BLの実写化作品7つを辛口レビュー|原作との違いやラブシーンの見どころを詳しく解説

BLの実写化作品7つを辛口レビュー|原作との違いやラブシーンの見どころを詳しく解説

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コタロー編集チーム
エロ漫画・アニメなど、オタク趣味のディレクターとライターで構成されたチームが作品の隅々までレビュー。軽いエロからハードエロまで、シコれる作品を紹介していきます。基本的に好きな作品や、シコネタのルーティンになっているオススメばかり!コミケ参加は不可欠で新刊チェックも日々行っています。

⑤「どうしても触れたくない」

原作の作者 ヨネダコウ
主な出演者 米原幸佑、谷口賢志
監督 天野千尋
収録時間 84分
出演者のルックス 92点
出演者の演技力 86点
原作との比較 86点
ラブシーンの良さ 65点
総合点数 83点




トラウマに怯える小柄な嶋を「RUN&GUN」の米原幸佑が好演

原作はBLコミック界の巨匠・ヨネダコウの人気漫画。公開は2014年。実写化成功の最大の功労者は、嶋俊亜紀役を演じた米原幸佑くんでしょう。

嶋は前の会社でゲイの噂が立ち、いたたまれなくなって新しい会社に移ってきたばかり。粗暴ながら明るく魅力的な上司・外川(とがわ)に惹かれますが、トラウマのせいで素直に心を開けません。

正直外川役のかたはわたしのタイプではなくて、開始数十分は美化するのに必死でした、ごめんなさい(笑)
でも、シマくん役が可愛すぎてめちゃくちゃ悶えました。
引用:映画.comのレビュー


じつは谷口賢志演じる外川もまた、辛すぎる過去を背負った人物。2人はいつしか打ち解け合い、互いに身も心も開いていくように。原作では10㎝の身長差ですが、実写版ではさらに広がってじつに17㎝。画面ではっきりとわかるその背丈の違いが、嶋の庇護者としての外川に説得力とリアリティを与えています。




中途半端なキスシーン、体裁だけのベッドシーンに幻滅

キャスティングも良く心理描写も見事だというのに、なぜか濡れ場だけは惨憺たる出来。キスシーンで引きの画(え)になり重なり合う唇を映さないなんて、今どき人気アイドル主演のドラマでもお目にかからない古臭い演出です。

監督の指示で有耶無耶キスになってるなら監督の指示に問題があると思いますね。

あと初回ベッドシーンも、半裸の男二人が絡んでるのに全くエロくない謎演出で笑いました。
引用:ネタバレなしの映画部


女性監督による長編デビュー作ですが、「男同士のHに偏見があるのでは?」と疑いたくなるほどのアナクロぶり。原作の巧みなストーリー展開を重視して映像化したのでしょうが、濡れ場をしっかり描かずして実写化に積極的な意味があるでしょうか?


⑥「性の劇薬」

原作の作者 水田ゆき
主な出演者 北代高士、渡邊将
監督 城定秀夫
収録時間 89分
出演者のルックス 85点
出演者の演技力 88点
原作との比較 90点
ラブシーンの良さ 97点
総合点数 94点




死にかけた男を拾って監禁&調教!過激なBL描写が満載の衝撃作

原作は水田ゆきによる人気BLコミック。電子コミックレーベル「ボーイズファン」より配信され、たちまち100万ダウンロードを記録した大ヒット作です。2020年2月公開の実写版映画では、天才外科医・余田龍二(よでん・りゅうじ)役を北代高士くんが、全てを失った広告マンの桂木誠役を渡邊将くんが演じています。

三次元のボーイズラブなので最後までちゃんと見られるか心配でしたが、終始目が離せない内容でとても良かったです。全ての描写がとてもリアルで綺麗とは言い難いのに、登場人物達の想いを知ったらなんだか美しく思えました。
引用:Yahoo!映画のユーザーレビュー


余田の手で自殺を思いとどまる桂木でしたが、その代償はあまりに大きいものでした。連れてこられたのは、余田が性の快楽をひたすら追究するための地下実験室。監禁された部屋で桂木が調教されるシーンは、BLの実写化史上もっとも過激な内容を含みます。

数あるBL作品の中からよくぞこの原作を実写化してくれたと、スタッフにはただただ敬意を表したいですね。サイコパスの変態外科医の話はあくまで見せかけ。じつは骨太なヒューマンドラマになっているのも、原作に忠実で好感が持てます。




全編濡れ場かと思うほどのエロ充実ぶり!BL映画での精液描写は初か

メガホンを取った城定秀夫(じょうじょう・ひでお)氏は、幾多の受賞歴のあるピンク映画の監督。R18指定の本作でも、これまでのBL映画にない踏み込んだ性描写で観る者を圧倒します。

よだれとか精液。
これBL映画で今までありましたっけ?よだれはありますね。作品名まで言える方は私とお仲間ですが、精液、これは無いですよね?あるわけないです。でも「性の劇薬」ではバッチリあります。
引用:風と木の主婦日記


同性愛へのタブー視がいまだ強いせいか、ゲイのSEXそのものはこれまで婉曲的にしか描かれてきませんでした。ところが本作では、乳首責めや尻穴いじり、さらには男同士の交合までリアルに表現。

あからさますぎて初心者は引くでしょうが、筆者のような筋金入りの腐女子には溜飲が下がる思いがしました。今後はこの「性の劇薬」が、BL映画の濡れ場のスタンダードの1つになる事を願ってやみません。


⑦「Life 線上の僕ら」

原作の作者 常倉三矢
主な出演者 白洲迅、楽駆
監督 二宮崇
収録時間 112分
出演者のルックス 90点
出演者の演技力 93点
原作との比較 91点
ラブシーンの良さ 90点
総合点数 96点




“泣けるBL”と評判の常倉三矢の原作を、ノスタルジックな映像で忠実に再現!

原作は常倉三矢による人気BLコミック。道路の白線の上だけを踏んで帰宅する子どもじみた遊び。白線の上で偶然出会った2人の高校生が、いつしか互いに意識し合うように。

生真面目な伊東晃役をミュージカル「テニスの王子様」でデビューした白洲迅が、無邪気な西夕希役を俳優の楽駆(らいく)が好演しています。2020年6月より配信スタート。

今まで日本の実写BLはうーん、何か・・見ているほうが恥ずかしいという気持ちが起こってきたのですが、この作品はそういうのが全くなし。
世界観に引き込まれたし、涙も出ました。
引用:気ままに・・・感想を書いてます


原作はゲイカップルの老後までを描く壮大なストーリー。全4話の実写ドラマでは、17歳から32歳までの2人の恋模様が描かれます。原作がかもし出す初々しく甘酸っぱい情感を、しっとりした映像で忠実に再現。街角の風景ににじむ光と影の表現が秀逸です。




露骨な性描写はないものの、情感たっぷりな演技と演出で魅了

白線の上で晃が思わず夕希にキスしてしまうシーンなど、印象的な愛情表現が随所で見られます。「問題は…会いたいか会いたくないかだ!」と夕希が叫ぶシーンは、最序盤ですがいきなり涙腺をくすぐってくるほど。

事後(直接的な性描写はありません)、半裸で眠っている夕希の頬を、愛おしそうに指で撫でる仕草や、キスシーンでばっちりリップ音鳴らしてくれるあたり、優秀としか言いようがありません。
引用:note


ラブシーンというものは、ただ露骨に表現すれば良いものではありません。「Life 線上の僕ら」では、晃と夕希の心の通い合いがていねいに描かれるので、細かい所作やしぐさだけでも視聴者に大きな満足を与えてくれるんですね。


まとめ:BLの実写化作品の中には、原作を上回るスグレモノも!

わざわざ実写化しようと言うからには、原作は相当な傑作BL。よって忠実に実写化されていれば、その作品はまず間違いなく良作・秀作のたぐいでしょう。

ただキャストや演出ひとつで、作品の雰囲気は大きく変わるもの。原作との違和感を感じたら、何が原因かしばし分析してみるのも楽しいですよ。

今後ますます増えるBL実写化作品、批評眼を磨きつつ傑作を求め鑑賞の旅に出かけましょう。以上、panpan(パンパン)編集部からのお届けでした。

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