BLの同人用語の意味と用法を解説|あなたも今日から立派な腐女子です

BLの同人用語の意味と用法を解説|あなたも今日から立派な腐女子です

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コタロー編集チーム
エロ漫画・アニメなど、オタク趣味のディレクターとライターで構成されたチームが作品の隅々までレビュー。軽いエロからハードエロまで、シコれる作品を紹介していきます。基本的に好きな作品や、シコネタのルーティンになっているオススメばかり!コミケ参加は不可欠で新刊チェックも日々行っています。
今やボーイズラブことBLは、一般の漫画サイトで配信されるほど市民権を獲得しています。しかしいざ作品を読んでみると、難解な専門用語が並び意味が分からない…。こんな思いをした人も多いでしょう。そこで意味深で隠語が多いBL同人用語を初級・中級・上級に分けて丁寧に解説。この記事の後に、漫画や小説などのBL作品をスラスラ読めるよう詳しく紹介しました。さっそく立派な腐女子への第一歩を一緒に歩みましょう!


まずはBL(ボーイズラブ)の定義から!少年同士・少年×男性の恋愛作品

麗しいBLを一言であらわすなら少年×少年、あるいは青年×少年の恋愛ストーリーを扱った作品のこと。おもに10代より下の、低年齢男子が登場する場合に使われる言葉です。狭義では少年同士の愛という和製英語になりますが、今や国を超えて愛好者が増えつつあります。

最近はBL(ボーイズラブ)=腐女子の方程式が一般化しましたが、それもここ10年くらいの話。もともとは一部の愛好家が楽しむ同性愛・ホモセクシャルが起源です。後にヤマなし・オチなし・イミなしの頭文字をとった「やおい」と呼ばれ、徐々に広がりをみせていきました。

1981年に刊行された雑誌「JUNE(ジュネ)」が発端となりBLという同人用語が誕生。男性同士の性愛だけに焦点を当てたやおいと異なり、ストーリー性のある展開が一般女性の心をつかみます。

現在は漫画、小説、ゲームなどさまざまなジャンルでBLが認知され人気を博しています。どれもf胸がキュンとするようなドキドキする恋愛作品となっており、腐女子たちのハートを揺すぶって止みません。


【初級編】BLを楽しむなら知っておきたい用語集

まっさらな状態からBLを楽しむために、最低限知っておきたい同人用語を紹介します。腐女子フィルターを通して、誤変換された用語の数々を学びましょう。いきなり専門的すぎる用語から話しても通じないので、まずは初歩的なところから抑えていきましょうね。


攻め・受け

男性同士の関係性を表す言葉。攻め(せめ)は挿入する側やグイグイ恋愛関係をリードする方を指します。肉体関係がなくても2人を比較して積極的な男子を攻めと呼ぶケースも。「攻め×受け」と表示する際、左側にあるため単に「左」と呼んだりします。反対に挿入される側の男子を受け(うけ)と呼称します。片思いの場合、肉体関係がないときも受けと呼ぶ場合が多いです。

攻めと受けは別名が多く一般的な呼び方だけでも以下の通りです。

【攻めの別名】
タチ・攻・トップ・左

【受けの別名】
ネコ・受・ボトム・右


ノンケ

同性愛者からみた異性愛者(男性×女性)のこと。二次元発祥ではなくリアルの同性愛者から広がった言葉です。いいえを意味するnonに「その気(同性愛の気)」を合わせてその気がない人といった意味で使われます。

もう少し詳しく説明すると、ゲイ・レズビアンや両性愛者のバイが同性愛者といわれます。同じような意味合いの言葉が多いですが、ヘテロはややアブノーマルで差別的な響きがあるため最近は使われていません。

【別名】
セクシャル・ヘテロ・ノーマル・ストレート


腐女子(ふじょし)

漫画や小説など媒体問わず男性同士の恋愛ストーリーを好む女性のこと。語源は婦女子(ふじょし)からきているといわれ、おもに独身女性を指す言葉です。腐女子は派生語が多く、一般的なものだけでも以下の種類が確認されています。

・腐人(ふじん)=BL好きな既婚女性・シニア層の女性。汚超腐人(おちょうふじん)や貴腐人とも呼ばれる

・腐男子(ふだんし)=性的なベクトルを問わずBLを好む男性。腐兄(ふけい)と呼ばれる場合もあり

・腐死鳥(フェニックス)=おもに50代以降、腐女子の最終形態を指す。自虐的な使い方が特徴
 例)「もう将来は腐死鳥になるしかないさ…」


腐教(ふきょう)

BLの良さを一般人にすすめる、すでにBLにハマった人達の間で自分のお気に入り作品をすすめること。宗教を布教するように「腐」を世の中に広めるための活動とされます。ときには推しのキャラクターや、カップリングなどをすすめるケースも。腐教が成功して相手がBL好きになってくると「転ぶ」「腐敗した」「醗酵がはじまる」などと呼びます。


お腐施(おふせ)

自分が推しているBL作品や関連グッズ、高価な限定版などを惜しげもなく買い集める行為。単なる消費ではなく作家や関係会社までを視野に入れ、応援する気持ちを原動力に散在し続けるのが特徴です。本人はグッズを買ったときの喜びや、萌える気持ちには代えられないと思っています。「お布施」と書く場合や「お布施本」と表現する腐女子も存在。BL界を盛り上げるために欠かせない行動といえるでしょう。


腐ィルター

脳内変換腐ィルター(のうないへんかんふぃるたー)ともいわれる、なんでも腐女子的な視点でとらえBLと無関係の事柄から「腐」の要素を抽出する能力。やおいフィルターや乙女フィルターなど、多様な呼ばれ方が特徴です。

一見、BLの要素がゼロと思われるような物、人、現象に腐女子目線をプラス。とりあえず何かが2つあると、攻めと受けを設定します。仲の良い男性2人組は脳内でカップリング、少しのBL要素を100倍にして妄想。ある意味、腐女子の特殊能力といっても過言ではないでしょう。
 例)「毎日が脳内腐ィルター全開です」


【中級編】BLの設定を勉強して10倍楽しもう

次にBL特有の設定、呼び方を紹介します。中級までのBL同人用語をマスターすれば、立派な腐女子として独り立ちできるでしょう。


少年愛

少年同士の恋愛、または成人男性と少年のカップリング・性愛関係を指す。肉体関係がなく精神的、プラトニックな関係の場合も含まれます。BL界では非常に人気のあるジャンルのため、媒体問わず作品数が多いです。

少年愛の歴史は古く、古代ギリシアまでさかのぼります。当時は少年同士の友情を育む社会制度として存在し、万難を通り越した至高の価値観とされていました。現代では「やおい」という言葉すらない時代から一部の作品で描かれ、後の耽美系やJUNE系へとつながります。


ヘタレ攻め

気が弱く、受けに対して消極的なヘタレキャラが攻めになる作品のこと。いつもはヘタレでまるで受けのようなタイプなのに、ベッドの中で人格が豹変。一転して相手を喜ばせる流れが一般的です。強気の受けに頼りっぱなしの臆病なヘタレが、男らしくなる瞬間にキュン死する腐女子が続出します。

作品の中では文系部員やメガネキャラ、年下などが該当。ショタ、かわいい男子好き、シニア層の女性がハマることが多いジャンルです。


ワンコ攻め

受けに対して犬のような従順さをみせ、待てといわれても我慢できず尽くしまくるキャラ。名前の通り飼い犬のように人懐っこく、萌え要素が強い攻めのことを指します。派生形としては受けにしかなつかない攻め、忠犬のように寄り添い従う攻めなどを含む場合があり幅広いです。

ワンコ攻めの魅力は仔犬のように無邪気にみえて、じつは野性を失っていない点。結ばれるシーンになると、ケダモノのように襲いかかります。中でも王子系ワンコやイケメンワンコが人気。反対語にワンコ受けという設定もあります。


ショタ攻め

10代前半の男性、ときに10歳以下の少年が攻めとなり年上の受けを積極的に攻める設定。ショタは幅広いジャンルに使用される言葉ですが、BLでは思春期前の少年を指す場合が多いでしょう。

ショタはショタコンの略語ですが、もともとは正太郎コンプレックスに由来しています。1981年アニメ雑誌「ふぁんろーど」の編集長が、「鉄人28号」に登場する金田正太郎のような、ローティーンの少年を好む人をそう呼んだのがきっかけです。


誘い受け

一方的に攻められるのではなく、攻めを誘惑してベッドに誘う一連の行動のこと。あるいは精神的に主導権を握っているにも関わらず、性愛交渉では受けにまわる人物・属性を指します。もともとBL同人用語でしたが、最近はNL(男性×女性)や百合(女性×女性)にも使用されるようになりました。

具体的には次のような言動が多いです。

・「お酒に酔ったみたい」
・「今日は暑いねー」=上着を脱ぎ薄着になる
・「今日は家に帰らない、帰りたくない」

反対に攻めをベッドに引きずり込む、押し倒す、乗っかかるなど行動で示す場合は「遅い受け」「乗っかり受け」などと呼びます。


筋肉受け

とくにBLでよく使われる用語で、筋肉質なキャラクターが受けである状態をいいます。大手イラスト投稿サイトpixivでは、男女の恋愛を扱ったNLに使用する場合がありますが、基本的に「受け」という言葉はBL同人用語。NLで男性が受けとなる「男受け」と区別したほうが無難でしょう。

筋肉受けの相手は男の娘やひ弱キャラなど、たくましさと対極にある人物が多いです。一部腐女子からは「マッチョ受け」「ガチム受け」などと呼ばれます。


総受け

BL作品においてすべてのキャラの受けとなるキャラクターを指します。一人が作品に登場する攻め全員に好意をもたれている、どのキャラとカップリングさせても受けとなる状態です。別名「愛され」「総愛され」と呼びますが、総受けとは違う意味合いで使い分ける場合があります。

反対に全キャラに対して攻める人物は「総攻め」と定義されます。どのキャラが総受けか、総攻めかといった明確な線引きはなく、腐女子の主観により相違がある場合もしばしばです。


【上級編】目指せBL界の腐死鳥!

ここまできたあなたは立派な腐女子。脳内はBLで満たされ、無くてはならない体になっているはずです。しかしBL同人用語にはさらなるステージが存在します。深い萌えの沼へハマりましょう!


リバ

英語のReversibleに由来するリバは、攻めと受けを両立できる嗜好のこと。じつは苦手な腐女子が多いため、作品には以下のようなタグがつけられ読む前に分かるようになっています。

・AB、BA
・ABA、BAB
・キャラA、キャラB、リバ

日本は攻め・受けをはっきり区別した作品が好まれますが、海外では愛があれば受けや攻めは関係ない、といった傾向が主流。行為が始まるまで、どちらが受け攻めなのか分からないケースがほとんどです。過去にはリバ作品のタグをめぐり炎上した事件があり、使用には注意が必要な用語といえるでしょう。


オメガバース

英語圏を中心とした海外BLの二次創作から派生した、男性の妊娠・出産を扱う特殊設定。正式名は「alpha / beta / omega dynamics」ですが、略してomegaverseと呼ばれます。ちなみに-verseとは架空の世界観を表す英語圏の接尾語です。

簡単に説明すると、オオカミの群れの階級社会と両性具有が合体した独特の世界観が特徴。作品中では男性同士の性交や結婚、出産が当たり前です。さらに獣特有の発情期や、半獣人などの要素が加わる場合もあります。

オメガバースには男女だけでなく第三の性別が登場。アルファ・ベータ・オメガの三種類のキャラは、アルファがオメガのうなじを噛むとカップル成立。発情期のあるオメガは男性でも妊娠が可能です。


サンド

食べ物のサンドイッチが語源で、受け一人に対し攻めが二人いる設定のこと。受けがA、攻めがBとCのときは「BCサンド」と表現します。いつものカップリングがAとB、AとCでも三人でイチャつく場合は受けの愛され度が急上昇。作品によってはBとCで取り合いになることもあります。

まれにBとCの攻め同士で愛し合うシチュエーションが登場する作品があります。受け同士や攻め同士は苦手な人が多いため、ちょっと気を付けたいジャンルです。


ホモ百合

百合のような関係を描いたBL作品です。受け同士で恋愛、カップリングする状態を指します。レズビアンの隠語である百合とBLを意味するホモが合体した造語ですが、ホモという言葉が差別的な響きを持つため使いたがらない腐女子も増えてきました。

別名「受け×受け」「受×受」とも呼ばれます。また中世的な外見の男性同士の恋愛状態を「疑似百合」といいますが、この場合は男と女を認識し合うとノーマルカップルになります。少々ややこしいですが、本人の自覚と主観による住み分けが大きいジャンルといえるでしょう。


ナマモノ

二次元作品のBLを三次元の男性に当てはめてカップリングを楽しむこと。アイドル、俳優、芸人、職場の男性など生身の男性から妄想してBLを楽しむ行為です。通称「ナマモノ萌え」とも呼ばれ、これができるようになると上級者に達したと見なされます。

同人BLでは芸能人を扱った作品が割と多く見られ、1990年代の同人バブル期にはすでに多くのナマモノ系が描かれていました。海外では「RPS」「RPF」などと呼ばれ人気が上昇中。日本では他にも「生モノ」や「nmmn」といった隠語があり、その対象はK-POPアイドルにも及んでいます。


砂を吐く

攻めと受けが愛し合う様子があまりにも尊すぎて恥ずかしくなり悶え、口から何かを吐き出す様子。用法としては「甘くて甘くて砂を吐く」といった使い方をします。本来は激甘な関係に思わず砂糖を吐く意味合いです。なぜ砂になったかは諸説ありますが、砂が口からザーッと流れ出る「漂流教室」の名シーンを、パロディしたのではないか?といわれています。

別名は「砂吐き話」「砂を吐くような話」などと呼ばれます。腐女子の間ではBLだけでなく、恋愛ののろけ話やラブラブストーリーにも適用。ちなみに視界に入るものすべてをカップリング、濃厚なラブストーリーに仕立て上げるスキルを持つ腐女子を「砂かけ婆」ということもあります。


初心者におすすめのBL作品を紹介

最後は腐女子のイロハを学んできたあなたに、とっておきのBL作品を紹介します。漫画、小説、アニメなどそれぞれの良さを肌で感じて、思う存分萌えちゃってください。


おすすめBLエロ漫画「恋するヒプノティックセラピー 限定版」

作者まさき 茉生
出版社一迅社
ジャンル催眠・筋肉・ややビッチ受け
登場人物のイケメン度90点
ストーリーの胸キュン度70点
エッチなシーン80点
総合点数85点

手当たり次第に惚れまくるややビッチ寄り、ボーイズバー勤務のゲイ 一志と年下大学生 木蒼の恋愛BL。催眠アロママッサージでメロメロになった受けの一志とのイチャイチャシーンが秀悦で、どんな腐女子もキュン死必須の内容です。

とにかくイラストが綺麗で画力はダントツ。商用BLでは珍しい受け×下からの描写が多く萌え度はマックスです。さらに下着の上から丁寧に股間の形を表現、アダルト規制の白塗りにすることなくエロさを堪能できる作品となっています。ちなみにAmazonは25Pの描きおろし付き限定版です。




おすすめBLエロ小説「美しい彼」

作者凪良 ゆう
出版社徳間書店
ジャンル正統派純愛BL
読みやすさ80点
ストーリーの胸キュン度90点
官能的な場面の描写75点
総合点数90点

2014年に発売されたBL小説の名作。影を背負った攻めの主人公と美少年の受けとの純愛を描きます。レビューではキュン死、悶絶した腐女子が続出。萌えるだけでなく切なさや笑いといった、小説的な要素も十分楽しめる作品となっています。

文字を読みなれている人はキャラの容姿を想像して楽しめると思いますが、漫画やアニメ慣れしている人はちょっと登場人物が想像しづらいかもしれません。しかしソフトな表現の性的描写、丁寧に描かれた二人の心の受け渡しなど、初心者でも楽しめる内容となっています。




おすすめBLエロアニメ「ぼくのぴこ シリーズぴこ1」

作者谷田部勝義
メーカーナチュラルハイ
ジャンル世界初の少年愛アニメ
登場人物のイケメン度60点
ストーリーの胸キュン度70点
エッチなシーン90点
総合点数70点

2006年に発売されたおそらく世界初であろう少年愛アニメ。主人公が思いっきりショタなので、それ系に興味があるなら一度は見るべき作品でしょう。しかし歴史的アニメとはいえ、腐女子にあまり人気がありません。主人公の声優が明らかに女性な点、性的描写が露骨な点が不人気の理由です。

明らかに男性向けに制作された可能性が高いですが、少年愛×エロを堪能できる作品ではあります。車内、氷、女装、そして海岸でのプレイはかなりのリアルさ。キュンを感じる要素が少ないのが残念ですが、ドキドキ感は120%体感できるでしょう。




おすすめBLエロ動画「男子寮の悪魔たち」

作者オリジナル動画
メーカーGIRL’S CH
ジャンル学園BLもの
登場人物のイケメン度80点
ストーリーの胸キュン度60点
エッチなシーン85点
総合点数80点

女性向けアダルトメーカーGIRL’S CHのオリジナル学園BL。2018年に人気男優を起用して全6作作られました。俺様系の生徒会長の攻めに受けのユウリがとことん応える内容ですが、凌辱なども織り交ぜハードなストーリーに仕上がっています。

いつもは女性を相手にプレイしているせいか、肝心のシーンでは攻めが遠慮しているように見えて少々モヤモヤ。出演者がBLに入り切っていないので、視聴する側も話に入り込めません。ただイケメンかつ美しい体の三次元BLとしては合格点。キスシーンが多い点も高評価です。




まとめ:BL同人用語を知って腐女子ライフを謳歌しよう!

ドキドキ・キュンキュンするイケメン同士のラブストーリー。なにやら意味深な専門用語の意味を知ると、今までの10倍作品を楽しめるでしょう。

BL同人用語は星の数ほど存在し、今も新しい言葉が生まれています。しかし今回紹介した言葉を押さえておけば、かなり深い作品の魅力を探ることができるでしょう。さっそく下記のリンクからBL作品を探して、思いっきり萌えてくださいね!以上、panpan(パンパン)編集部からのお届けでした。

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