高校生の娘が妊娠してしまった時の、父としての適切な対応とは

高校生の娘が妊娠してしまった時の、父としての適切な対応とは

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panpan編集部
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『どんなことがあっても、守り続ける・・・。』すべての父親が、娘に持つ気持ちではないでしょうか。娘が生まれてきてくれた日のことを思い出し、妊娠した高校生の娘と向き合い、落ち着いて、ていねいに行動してください。


「お父さんは大丈夫だから。」


「お父さんは大丈夫だから。」

本当は、お父さん、大丈夫じゃないですよね・・・。驚きと憤りで、心がパニックを起こしてしまっているかもしれません。でも、『どんなことがあっても、○○(娘の名前)を守り続ける。』と、心の中でゆっくりと唱え、そしてまず、娘に「お父さんは大丈夫だから。」と言ってあげてください。『お父さんに怒られる。』『お父さんが悲しむ。』、いま娘さんの心の中は、このことが大半を占めています。

自分の身体のことでもなく、妊娠させた相手のことでもなく、『お父さん』のことが、一番のしかかっています。「お父さんは大丈夫だから。」そう言ってあげることで、娘さんの気持ちがとても楽になります。そして、お父さんの気持ちも本当に大丈夫になってきます。どんと構えて娘を守ることができます。


妊娠の状況を確認し、病院を決める


妊娠の状況を確認し、病院を決める

なぜ、妊娠に至ったのか、相手は誰なのか、そのようなことを聞き出す前に、まず、病院を決めます。妊娠は病気ではありませんが、まだ心も身体も成熟しきっていない高校生にとっては、どのようなリスクがあるか、判断が難しいこともあります。元気そうに見えていると、イメージしにくいかもしれませんが、例えば、娘が交通事故にあったと想像してください。加害者の追跡より、真っ先に娘を病院に連れていくはずです。周りに知られてしまうのことを懸念して、遠方すぎる病院を選ぶのも考えものです。まずは体裁よりも、娘の身体のことを一番に考えてください。


ゆっくりと、ていねいに話を聞く


受診が終わって、妊娠の状況(身体に異常は無かったか・本当に妊娠していたか・妊娠何週目か)が分かったら、次に娘の話を聞く態勢に入ります。

まずは、娘と二人で食事に行くことをおすすめします。妻(娘の母親)も、気が動転しているでしょうし、受診を終えてすぐ家に戻ると、女性同士、お互いヒステリックになってしまうことも考えられるので、少し冷却時間をおきます。お店はファミレスなど、明るい開放的な雰囲気のところを選びます。もちろん、食事も喉を通らないような気分でしょうが、父親であるあなたがまず、しっかりと食事をとる姿を娘に見せます。あなたも娘も絶望的な気持ちになっているかもしれませんが、無理やりにでも食事をとることで、人間は前を向いて歩いて行こうという気持ちに、必ずなります。

食事が済んだら家に戻り、話を聞きます。『妊娠に至った経緯』、『相手の男性について』、『出産の意向について』、この3点を中心に話をするように促します。途中、言い訳のようなことや、相手の男性をかばう発言などがあるかもしれませんが決して感情的にならず、ていねいに話を聞いてあげてください


相手の男性と話し合いの場を持つ


娘の意向を聞くことができたら、相手の男性と会います。相手が未成年であれば、相手の両親にも同席してもらいます。この時、できれば娘は同席させないほうが好ましいです。理由は、相手の男性の本音を聞き出しやすいからです。娘に聞いたのと同じように、妊娠に至った経緯、出産の意向、今後の娘との関わり方について、どう考えているかを聞きます。

相手の男性を殴りたくなるような気持ちに襲われるかもしれませんが、感情を表面化させず、冷静に話を聞きます。『若かりし頃の自分が、好きな女の子を妊娠させてしまった。』または、『自分の息子が、どこかのお嬢さんを妊娠させてしまった。』という立場に自分が置かれたときの気持ちを想像しながら話をすれば、一方的な感情を抑えることができるでしょう。


妻(娘の母親)へのフォロー


妻(娘の母親)へのフォロー

娘を生んだ母ですから、あなたよりも、どんと構えてくれているかもしれません。しかし、もし、妻が精神的に参っているようなら、早めのフォローが必要です。その場合あなた1人で、娘と妻の両方の精神的フォローをしようとすると、どうしても無理が出てくる場合があります。そういう時は、早めに妻に心療内科や精神科を受診させ、適切な処置を受けるようにしてください。

あなたが、仕事で家を留守にしている間、妻と娘がお互いを傷付け合うような言動を取らないとも限りません。娘にばかり気が行って、妻のことを見れていないと何らかのトラブルが起きてしまう可能性があります。


出産か中絶かの決定


新しい命を囲む周りの人間にとって、一番、重要で難しいところがやってきました。どちらを選んでも、つらく大変な日々の始まりかもしれませんが、ていねいに答えを出して頂きたいと思います。もちろん、ゆっくりと考える時間はないのですが、性急にことを進めるのはやめてください。

そして、できる限り、娘の意思を尊重してあげてほしいと思います。たとえ、周りの人間全部が出産を反対しても、あなたの娘がそれを望むのであれば、できる限り、その意思に寄り添ってあげてください。大学進学、留学、将来の夢、その未来の計画がすべてパーになったと思うのではなく、今、娘がどう考えているのかを、思い図ってください。娘の将来が計画通り進んだとしても、この先何年も、娘の気持ちが自由になれないとしたら、その選択は正しかったといえないのではないでしょうか。


今後のスケジュールを立てる


出産か中絶かの決定がなされたら、産婦人科の担当医と共に、今後のスケジュールを立てます。ここから先は、担当医師から、十分説明を受けた上で、娘にとって最良の方法を選択します。

学校への休学願いや、ごく親しい身内への報告も考えます。ご自分の仕事のスケジュールも加味しながら、できるだけ娘に付き添うようにします。相手の男性側と今後のことや、病院の費用のことについても話し合います。

そして、スケジュールが決まったら、全力で娘をサポートします。

最後に


『なんで、うちの娘が・・・』という気持ちにとらわれることは、いたしかたありません。しかし、もう一度、良く考えてみてください。たとえば、これが5年後、10年後の出来事であれば、大腕を振って、歓喜に沸いているご自分がいることを想像できるのではないでしょうか。こんなときこそ、ていねいに考え、ていねいに会話をし、ていねいに行動すれば、この5年や10年、早過ぎたという事実を、問題なくクリアすることもできるのです。

愛しい娘は、生きています。悩み苦しみながらも、元気にあなたのそばにいます。

『お父さんは大丈夫だから。』そして、『娘も大丈夫だから。』

深呼吸して、お腹に力を入れて、『どんなことがあっても、○○を守り続ける。』と唱えてください。あなた一人だけでなく、家族みんなでどうか頑張ってください。

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