抗生物質は避妊効果を低下させる？ピルの効果を下げる薬

避妊のためにピルを服用中、うっかり何らかの病気に罹患・・・よくあることです。しかし、いつもどおり抗生物質を貰って、ピルと併用してしまうとピルの効果を低下させてしまう可能性があるのです。今回は、ピルに対する抗生物質の影響についてお伝えしますので、飲み合わせに注意しましょう。

抗生物質とは？

まずは、抗生物質がどのようなものなのかを説明します。抗生物質とは、細菌等の微生物の活動を阻害する機能を持っている物質です。最も有名なもので「ペニシリン」があり、これについてはどなたでもご存じあるかと思います。

従来は、ウイルスには効果がなくあくまで細菌などの微生物のみの効果と言われてきましたが、近年は抗ウイルス剤なども開発され、それも抗生物質と一括りにされることが多いようです。その効果は絶大で、服用又は投与し続けることで対応する細菌等の多くは死滅します。

相互作用でピルの効果を下げる

では、この抗生物質とピルの関係なのですが、この二つを併用することで薬物相互作用という現象が起きるようです。ちなみに相互作用とは、二つの薬物があるとして、一方のみを使用した時と二つを同時使用した時では、お互いが干渉し合って効果を変化させてしまうことを指します。

同時使用により、一方の効果が低下したり増加したりとまちまちなのですが、ピルと抗生物質の場合はピルがその効果を下げてしまうようです。それにより、ピルの効果が十分に発揮されず、適切な服用をしているにも関わらず、妊娠等の本来ありえない結果となることがあるのです。

ピルの効果を下げる薬一覧

ちなみに、ピルの効果を下げる薬は何も抗生物質だけではありません。実のところ極めて多岐に渡っており、何かの薬と併用する場合は細心の注意を払わなければなりません。なお、ピルの効果を下げる薬の一覧ですが、各種抗生物質は勿論のこと、水虫用の飲み薬（抗真菌剤）、抗鬱剤、抗不安剤、睡眠薬、てんかん薬、HIV用の各阻害剤など、言い挙げればキリがないほど存在しています。

なお、薬ではありませんがセント・ジョーンズ・ワートの食品などもピルの効果を下げます。ここまで言い挙げたものをピルと併用した場合、ピルの効果が期待できない値にまで落ち込む可能性もあるので、併用を強いられる場合は強く意識して服用を考えなければなりません。

なおこれら各薬や食品等は、対外に排出されるまでその影響が続くこともあるので、排出までは他の避妊方法を併用していくのが無難だと考えられます。

抗生物質を使用中の方は特に注意

前項により、ピルの効果を下げる薬や食品は多くあるものの、やはり一般の方に最も身近であるのは抗生物質であることには変わりはありません。しかしここで問題があります。多くのピル服用者は、抗生物質によりピルの効果が下がることを知らない場合が多いと考えられるのです。

医療機関を通し、医師から説明を受けた方はある程度説明を受けているかもしれませんが、個人輸入等の医療機関を介していない服用者は、それを知らずに抗生物質と併用している可能性が高いのです。今回の記事で、心当たりがある方は今すぐピルか抗生物質のどちらかの服用を、「医師に相談した上で」やめるようにしてください。

抗生物質の使用が避けられない場合

ピルと抗生物質の相互作用により、ピルの効果が下がることがご理解いただけたと思います。では、早速抗生物質をやめてピルだけを飲むように・・・できれば苦労はありません。状況的に、抗生物質を服用するのが避けられない方も居るでしょう。

その場合は、潔くピルをやめて他の避妊方法を徹底して我慢してください。もしくは、迂闊な行為をしないよう自分の行動を配慮しましょう。ピルも重要ですが、まずは目の前の「抗生物質が必要となる病気」を治すのが先決です。決して病気を後回しにして、ピルを優先することのないようにしてください。下手をすると、ピルの副作用と病気の症状で、とんでもない目に合うかもしれません。


いくら何でも、ピルと相性の悪い薬まで把握できません。よって何かの薬を併用するときは、その都度医師等に相談するのが望ましいと言えます。以上、panpan（パンパン）編集部からのお届けでした。

関連記事：ピルとの飲み合わせの良し悪しを一問一答でまとめてみた