BL同人作品の創作活動を一から教えます!書き方の工夫、発表の場、現場の苦労など

BL同人作品の創作活動を一から教えます!書き方の工夫、発表の場、現場の苦労など

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コタロー編集チーム
エロ漫画・アニメなど、オタク趣味のディレクターとライターで構成されたチームが作品の隅々までレビュー。軽いエロからハードエロまで、シコれる作品を紹介していきます。基本的に好きな作品や、シコネタのルーティンになっているオススメばかり!コミケ参加は不可欠で新刊チェックも日々行っています。

「他人との比較」が何よりの地獄。数値化される現代だからこそ苦しみも大きい

昔のBLの創作作品を発表する場といえば、個人サイトや即売会など、「そこに行かなければ見れない・買えない」時代でした。しかし今はpixivやTwitterなど、ネットに公表する人の方が多いでしょう。そうなると「ふぁぼ・リツイ・いいね・シェア」など、さまざまな数字が叩きつけられます。

この数字によって、「誰にも評価されない」と筆を折る人もたくさんいるのです。昔同人作家をしていた「るみね」さんは、同人活動で苦しんだ要因をこのように述べています。

・いいね、RT、ブックマーク評価が数値で現れて公開される
(中略)
・同ジャンル、カプ内で評価が低い、人気がない。人気の有無で扱いの態度に差をつけられる。下に見られたり、構われない。
・自分から他人の作品を読んだり感想を伝えても、自分の作品は読まれない。
引用:LUMINESS


人気があるかどうかで扱いが変わる、これはBL同人に関わらず人として厳しい現実です。他にもイラストレーターとしても活躍する「さいとうなおき」さんも、「自分より下手な絵を描くやつが売れている意味がわかない」と憤慨した経験があるそう。こちらの動画の動画の11:10辺りから見れます。



「絵がうまい=偉いわけではない」、これは真理な気もしますが、同人作家からすればなかなか割り切れない点でもあるでしょう。

自分の作品の1番のファンは自分であるべきです。人と比較し自分を貶める行為はやめましょう。謙遜と卑下は違います。たくさんの人に読んでもらえない=駄作でもありません。これを力強く信じられれば、数値化される現実に惑わされずに創作活動を楽しめるかもしれませんね。


BL同人創作での幸せは、努力が形になって目に見えたとき

創作活動をしていれば、「いつか同人誌を作りたい」と思うようになるはずです。もちろんそこでバカ売れするほど嬉しいことはありませんが、例え売れずとも大きな達成感はあるはず。「てっど」さんは「本をつくるのは苦しいけど素敵に楽しい」と述べています。

商業出版はひとつの大きなゴールかもしれないですが、自分ですべて考えて本をつくる喜び、ってあって。
つたないけれど、やっぱり素敵に楽しいものです。
(中略)
本をつくるのは、苦しいけど、素敵に楽しいです。
ほんとうに。
引用:てっど


確かに自分で苦労して描き上げた作品が、「同人誌」として紙媒体になったときは、かけがえのない幸せを感じるでしょう。またその作品を買って読んでくれる人がいたならば、BL作家としてこんなに嬉しいことはありません。


他にも「BL創作を続けていたらアンソロジーから声がかかった」など、予想外の幸せを掴まれた方も。


イベントで売れる・売れないだけにこだわらず、自分の作品が本になった・1人でも読んでくれた人がいた、そんな努力が形になって目に見えたとき、「やってて良かった」と最高の幸せを感じるのでしょう。


大手印刷会社が語る同人誌創作の現実。黒塗りベタを避けるべき理由とは?

作家さんに苦労話を聞くと、その多くが「締め切りに間に合わない・話が思い浮かばない・画力が妄想に追い付かない」などの、ある程度予想の範囲内の回答が返ってきます。しかし本を制作する上で欠かせない現場の1つ、印刷会社に話を聞くと、面白い裏話がありました。

同人誌の印刷を請け負っている印刷会社の中でも、大手にあたるスターブックスさんは、コミケ前にこんな地獄を見るそうです。

19時がビッグサイトへの搬入のリミットで、17時まで印刷していることもあります。(※文京区のスターブックスからビックサイトは車で40分くらい)うちでは10台トラックを準備します。9台は先に行ってもらって、1台がギリギリまで待機
引用:イーアイデム


締め切りを守らない利用者のせいとはいえ、19時リミットで17時まで印刷とは…胃がキリキリしそうな話です。また意外だったのは、印刷技術の面で1P丸ごとの黒塗りベタがとても難しいこと。

「例えば、マンガを30ページ描こうとしたけれど間に合わなくて、余ったページを全部ベタにしてしまう方が時々いらっしゃるんです」
「ところが、印刷所からすると全面ベタは本当にむずかしくて。印刷機も汚れるし、時間もかかるし、その部分だけ手作業にしなくてはいけないこともあるんです。何よりお客様の本に汚れが出てしまう可能性があります」
引用:イーアイデム


「間に合わなくて」って理由は最低ですが、しかしたまに演出上真っ黒のページを挟むBLはあります。印刷会社さんにしてみれば手刷りになるデメリットの多い作業を要求されるのですね。

ちなみにですが、スターブックスさんは目次のページ数や誤字など、原稿をある程度チェックしてくれるそうです。

「原稿をどこまでチェックするかは、印刷所によってかなり違いますね。確認用のPDFファイルを渡して、それで終わりの印刷所もあります。うちもあくまでも完全データでのご入稿が前提ではありますが、スタッフが気づける範囲で不備のご連絡をさせて頂いています」
引用:イーアイデム


有難い話ではありますが、同時に自分の性癖をガン見されるのと同義。これは思ったよりも鋼の心臓が必要になりそうです。しかしイベントに無事本を間に合わせたいのであれば、締め切りを守るのが当然ながら大前提。もし同人誌を作りたいのであれば、印刷会社さんに迷惑をかけない利用者になりましょう。


できたBL作品はどこで発表する?一番気軽に投稿できるのはpixiv



このご時世に自分だけのホームページを作ったとしても、よほど大手作家にでもならない限り読者の目に届きません。やはり無難かつメジャーなのは、「支部」と略されるpixivです。

Twitterでも公開できますが、タグ付けしてもタグ検索する人は少なく、流れてしまうため過去ツイが目につきにくいのが難点。その点pixivであれば、マイページさえ持てばいつまでも保持できますし、タグ検索者が多いため同士に見つけてもらいやすいのが特徴です。

アカウントさえ作成すれば、あとは「作品を投稿」ボタンからデータをアップロードするだけ。Twitterでつぶやくのとさほど変わらない労力でBL作品を投稿できます。月額458円(税抜)のプレミアム会員になれば、アクセス解析や投稿画像の差し替えなど便利な機能がありますが、無料会員のままでも充分活用できる場です。「まずは試しに」そんな気持ちで気軽に投稿してみましょう。


創作の参考にしたい!おすすめのBL同人作品3選|無料で閲覧可能



「人と比べると地獄を見る」とはお伝えしましたが、だからといって一切見ないのも技術向上の妨げになります。「この原作ではどんなCPが王道なのか・自分と被った世界観で描かれた作品がないか」など、知識を増やすためにも作品のチェックはしておきたいところ。最後に創作活動の参考になる、無料で読めるBL同人作品を3つご紹介しましょう。


①「黒荒の落書き」


「645」さんの描く「弱虫ペダル」のBL作品です。何より参考になるのが、背景とキャラの書き込み量バランス。背景は定規など使わず手書きで描かれたものでしょう。線がゆがんだりしています。それでもキャラの書き込み量より少なく書かれているため、さほど気にも留めずにスムーズに読み進められます。

また原作に忠実なサイズ感なのも素晴らしい点。キャラ崩壊していない顔立ち・原作通りのウエストの細さや筋肉量・BLになっても変わらない性格など、読み手を選ばない作風です。自転車に乗っている時の汗や、躍動感のある髪などは、同作品でなくともお手本にしたいところですね。




②「3/20氷奏ストラースチ新刊「愛を君に、涙は僕に」」


商業誌でも連載を持ち、数多くの本を出版されている「こだか和麻」さんの同人垢での作品です。「ユーリ!!! on ICE」の同人作品ですが、原作に忠実な作画かといえばそうでもありません。こだか節なタッチです。しかしプロだからこその奥行き感・完璧なパースの背景・ありとあらゆる角度から魅せるコマ割りは、かなり参考になります。

あおりと俯瞰を駆使した奥行き感は、素人がマネして描けるものではないかもしれません。しかしページ内でのアップと全身像の比率や、シャワーを浴びているときの水の流れ・両手を上げた時の肩の筋肉など、マネできるデッサン力もあるでしょう。商業誌で20年以上、第一線で活躍し続ける実力を学ばせてもらいましょう。




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③「この国の不幸に仕えて」
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