奇形精子=ダメではない?不妊の原因といわれる奇形精子の真実

奇形精子=ダメではない?不妊の原因といわれる奇形精子の真実

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愛のあるヤリチン
時雨
小中高時代は義理チョコしかもらったことない非モテ男でしたが、大学デビューして遊び人の友達とストナンしまくるように。19歳で童貞卒業と遅咲きながら、28歳の今では遂に3桁突破!非モテだったからこそ女性に尽くしたいと努力した結果、女性を喜ばせるセックステクニックやデート交渉術には自信があります。皆さんに勇気を与えられるようなノウハウ伝授を心がけます。
奇形精子だけが不妊の原因ではありません。確かに原因のひとつではありますが、大袈裟に騒ぐほどの事ではありません。どんな人にも奇形精子は存在しますし、極論をいえば、妊娠はたった一匹の正常な精子がいれば可能です。この記事はそれを頭に置いて読んで下さいね。


不妊の原因といわれる奇形精子とは


正常な精子は、尻尾の長―いオタマジャクシのような形をしています。簡単に説明すると、丸い頭部には遺伝情報の大元であるDNA(核)があり、尾の部分の運動によって卵子に向かって進みます。

奇形精子とは、頭や尾の部分が二つあったり、尾が極端に短かったり長すぎたり曲がっていたり、頭の形が小さすぎたり大きすぎたりイビツだったりと、形状に異常があって受精能力がほぼない精子です。

奇形精子の占める割合が多すぎる場合は、不妊症の原因のひとつになり得ますが、一概に妊娠は不可能だ、というものではありません。筆者は昔、不妊症の相談に来ていたご夫婦の旦那様の精子を顕微鏡で見た事があるのですが、正常な精子がとても少なく、頭の部分や尾が二つに分かれている奇形精子がたくさん存在していました。そしてそういう奇形精子は動きも良くなく(精子運動率)男性側が原因で妊娠しにくい、という結果になりましたが、それでも妊娠の可能性はあるとの事でした。




奇形精子で良く出回っている間違った情報


奇形精子で良く出回っている間違った情報

不妊症に関する情報はたくさんあり、その中には奇形精子に関する情報ももちろんあります。中には大げさな情報も少なくなく、情報元が医学関係ではない、不安を煽るような情報は鵜呑みにする事はありません。「不妊の原因の60%は男性」だの「正常な精子の男性はたったの2%!奇形精子の男性が増えている!!」等々、大げさで不安を煽るような情報に信頼性はありません。そもそも奇形精子は誰にでもあるものなので、「奇形精子があったからダメなんだー!」と嘆く必要はないのです。

また、奇形精子の多い人はカップラーメンやハンバーガー等の食品を常食しているという情報も見かけますが、これらの情報を読むと、カップラーメンやハンバーガーを常食している人は奇形精子が多くなるように受け取れます。確かにカップラーメンの容器や加工食品には精子の質を落とす環境ホルモンが含まれていますが、だからと言って食べるとすぐに奇形精子が増えるわけではありません。あくまでも精液の質に影響が心配されるという事です。本当に子供ができずに悩んでいるご夫婦が、食生活にも気を使い、精液の質を少しでも良くしたいような場合に気にかければ良いと言う事なのです。


実は、奇形精子が存在すること自体は問題ではない


精液検査の結果、奇形精子があったと聞くと不安に思うでしょうが、実は奇形精子は存在していてもおかしくはないのです。精子の数って、1ccの精液あたりで6000万匹~8000万匹以上、一回の射精で数億匹もいるんですよ。日本の総人口レベルの数がいると考えると、多少の形のおかしい精子がいるのは当り前だと思いませんか?むしろ、まったく奇形精子のない人はいないとさえ言えます。「60人中58人が奇形精子だった!」というおおげさに騒いでいる記事も見かけますが、奇形があっても当り前の事なのです。

奇形精子が授精する事はまず不可能です。数千万~数億もの精子が、いっせいに卵子に向かう熾烈な争いの中で、奇形のある精子がその争いに勝利できる可能性は限りなく低いのです。卵子までたどり着く事はまずできないですし、仮にたどり着けたとしても受精するのは無理。そう聞くと「やっぱり奇形精子が多いと不妊になるのでは…」と思うかもしれません。

しかし、数千万~数億の精子の中で、卵子にたどり着けるのは数十個~数百個程度しかいないのです。奇形精子が多くても少なくてもここまで激減するのであれば、あまり関係ないと思いませんか?どちらにしてもたどり着けるのは正常な精子でないと無理な上、正常な精子でさえ残れるのはごく僅かなのですから…。


奇形精子はどれくらい存在してるとダメなの?正常形態精子率の基準値は?


医師によって判断基準が多少違っていますが、WHOが2010年に新しく発表した基準値は、正常形態精子率が4%以上となっています。これは自然妊娠に必要な最低基準値(これ以下だと妊娠が難しいとされる割合)で、正常な精子が4%あれば自然妊娠の可能性があるという事です。96%が奇形でも、正常な精子が4%あれば妊娠できる可能性があるという事ですね。また、96%以上が奇形精子だからといって、妊娠能力がまったくないわけではありません。また2010以前のWHO基準値「正常形態精子率15%以上」を判断基準の目安にしている医師もいます。

不安をかき立てる様な情報を読んで、「子どもができないから不安に思って検査したら、奇形精子があった…俺のせいで妊娠は無理なのか…?」「正常な精子が少なかった!もうダメだ!!」「現代って奇形精子が増えてる?俺、食生活ヤバイし、もしかして……(汗)」等と惑わされる事はないのです。


奇形精子が多い場合の対処法①


奇形精子が多かったという事は、既になかなか妊娠できずに精液検査を受けた、という事だと思います。医師から色々説明は受けるでしょうし色々な方法がありますが、決断はご夫婦になります。身体の調子を整えてタイミング療法で自然妊娠を期待するのが、一番身体にも経済的にも負担がかかりません。

ですが、正常形態精子が基準ギリギリ~基準以下の場合でDNAが正常であれば、質の高い精子を選んで人口的に受精させる「体外受精」や「顕微受精」という選択肢もあります。これらの方法は高額になりますし、身体にも負担がかかるので、どうしても自然妊娠できない場合に選択します。まずは食生活や生活習慣を改善し、質の良い精液を作れる身体を目指しましょう。


奇形精子が多い場合の対処法②


タバコを吸う人は禁煙しましょう。大量の飲酒やコーヒー等のカフェインを大量に摂取するのも控えましょう。そしてカップラーメン等のインスタント食品やジャンクフード等のいわゆる「環境ホルモン」を含む加工食品もできるだけ避けるようにしましょう。ストレスの少ない生活をしたい所ですが、奇形精子が多い状態の上に酒とタバコを減らしたら、元々呑まない、吸わない人ならいいですが、好きな人はストレスが溜まる一方ですよね。

それでも何か楽しめる趣味や楽しみを作って、できるだけストレスを解消してみてください。有酸素運動をすると血流を良くし、精子の改善にも繋がります。軽いジョギングや朝の散歩でストレスを解消してみるのも良いですね。血流を良くするために身体を暖めるのは良いのですが、陰部は少し冷やすようにします。ブリーフよりトランクスがお勧めです。

食事やサプリメントで、亜鉛とセレンは積極的に摂取したいものです。亜鉛を多く含む食品は、牡蠣・チーズ・うなぎ・レバー・卵黄・大豆・牛肉(もも)等があります。セレンを多く含む食品は、かつお・カラシ・まぐろ・あじ・ズワイガニ・あんこう・カレイ・タラコ・牡蠣・海苔・ゴマ等。食事で摂るのが難しければサプリメントで摂取しましょう。不妊の改善効果があると言われるサプリメント「マカ」は亜鉛の含有量が多く、勢力増大効果もあります。亜鉛とセレンは過剰摂取すると健康に害があるので、サプリメントで摂取する場合は注意しましょう。


本当に心配なら…病院で正しいチェックを受けよう


なかなか子供ができずに心配なら、きちんと病院で検査をしてみましょう。一般的に妊娠を望むカップルが、避妊をせずにセックスをして、一年間妊娠しなければ不妊が疑われます。昨年までは2年間だったのですが、2015年に1年に短縮されました。もちろん不妊の原因は様々で、奇形精子が多いのは原因の一つでしかありません。

たいていの場合、なかなか妊娠できずに女性が産婦人科に相談に行く事から始まります。例え女性側に問題があったとしても、男性もきちんと検査をうけましょう。実は男性にも原因がある場合もあるので、女性だけが治療しても時間も費用も無駄になってしまいます。夫婦が協力し合って検査・治療をする事が大切です。男性の検査は精液検査をします。感染症と血液型の検査をする場合もあります。病院によって多少の違いはありますが、保険が適用されるので5000円位です。検査結果は一週間もかからずに出ます。

この検査で精液量、精子濃度、運動率、正常形態精子の割合、生存率等がわかります。検査時の体調などで変動が激しいので、一回の検査で決めるのではなく、2回~3回は検査します。奇形精子が多かったり精子自体が少ない場合、「精索静脈瘤」「逆行性射精」「染色体異常」などの病気がある場合もあるので、さらに詳しく検査をし、病気が確定したら、その治療をします。原因がわかれば治療すれば良いのですが、奇形精子症は原因不明の事が多いのです。例え精液検査で奇形精子が多くても、精液の中に一匹でも正常な精子がいれば顕微授精できます。最悪でも精巣(睾丸)の中に一匹でもいれば可能なのです。

奇形精子は不妊の原因の一片でしかないのです。玉石混交の情報の中で、あれもこれも信じて不安にならないようにしてくださいね。医学関係者の情報は必要以上に不安を煽らず、むしろ安心できるような内容になっています。それでも心配ならきちんと検査を受ける事をお勧めします。

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