BLとはボーイズラブのこと!ゲイや少女漫画との違い・歴史・魅力まとめ

BLとはボーイズラブのこと!ゲイや少女漫画との違い・歴史・魅力まとめ

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コタロー編集チーム
エロ漫画・アニメなど、オタク趣味のディレクターとライターで構成されたチームが作品の隅々までレビュー。軽いエロからハードエロまで、シコれる作品を紹介していきます。基本的に好きな作品や、シコネタのルーティンになっているオススメばかり!コミケ参加は不可欠で新刊チェックも日々行っています。

BLの歴史を解説〜起源から令和のトレンドまで〜


1990年代半ばから広まったBLという言葉。しかしそれ以前からBLの源流とも言うべき流れはあり、言葉として定着してからもそのトレンドは刻々と変化し続けています。ここではBLの歴史を、起源から最新トレンドまでざっと一望してみましょう。


BLの起源は竹宮惠子の「風と木の詩」

男性の同性愛の歴史なら、紀元前の古代エジプト王朝にまでさかのぼります。ただBLの起源という場合はあくまで日本国内に限られ、昔と言ってもせいぜい半世紀ほど前です。

じつは竹宮惠子が「風と木の詩」で描いた男性同士の恋愛が、BLの起源であると言われています。言わずと知れた少女漫画の大家ですが、「風と木の詩」を連載していた1970年代後半は男女の性愛描写への検閲が厳しく、男性同士に置き換えて描く事で規制の網を逃れたんですね。

竹内の「風と木の詩」がヒットしたのを機に、1970年代後半には少女漫画における少年愛ブームが巻き起こります。このときの流行が、のちにBL漫画へとつながる地盤を作ったのではないかと考えられるわけです。


1990年代~BL小説のレーベルが続々誕生~

BLというジャンルは、漫画と小説の両方でともに高い人気を誇ります。しかしこれは意外と珍しい事のようです。そして1990年代に入ると、BL小説を出版する新レーベルが次々に誕生します。

そんな中1990年代後半には出版不況の波が押し寄せ、数少ない伸び盛りの成長分野として一躍脚光を浴びたのが、ライトノベルとBL小説だったというわけです。


1996年~「カードキャプターさくら」連載開始~

漫画、小説ともファンの間では着実に広がりつつあったBL。1996年に少女漫画誌「なかよし」で連載が始まった「カードキャプターさくら」は、その広がりをファン以外のところへと押し広げました。作中では、主人公さくらの兄と友人との同性愛を匂わせる関係が描かれます。

「カードキャプターさくら」自体はBL漫画ではありませんが、商業誌のしかも少女漫画誌でBL要素が公然と描かれた事は、作り手側と受け手側の双方にBL的なものへの抵抗感が少なくなってきた証です。

同作は1998年にはNHKでアニメ化され、翌年には地上波でも放送。幼い視聴者の感性に“BLはさして変な事ではない”と植えつけるのに、一役も二役も買ったことは想像に難くありません。


BLの現在地|令和のトレンドはBL漫画原作の実写化

2008年にBL誌連載の漫画「純情ロマンチカ」が地上波でアニメ化されるなど、これまでもいろいろな前兆はありました。しかし令和に入ると堰(せき)を切ったように、BL原作がアニメ化を通り越してドラマや映画で実写化され始めます。

BLと言うよりメンズラブですが大ヒットしたドラマ「おっさんずラブ」や、深夜枠で放送され人気を博した「きのう何食べた?」、FODオリジナル作品の連続ドラマ「ポルノグラファー」など、最近のBLストーリー実写化の例は枚挙にいとまがありません。

劇場映画も同様で、2020年後半には大倉忠義・成田凌W主演の「窮鼠はチーズの夢を見る」や匂い系ボーイズラブ漫画とも言われる「さんかく窓の外側は夜」(岡田将生・志尊淳W主演)が公開を控えています。どちらも超メジャーな若手人気俳優をキャストに配しており、令和2年はBL邦画の本格的な飛躍の年となりそうです。


BLの魅力とは?腐女子から愛され続ける、驚きの理由



BLが女性にウケるのは一体なぜなのでしょうか?その理由がわかれば、おのずとBLの魅力も浮かび上がるはずです。腐女子の心理に迫りつつ、その驚きのワケを探ってみました。


揺れる男心の描写がたまらない

男女の恋愛ストーリーだと、心の葛藤が描かれるのはたいてい女性キャラ。男性の心理も描かれないわけではありませんが、“浮気心に頭を悩ます”などのステレオタイプが主流でどうも目新しさとリアリティに欠けます。

その点BLには“同性愛”という高いハードルがあり、男性キャラたちは多かれ少なかれ苦悩せざるを得ません。世間体もあれば、自分自身のアイデンティティを見つめ直す重要な契機ともなるからです。

そういう意味でBLは、恋愛に真摯に向き合う男の姿がくっきりと描かれる唯一のジャンル。腐女子が興味津々なのもうなずけます。


いけすかない美少女を見なくて済む

イケメンばかり出てくるトレンディドラマを男性が好まないように、女性だってとびきりの美少女ばかりが出てくる物語には食傷気味です。ヒロインに自分を投影できず、他人の恋愛を指をくわえて眺めているなんて退屈でしょう。

それならいっそ、自分と比較してしまう同性のキャラが出てこない方が好都合。BLの男性同士の恋愛模様の方が、物語としてずっと気楽に楽しめるというわけです。


受け身の男性の姿にキュンキュン来る

セックスでは女性は最後はやっぱり受け身。でもBLだと受け身の男性の姿が描かれます。これは腐女子ならずとも、かなり新鮮な構図です。

BL作品に触れる事は、攻めに徹する疑似体験にもなります。攻められる男性の姿に自分を重ねるのではなく攻める男性に自らを投影するのが、BL鑑賞における腐女子のたしなみと言えるでしょう。


有名なBL作品まとめ|漫画、アニメ、小説、映画の各代表作を紹介

最後は有名なBL作品をまとめてご紹介しましょう。筆者はテレ東のドラマ「きのう何食べた?」(原作よしながふみ)が好きですが、性愛の描写が全くないためメンズラブ入門としては最適です。ただここでは、セックスにまで踏み込んだ正統派のBLストーリーを各ジャンルから厳選しました。


漫画「囀る鳥は羽ばたかない」


BLコミック界の巨匠・ヨネダコウの作品。真誠興業の社長・矢代は、裏ではヤクザの若頭も務めるポーカーフェイスのイケメン。しかも性癖はドMで淫乱の同性愛者です。

そんな矢代の用心棒として雇われたのが、従順な付き人・百目鬼力(どうめき・ちから)。仕事とプライベートは分けるのがポリシーの矢代でしたが、百目鬼にはいわく言い難い魅力があり…。

お互い辛い過去を抱えた男2人の切なくも激しいラブストーリー。ヨネダコウお得意の、心理描写のうまさが光ります。




アニメ「ユーリ!!! on ICE」



物語の主人公は、グランプリファイナルで惨敗を喫したフィギュアスケーターの勝生勇利。故郷に帰り現役続行か引退かと悩む勇利のもとへ、もう1人の“ユーリ”であるロシア人スケーターのユーリ・プリセツキーが現れて…。

純粋な師弟愛を描いた物語としても楽しめますが、随所にBL要素がちりばめられた傑作。スポ根アニメの常識を覆す、腐女子必見のフィギュアスケートアニメです。




小説「交渉人は黙らない」


榎田尤利と奈良千春のコンビによる「交渉人」シリーズの1作。元検事で元弁護士の芽吹章は、たぐいまれなる美貌のイケメン紳士。暴力と脅迫と強制を憎み、弱者救済を旗印にかかげ自ら立ち上げた「芽吹ネゴオフィス」で奮闘する日々です。

そんな芽吹の前に現れた1人の男。もう2度と会うまいと思っていた兵頭寿悦は、何と芽吹が蛇蝎(だかつ)のごとく嫌うヤクザになっていました…。

水と油のように思えた2人ですが、その丁々発止のやりとりは読んでいてじつに爽快。BL展開はやや強引なところもありますが、ストーリーの縦軸がしっかりしており腐女子ならずとも楽しめます。




映画「LOVE STAGE!!」


2020年6月公開予定が、コロナの影響で延期になっている待望の邦画です。原作は影木栄貴+蔵王大志によるBLコミック。映画では瀬名泉水役を杉山真宏が、一条龍馬役を仲田博喜が演じています。

芸能一家に生まれた主人公の泉水ですが、彼自身はとくに秀でた才能もなくごくふつうの大学生活をおう歌していました。ところがひょんな事からCMに出るハメになり、そこで若手人気俳優となった一条龍馬と10年ぶりの再会を果たします。

じつはこの龍馬、泉水の事を女の子と勘違いし、10年間も片思い。同性にときめく龍馬も、その愛に応えるべきか戸惑う泉水も、ともに激しい葛藤にさらされ…。




まとめ:BL作品はすっかり市民権を得て、今やエンタメの貴重な一角に!

男性同性愛を描いた作品は昔からありましたが、今ほど広く受け入れられた事はありません。「おっさんずラブ」の大ヒットなど、10年前ですら考えられなかった現象です。

漫画に始まり、小説・アニメ・TVドラマ・映画と、あらゆるジャンルに猛スピードで浸透中。BLを腐女子だけの楽しみにしておくなんて、もったいなさすぎます。

BL作品にふれて、新しい時代のエンタメを体感しましょう。以上、panpan(パンパン)編集部からのお届けでした。

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