新海誠はエロゲOPを制作していた!その後の人気映画にも名残を発見

新海誠はエロゲOPを制作していた!その後の人気映画にも名残を発見

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コタロー編集チーム
エロ漫画・アニメなど、オタク趣味のディレクターとライターで構成されたチームが作品の隅々までレビュー。軽いエロからハードエロまで、シコれる作品を紹介していきます。基本的に好きな作品や、シコネタのルーティンになっているオススメばかり!コミケ参加は不可欠で新刊チェックも日々行っています。
たとえアニメ好きじゃなくても、誰もが知る映画監督、新海誠。「君の名は。」の爆発的ヒットを経て、今や日本を代表する著名人になりました。しかしそんな名監督の過去に、エロゲのOPを手掛けていた事実があることをご存知ですか?今回は新海誠が手掛けたエロゲOPの動画や当時の評価、エロゲ制作にまつわる裏話などを詳しくご紹介しましょう。また新海誠以外にもいるエロゲ出身の著名人も大公開!知られざる過去を紐解いていきます。


「君の名は。」や「天気の子」を手掛けた監督・新海誠とは




新海誠は1973年生まれの長野県出身です。先述したように「君の名は。」の大ヒットは、記憶に新しいことでしょう。しかしそれ以前から、すでに評価されていた名監督だったんですよ。

新海誠のデビューは、1999年に公開された短編アニメーション「彼女と彼女の猫」になります。



なんとこのデビュー作から、すでにグランプリや最優秀賞などの受賞しているのです。

1999年/SKIPクリエイティブヒューマン大賞にて一般部門動画最優秀賞受賞
2000年/SKIPクリエイティブヒューマン大賞にてヒューマン大賞受賞
2000年/第12回 DoGA CGアニメコンテストにてグランプリ受賞
引用:Makoto Shinkai Works新海誠作品ポータルサイト


その後も彼の輝かしい経歴は止まりません。

・2002年公開「ほしのこえ」受賞数:8
・2004年公開「雲のむこう、約束の場所」受賞数:2
・2007年公開「秒速5センチメートル」受賞数:2
・2011年公開「星を追う子ども」受賞数:2
・2013年公開「言の葉の庭」受賞数:5

このように発表する作品すべてがいくつもの賞を受賞しています。その後2016年に「君の名は。」、2019年に「天気の子」を公開し、いずれも輝かしい結果を残しているのはご存知の通り。アニメファンにしてみれば、「君の名は。」以前から素晴らしい監督であると周知されていました。

そんな新海誠の魅力は、圧倒的な映像美と繊細な心理描写の融合にあります。例えば「昼間」を表現するにしても、ただ空が青いだけではありません。光の線でその光量を表現したり、草木の濃淡に何十色も使ったり。他にも空との境目がわからない滲んだ雲を配置し奥行きを出したりするなど、細部にまでそのこだわりが見て取れます。

また重みを持ったセリフ回し・純文学のような世界観・表情ではなく身体の一部や洋服で感情を表す表現力など、圧倒的な没入感を演出する手腕はさすがとしか言えません。アニメ映画だけでなく、企業のCMにもそのこだわりは生かされています。下記の公式サイトで彼の作品が見られますので、ぜひチェックしてみてくださいね。




新海誠はかつてエロゲのOP(オープニング)を手掛けていた!

経歴や作品だけみれば、新海誠は「高尚な作品を創り出す名監督」です。もちろんその肩書きに嘘はありませんが、その実力はエロゲ制作にもそそがれていました。

初めてエロゲのOPを制作したのは2001年で、2002年公開の「ほしのこえ」と併せ、2足のワラジで作られていたんだとか。そしてそれ以降もいくつかエロゲOPを制作しています。それらの作品を紹介していきましょう。


制作したエロゲOPは「BITTERSWEET FOOLS」




2001年に発売された「BITTERSWEET FOOLS(ビタースウィート フールズ)」は、イタリア・フィレンツェを舞台にしたゲームです。スナイパーとして命がけで戦う少年アランと、純真無垢な少女テイとの出会いを描いた物語。プレイヤー=主人公ではなく、プレイヤー=第三者目線で作られた、一風変わった作風になります。

そしてこのゲームのOPを手掛けたのが新海誠で、動画がこちらになります。



キャラの原画は、漫画「GUNSLINGER GIRL」でお馴染みの相田裕。だからこそ絵柄で言えば新海誠っぽさはありません。しかしキャラの後ろに流れる背景を見れば、新海誠さを感じる人も多いのでは?

地上から空へうねるように登る視覚効果、光の線、水溜まりに落ちる水滴と水紋など、どこか「君の名は。」でも見たような演出が多く見受けられます。他にもキャラクターの髪の毛や服に躍動感があるのも、彼らしい技法ですね。


当時の評判はエロゲにない独特の世界観で賛否両論

「プレイヤー=主人公ではなく、プレイヤー=第三者目線」、これも意見が分かれる点でしたが、それ以上にエロに特化せず「フィレンツェのスナイパーの物語」をクローズアップしたのが大きな要因です。

良質な雰囲気ゲーでした。
(中略)
ARIAのような独特な雰囲気が好きな方に会うのではないでしょうか。
引用:ErogameScape -エロゲー批評空間-


このように「雰囲気はいい」とする意見が目立ちます。エロゲなのに「エロいのがいい」じゃないのが面白い点ですね。他にもこの雰囲気を褒める声はたくさんあります。

すごく雰囲気を大事にした、いい作品だと思いました
引用:ErogameScape -エロゲー批評空間-


minori初プレイ。最高の雰囲気を醸し出してる。
引用:ErogameScape -エロゲー批評空間-


不思議な雰囲気のゲームでした。無関係な登場人物達が微妙に交差するシナリオはなかなか良かったです。やって損はないと思います
引用:ErogameScape -エロゲー批評空間-


ただこの雰囲気を好む人もいれば、もちろんイマイチだと感じる人もいます。

雰囲気にあわせてシナリオを練ったような感じ。
(中略)
全くそそられないHシーンというのも珍しい
引用:ErogameScape -エロゲー批評空間-


淡い絵と独特な雰囲気はいいが、肝心の話の筋がよくわからない。なぜそうなるか、の必然性が薄く行き当たりばったりな展開が目立つ。
引用:ErogameScape -エロゲー批評空間-


エロゲにないストーリー展開の重さを持つ、シナリオに不満を抱く人が多かったようですね。しかしそれでも2004年の口コミで、新海誠のOPを褒める声がありました。

シナリオが薄くて雰囲気しか印象に残らないけれど、その雰囲気すら新海誠氏のムービーだけで充分伝わりそうな。
引用:ErogameScape -エロゲー批評空間-


フィレンツェを基とした舞台表現(背景CG、音楽の調和など)や、制作者の意気込み等は光るものを感じました
引用:ErogameScape -エロゲー批評空間-


デビュー当時から数々の受賞歴を持つ新海誠です。「君の名は。」の10年以上前にも関わらず、やはりその実力はエロゲでも評価されていたようですね。


新海誠は所属していたゲーム会社「minori」のほとんどの作品を手掛けていた

彼がエロゲのOPを手掛けたのは、「BITTERSWEET FOOLS」だけではありません。実は「BITTERSWEET FOOLS」がminori第1作目のエロゲなのですが、その後発売されるゲームでも、同じく新海誠がOPを手掛けています。

「BITTERSWEET FOOLS」の翌年、2002年に発売されたのが「Wind -a breath of heart-」です。こちらはまだ「ヤンデレ」という単語もない時代に、ヤンデレキャラを登場させ大きな話題になりました。minoriの出世作とも呼ばれています。



2004年に発売されたのが「はるのあしおと」。四季折々の景色・視点が変わる疾走感・「成長」を感じさせる心理描写など、こちらも新海誠っぽさを充分に感じられる作品です。



まだあります。2006年に発売された「ef - the first tale.」も、新海誠らしい手腕が前面に出ているOPになっています。例えば空に舞い上がる紙飛行機、その背景の美しさはエロゲどころか映画のOPにしか見えません。奥行きのある家屋・廃墟の雰囲気・視点が大きくうねり動く様など、やはり見ただけでその特徴がわかります。



ちなみにこちらの作品は、「秒速5センチメートル」と併せて制作されていたそう。このクオリティの作品を同時進行できるなんて…彼の才能の素晴らしさに感心させられます。


2018年にエロゲに携わっていた過去を公開しなくなった

「君の名は。」が公開された2016年時点では、新海誠はminoriでの活動を一切隠していませんでした。彼個人のブログサイトでも、「minori作品オープニング」としてコーナーが用意されていたほどです。しかし今彼のブログサイトにいっても、このコーナーを目にすることはできません。



以前はこのような文言と共に、リンクが用意されていました。

2011年以前の情報は旧Other voicesに置いてあります。
引用:Other voices


しかし今では寂しい追記がされています。

(2018/03/28 旧HPは削除しました。)
引用:Other voices


この翌年2019年に「天気の子」が公開されています。オトナの事情なのか新海誠の心情なのかはわかりませんが、彼の公式サイトではもうminori時代の作品を見られないのは、なんとも寂しいものですね。

ただYouTube上では見られます。minoriが公式チャンネルを持っているので、こちらならいつでも新海誠が手掛けたOPを見られますよ。




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一般映画「君の名は。」や「天気の子」にもエロ要素の名残があった!
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