騎乗位だと妊娠しにくい？精子を子宮へとうまく上昇させる方法を解説

精巣の中で毎日1億2千万個も造られる精子。射精の瞬間には膣内に一気に3億個が解き放たれますが、そのうち子宮に着床するのはたった1つ。しかも妊娠率は、思うほど高くありません。今回は“騎乗位だと妊娠しにくい？”との素朴な疑問を皮切りに、体位と妊娠の関係を掘り下げます。さらに下から上へ垂直に発射する騎乗位で、精子を子宮までスムーズに届かせる方法も模索。はたして、体位によって妊娠率に差はあるのでしょうか？

騎乗位だと妊娠しにくい！医師が証言

この投稿をInstagramで見る

医療法人 定生会 谷口病院(@taniguchi_hp)がシェアした投稿 - 2020年 3月月30日午前12時16分PDT

近年、先進国を中心にいわゆる“不妊カップル”の増加が問題になっています。そこでにわかに注目を集めたのが、セックスの際の体位に関するある提言。さまざまなバリエーションがある体位には、“妊娠しやすさ”の点で大きな違いがあると言うのです。英国のマリリン・グレンビル医師は妊娠と体位の関係について、次のような驚くべき発言をしています。

その主張は「男性が上になる体位こそ妊娠の可能性が最大化する」という極めて単純明快なものだ。つまり、女性が上にまたがる騎乗位(中略)は、妊娠のために効率が悪い体位ということになる。
引用：エキサイトニュース

根拠はこうです。一番のポイントは、ペニスから飛び出した精子が子宮の奥まで到達しやすいかどうか。

膣の中に放たれた精子は、子宮頸部を通過して子宮の内部へと進み、卵子と受精する。そのため、子宮頸部の近くで射精が起き、かつ可能な限り精子が重力の影響を受けず、子宮の奥へと到達しやすい体位こそが妊娠のために理想的な体位と言える。
引用：エキサイトニュース

ペニスが膣の奥深くまで挿入された状態で、「重力の影響を受けず」に射精できる体位。グレンビル医師は最も妊娠しやすい体位として、男性が上になる正常位を挙げています。そして残念ながら騎乗位は、男性が下になる体位の代表。重力の影響をもろかぶりする体位で、グレンビル医師の見立てに従うなら、その妊娠効率は最悪と言わざるを得ません。

ただし、産婦人科の宋美玄先生は「体位は妊娠に関係ない」と指摘

この投稿をInstagramで見る

山本真由美 | Mayumi Yamamoto(@mayumi_yamamoto.official)がシェアした投稿 - 2019年 2月月8日午後8時21分PST

しかし医学に限らず、科学たるもの主張されている説のほとんどは仮説です。ですから当然、グレンビル医師の説明とは真っ向から対立する意見も。産婦人科医で医学博士の宋美玄氏は、“体位と妊娠しやすさとは全く関係がない”と断言しています。

「セックスの仕方で男女の産み分けができる」といったまことしやかな風聞についても、根拠のないデタラメと一刀両断。氏の説明によれば、妊娠の可能性を上げたいときに重要な要素は、セックスの頻度だけという事になります。

騎乗位で妊娠させるために…大量の精子を受け入れるために覚えたいテクニック

この投稿をInstagramで見る

🦄Remi tapi🦄(@remitapiiiii1207)がシェアした投稿 - 2020年 3月月29日午前2時58分PDT

医者のあいだですら、これほど意見が分かれるとは驚きです。2つの大きく異なる仮説を前に、騎乗位好きの妊活カップルが取るべき道は以下の2つ。

(1)妊活中は騎乗位を諦める
(2)騎乗位でも妊娠しやすい方法を探る

グレンビル医師の話には、じつは別の意味で重要なポイントがありました。射精の起こる場所が子宮頚部に近いほど妊娠しやすいというアレです。ここではあえて(2)の道を選択し、グレンビル医師の指摘も生かしながら“騎乗位でも妊娠できた！”を目指してみたいと思います。

“刺さる”くらいに深く挿入

精子にGがかかるのと同様、騎乗位では男性のカラダにも女性の体重分のGがかかります。自重で腰が沈むので、騎乗位ほどペニスが膣の奥深くまで届く体位はほかにありません。

これはグレンビル医師の言う「子宮頸部の近くで射精」の条件に、限りなく近い状況です。よく「騎乗位だと痛い」と言われるのも、ペニスが膣に深々と刺さり子宮口近くを刺激するから。

女性が上体をまっすぐ起こして行う騎乗位には、妊娠を考えた場合のメリットもだから存在するわけです。痛みを覚えるほど奥に当たったときが、まさに着床のための射精のタイミングという事になります。

射精が近くなったら上体を前傾させる

妊活の点で騎乗位最大のデメリットは、精子にかかるG。正常位なら飛び出した精子は水平に進むわけですが、騎乗位だと鯉の滝登りよろしく垂直に上へと突き進まねばなりません。ふつうに考えて、後者が着床しづらいのはすぐわかります。

だとしたら、射精の瞬間だけ上体を前傾させてはどうでしょうか。“だけ”と限定するとタイミングが厳しいので、男性がイキそうな感じになり始めたら、女性の方から前のめりにカラダを倒すんです。

スパイダー騎乗位では当たり前の体勢で、騎乗位の立派なバリエーションの1つ。Dキスもできますし、汗ばんだ男性の胸に乳房がぴたっと密着すれば、発射を加速させる効果も狙えます。もちろん精子にかかるGも抑えられ、正常位と騎乗位のいいとこ取りのような結果が得られるというわけです。

膣内射精の前に、手コキで1度古い精子を出しておく

グレンビル医師の仮説が誤りなら、宋美玄医師の言うように体位と妊娠は関係がない事になります。だとすれば、あと妊娠に必要な条件は何でしょうか。精子のスピード？筆者もそれを考えたのですが、どうやらこれは見立て違いのよう。

医学的に申しますと、射精時の勢いが良いと妊娠する確率が増えることはありません。きちんと膣内に射精を行えば妊娠する可能性はあります。(医師)
引用：Infoseekニュース

そもそも精子の射出速度は時速48キロとされ、人類最速のウサイン・ボルトを上回ります。ただスピードは関係ないとしても、精子の鮮度の方は大いに関係アリです。精子は造られて3日もすると弱ってしまうので、適度に放出して常に新鮮な精子と入れ替えなければなりません。

“妊活のためオナ禁して臨む”と聞いたら涙ぐましい努力のようですが、必ずしも妊娠率を上げずむしろ逆効果になるケースも。溜め込まれた古い精子は新しい精子にダメージを与え、量はともかく質を大幅に低下させる事につながるからです。

より新鮮な精子を呼び込むには、前戯の段階で最低1回は射精させる事が大切。騎乗位の途中でペニスを引き抜き、手コキでさくっとイカせてしまいましょう。

スパイダー騎乗位で男性の上半身の快感を高める

男性の上になるとき、ガニ股座りで腰を下ろすと杭打ち式の騎乗位が可能になります。そしてこの体勢からぐっと上体を倒し、4本の手足で男性を捕捉するように覆いかぶさるのが、いわゆる“スパイダー騎乗位”です。

ひざはベッドに、下腹部は男性のカラダに密着させるスタイルの騎乗位とは異なり、上半身への責めが可能になる点が特徴。女性上位の騎乗位って、男性は終始受け身です。慣れないせいか手持ち無沙汰になる事が多く、勃起の維持に苦労するケースも。

スパイダー騎乗位なら唇や手でお互いを愛撫し合えるので、Hの快感を持続させ、さらに高める事が容易です。妊娠には何はなくとも膣内射精が必須ですが、そのためにはできるだけ多様で深い気持ち良さが求められます。

妊娠確率をあげるために、男女ともに意識＆実践すべきこと3つ

この投稿をInstagramで見る

YURI_EBIHARA(@yuri_ebihara)がシェアした投稿 - 2016年 6月月1日午後5時26分PDT

最後は、妊娠する確率を上げるための一般的な方法をご紹介します。騎乗位に特化した話ではありませんが、妊活の大前提として必要な知識ですのでぜひ参考にしてみて下さい。

【男女共通】妊娠しやすい“日”ではなく、妊娠しやすい“週”と捉えよう

科学は日進月歩で、どんな分野でも日々認識が改められ塗り替えられています。多くのカップルが排卵日に合わせてHすれば子宝に恵まれると考えていますが、それはおそらく何十年も前の古い“神話”に過ぎません。

最新の研究によれば、「排卵日の2日前」が最も妊娠しやすいとされています。しかもピンポイントで特定の日“だけ”Hしたのでは効果は薄く、精子の鮮度を更新し続ける意味でも、最低3日の1回くらいのペースが必要です。

そもそも“妊娠しやすい日”という捉え方が間違い。“妊娠しやすい週”のように一定のスパンで考え、そのあいだはくり返しカラダを重ねる意識的な努力が求められます。

【女性向け】食生活の見直しでホルモンバランスをただす

妊活と言うと夜の営みばかりに注目しがちですが、じつは毎日の食事も大きく関わっています。とくに女性は栄養が偏るなどしてホルモンバランスが崩れると、月経不順や生理痛など妊活にマイナスな症状に直面。

働く女性がほとんどの今、時短でかんたんに済ませてしまいがちな食事。ただ妊娠確率を上げたいなら、朝昼晩の規則正しい食生活を心がけましょう。野菜中心の食事に切り替え、動物性たんぱく質は植物性たんぱく質に、コレステロールの摂りすぎにも注意が必要です。

妊活はセックスだけでなく、生活全般に関わる事。その意識が欠けると、いつまで経っても小手先の対策だけになり望ましい効果が得られません。

2020年3月には「妊娠率190％アップ」をうたったサプリの販売サイトが、消費者庁から景品表示法違反で改善命令を受けました。うまい話には、100％落とし穴があります。一足飛びに結果を得ようとせず、日々の食事を地道に見つめ直す事が大切です。

【男性向け】サウナ好きはしばし出禁、ブリーフ派はトランクスに

精子が造られる精巣には、熱にきわめて弱いという性質があります。男性の睾丸だけがカラダに埋め込まれずぶら下がっているのは、体内ですら精子を造るには高熱すぎる環境だからです。

妊活中の男性に出来る事は、精子を新鮮かつ元気に保つ事。そのためにはできるだけ、陰嚢を熱のこもった状況に置かない配慮が求められます。

サウナ好きの男性がいたら、申し訳ありませんが妊活中は避けて下さい。熱いお風呂に長々とつかるのも論外です。また日頃ブリーフを愛用している男性は、これを機にトランクス派に転向しましょう。

まとめ：騎乗位でもちゃんと妊娠します！ただし工夫と努力は必要

医師の間でも意見が分かれるところですが、騎乗位だから絶対妊娠はムリという事では少なくともなさそうです。子宮頚部での射精に関しては、騎乗位はむしろ有利な体位。

あとは妊活に臨む意識と実践いかんにかかっています。妊娠しやすい週に複数回H。その週に向けて、男女ともに食事や生活習慣の見直しを進めておくべきです。

騎乗位の利点を生かして、元気な精子を子宮へと送り出しましょう。以上、panpan（パンパン）編集部からのお届けでした。

◯関連記事
・【図解】性行為の主な体位９種類のやり方・気持ち良くなるコツを解説
・グラインド騎乗位の正しい方法・締め付けを良くするやり方まとめ