ピルを通販（個人輸入）で買う時のメリットとデメリット

健康保険適用のないピルは、工夫をしてコストを抑えなければ継続できません。それに伴い通販で購入する方が近年増えておりますが、通販は格安のピルを実現しているものの、そのメリット等を知らずに安易に飛びつき手ひどい目に会っているケースが多いのです。よって今回は、そのメリットとデメリットをお伝えします。

ピルの通販とは？

通販とは「通信販売」の略語であり、今やインターネット等を介して世界中で利用されている購入方法です。ピルもその例に漏れず、日本において通販で取り扱う業者が激増しているのが現状です。

しかし、日本国内における本来のピルの入手方法は「医師による処方箋のみ」であり、この場合は「海外から直接買い付ける」・・・要は医師を通さない「輸入」の形を取ることになります。個人であっても、薬事法で定められた制限以内の数量であれば、輸入手続きをすることができるのです。

個人でわざわざ輸入の手続きを取ってピルを購入するのはハードルが・・・と思われる方へ、ここで登場するのが個人輸入「代行」です。個人輸入代行は、ピル希望者に代わりピルを輸入しており、そこから通販という形で個人で輸入したピルを販売しているのです。面倒な部分を全て請け負ってくれているので、ピル希望者はインターネットの画面のボタンを押すだけとなり、簡単に手にいれることができます。

正規の購入ルートではない

前項で、購入者は「インターネットの画面のボタンを押すだけ」と記述しました。となると、本来医師の診察や検査を経て自分の手元に入ってくるピルなのですが、それらを全部すっ飛ばした形になります。

そのことにより、実はこの購入方法は正規のルートではないピルの購入方法ということになります。そもそもピルという薬は、サプリメントの如く気軽に服用するものではなく、服用にあたり様々な条件や注意点があるのです。

通常であれば、その条件を満たしているか否かを病院等で調べ、条件を満たした者への注意点を説明し、ようやく服用に至るという難しい薬となります。よって、これらを全てすっ飛ばしてしまうこの購入方法は、本来熟知すべきピル服用に際しての様々な事項を知らないままとなるのです。

以前からピルを服用しており、ピルに対する知識を十分に備えている者ならまだしも、今日明日初めてピルを始める者では、とてもじゃありませんが正しい服用ができる訳がありません。

医師の処方がない

今の世の中、医師の処方がなくても手には入る医薬品はたくさんあります。それでは医師の処方の意味がなく思われますが、薬事法でも正当の理由として認められている部分もあり、そこは問題がないのです。疑問に思われるでしょうが、医師の処方と薬事法が上手く噛み合っていないのが実状であるのが垣間見える瞬間とも言えるでしょう。

では、「医師の処方がない」とは一体何を意味するのでしょうか？医師の処方が必要な薬を、医師の処方なしで服用することで何が起こるのでしょうか？

まず最初に挙げられるのが「服用する薬に対する知識の欠如」です。これは、実のところ服用に際して致命的であり、付属の説明書を熟読することが必須となります。次に「自分に合った薬ではない可能性」です。医師の処方とは、処方対象者の性別や体重、既往歴などを考慮して、その対象者に適合した薬を選定します。

医師による処方をすっ飛ばしてしまうということは、これらの選定がなされず自分に合った薬なのかどうかが全く分からないのです。最後に「責任問題」です。医師がその薬を処方したということは、服用した後にもし何かの症状があった場合、その医師が在籍する病院から手厚いフォローを受けることができるでしょう。

処方がないということは、どこの病院からもフォローが得られないということになるのは容易に伺えます。このように、処方がないという現実は薬を服用する際のリスクとなると考えなければなりません。

通販のメリット

これまで、いささか通販に関して否定的な意見を述べましたが、当然大きなメリットも存在します。前述と相反しますが、医師の処方がなく手に入れるまでの手間が省けます。これにより、ピルを熟知している者に限り急ぎでピルが欲しい際、スムーズに服用まで持っていけるでしょう。

次に、価格が安くなるという点です。医師の処方がないので医療機関を通さずにピルを手に入れられます。ということは、診察代や検査代などの費用が一切掛からないということになります。要は、「ピルの費用＋（あれば送料）」だけで済むのです。金銭面にお困りの方であれば、非常に助かるメリットとなるでしょう。

さらに、色々なピルを試すことができるのもメリットです。日本国内で認可されているピルは少なく、必ずしも自分にその認可されているピルが適合しているかは分かりません。しかし通販であれば、非常に多くのピルを取り扱っているため、自分に適合するピルを見つけやすくなるのです。認可されているピルが全て合わず、どうしようもなくなってしまった方には重宝するでしょう。医師を介さない購入というのは、「医師を介さないから」メリットとなることもあるのです。

通販のデメリット

通販のデメリットについては、前項「医師の処方がない」に記述されているとおりなのですが、他にもデメリットと言えるものがあります。それは、通販で取り扱っているピルは基本的に海外の仕様となっています。

それにより、取扱説明書等は全て日本語以外の言語で記述されており、その言語が分かる方なら何ら問題ありませんが、多くは一切理解できずに記述されていることが分かりません。それにより、注意事項や禁忌事項なども分からないため、思わぬ事故を招く可能性があります。

そして、「医師の処方がない」のとおり、あらゆる医療機関からのフォローが効かないため、何もかもを自分の裁量、責任、知識、判断で行わなければなりません。その負担は大きく、よほどピルに対する知識が深くなければ難しいと言えるでしょう。

知識０の状態で通販を行えば、手痛いしっぺ返しを喰らうことはほぼ間違いありません。このようにデメリットに関しては、一人で解決しなければならないという側面が強いので、十分に気を付けてピルを運用してください。


ピルを通販で購入するということは、「お金を払わない分だけリスクを抱える」という意味になります。この購入方法に手を出すのも選択の余地にはなるのですが、そのためには扱えるだけの知識と能力を身に付けることが大前提となるので、まずはピルを学ぶことからしっかりと始めましょう。以上、panpan（パンパン）編集部からのお届けでした。

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