにもあります。尻なら尻、乳なら乳とテーマを絞り込んだ上での話ですが、「もうお腹いっぱい」と思わせるほど考えられるすべてのバリエーション(ノーマルからアブノーマルまで)を入れ込んで展開する意欲作です。

シナリオとのバランスが難しく、ともすれば抜きゲーになりがちですが、Waffleの「巨乳ファンタジー」(2009年)のようにシリーズ化して成功した良い見本があります。ほかにもニトロプラス「スマガ -STAR MINE GIRL-」(2008年)などがある一方で、lightの「虚空のバロック」(2018年)のように要素を詰め込み過ぎて消化不良になったケースも見られます。

人気エロゲ10作品のストーリーと見どころを解説

ゲーム名	ジャンル
月に寄りそう乙女の作法	恋愛アドベンチャー
車輪の国、向日葵の少女	ヒューマンドラマアドベンチャー
巨乳ファンタジー	巨乳ファンタジーロマン
沙耶の唄	サスペンスホラーアドベンチャー
はつゆきさくら	純愛アドベンチャー
装甲悪鬼村正	スラッシュダークアドベンチャー
素晴らしき日々 ～不連続存在～	オムニバスアドベンチャー
未来ノスタルジア	タイムリープアドベンチャー
G線上の魔王	ヒューマンドラマアドベンチャー
穢翼のユースティア	ダークファンタジーアドベンチャー

10作品全てに言える事ですが、エロゲのわりにHシーンは少なめです。もちろん要所要所にはちゃんと出てきまし、ストーリーにのめり込んでいればむしろ抜きゲーの過剰なエロよりはるかに股間を刺激する事でしょう。

またシナリオがしっかりしたエロゲは、18禁要素をぼかしてコンシューマー機(多くはPS4やPSVita)に移植される事も珍しくありません。今回取り上げた作品の中にも、「これってエロゲだったの？」と驚かれるケースがあるはずです。

①月に寄りそう乙女の作法

主人公の遊星(ゆうせい)は、日本有数の大財閥である大蔵家の末子。優れた教育を受け、自身も多芸に秀でた才能の持ち主でしたが、大蔵家にとって遊星は言わば“望まれぬ子”。跡取りはすでにおり、身につけた知性や教養を生かすチャンスはほぼ無いに等しいのでした。

ところがそんな遊星に、親元を離れ1人で外の世界を体験する機会が訪れます。それはお嬢様御用達の服飾専修学校「フィリア女学院」での潜入調査でした。男である遊星は、「小倉朝日(こくら・あさひ)」と名も性も偽って入学する事に。

さらに学院一のお嬢さま・桜小路ルナ(さくらこうじ・るな)付きのメイドとして、彼女が暮らす桜屋敷で働き始めます。屋敷には学院の他の仲間、留学生のユルシュールや旧華族出身の花之宮瑞穂(はなのみや・みずほ)らも同居していて…。

抜き度はさほど高くありませんが、女装もの＆女子校潜入ものとしてエロゲ史上屈指の完成度を誇ります。主人公がずば抜けて可愛く、メインヒロイン・ルナとの信頼関係も◎。個別ルートもボリュームたっぷりで、“ずっとこの学園にとどまっていたい”と感じさせる稀有な魅力にあふれています。

▶「月に寄りそう乙女の作法」の詳細（R18）はこちらから

②車輪の国、向日葵の少女

ゲームの舞台はそう遠くない未来。“車輪の国”には特殊な刑法の制度があり、罪人には“特別な義務”が科せられるようになっていました。主人公・森田賢一は、今で言う司法試験にも等しい「特別高等人試験」を受験中。最終テストとして、とある田舎町を訪れる事に。

特別高等人に与えられた重要な職責は、さまざまな罪人たちの更生指導に当たる事。科せられた義務は、「1日は12時間だけ」「大人になれない」など多種多様です。賢一がやってきたのは、更生にチャレンジする少女たちが通う学園。そこで更生指導の実習を行なう事が、特別高等人試験合格への最後の試練だったのです。

ところが中に1人、「恋愛できない」義務を背負った生徒が。日向夏咲(ひなた・なつみ)というその少女との出会いが、エリート街道をひた走る賢一の未来に暗雲を投げかけ…。

“とっつぁん”こと法月将臣(ほうづき・まさおみ)など魅力的なキャラクターが脇を固め、章立ての構成で各ヒロインの個別ルートが展開します。伏線や叙述トリックがちりばめられたシナリオは見事で、終盤での大どんでん返しはエロゲならではの衝撃度です。

▶「車輪の国、向日葵の少女」の詳細（R18）はこちらから

③巨乳ファンタジー

エリート校である王立騎士学校を卒業した、新米騎士のリュート。在校時の成績はお世辞にも褒められたものではなく、彼が配属を命じられたのは国内でも最貧地区のボーアンでした。

貧しいだけならばともかく、ボーアンにはいまだ魔族の生き残りがいるとの風聞が。赴任早々、新人リュートは噂にたがわぬ怪事件に1人で立ち向かう事となり…。

本作を遊ぶとしばらくおっぱいは見たくないと思えるほど、全編にわたって乳・乳・乳！にもかかわらずシナリオもしっかりしていて、単なる抜きゲーに終わらないところが最大の魅力です。

ストーリーは立身出世ものですが主人公のリュートには出世欲がまるでなく、それが見ていて逆に新鮮かつ爽快です。

▶「巨乳ファンタジー」の詳細（R18）はこちらから