学芸員おすすめのエロティックな芸術・アート作品10選【永久保存版】

学芸員おすすめのエロティックな芸術・アート作品10選【永久保存版】

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古代から現代に至るまで、芸術作品のテーマとして挙げられてきた「エロス」。人間の三大欲求のひとつということもあり、これまでさまざまな観点からエロティックな絵画・彫刻が作られてきました。しかし、その内容の過激さから、美術ファンからは敬遠されがちなのも事実です。そこで、今回は有名なエロティックな芸術・アート作品をピックアップして、その作品背景などと合わせてご紹介していきます。


猥褻とは違う!芸術としてのエロスの概念・魅力とは?

全裸女性の絵画や彫刻など、芸術作品の中にはエロスを題材にしたものも少なくありません。中にはエロティックな表現が直接すぎるものもありますので、思わず目を伏せてしまう方もいるでしょう。

ただ興味深いのは、アートの歴史を辿ってみると、
アートはどの国のどの年代であっても、少なからず
「エロスの追求」の側面が存在しているという点です。
引用:ハウコレ


しかし、昔から芸術とエロスは密接な関係があります。そもそも性欲とは人間の三大欲求のひとつですので、表現方法の題材としてはまさに打ってつけ。性の表現に厳しくなりつつあるのが現代の風潮ですが、人間の生々しさを描くには外すことができない要素です。

そこで今回は、学芸員や美術ファンの間で話題となってきたエロティックな芸術作品をまとめて紹介します。普段からアートにあまり触れない方も、エロではなく芸術の視点で「性の作品」を深く堪能してみてくださいね。


①「ソファーに横たわる裸婦」(ブーシェ 1751年)


最初に紹介するのは、フランスの画家であるフランソワ・ブーシェの代表作である「ソファーに横たわる裸婦」(黄金のオダリスク)。実在の女性モデルを描いた18世紀半ばの作品です。

当時は美術の中心がイタリアからフランスに移り、享楽的な表現が特徴のロココ文化が広まっていく時代でした。この作品でも臀部の艶めかしさがストレートに描かれており、絵を見たルイ15世(当時のフランス王)が、モデルのモルフィ嬢を後宮に迎え入れたという逸話もあるほどです。


女性の肉体を神話的な曖昧な描き方ではなく、現実的なものとして捉えることで、裸体表現のターニングポイントとなったこの作品。現在では、ドイツにあるアルテ・ピナコテーク美術館に所蔵されており、2015年には日本の国立新美術館で展示されています。

アルテ・ピナコテーク美術館の公式サイト


②「オダリスク」(フランチェスコ・アイエツ 1867年)

https://www.pinterest.com/pin/246923992084766293/

続いては、イタリアのロマン主義画家であるフランチェスコ・アイエツの作品です。「オダリスク」とはイスラムの君主に使える女奴隷(寵姫)のことで、19世紀の画家達がこぞって作品のテーマとしていました。

憂鬱そうな表情のまま肌を露出している、ど危険な雰囲気が漂う黒髪美女。このイスラム社会独特のエキゾチックな感じは、当時のロマン主義やオリエンタリズムの大きな特徴です。

退廃的なエロティックがもてはやされていた時代とあって、陰影がはっきりしているところも印象的。こちらの作品は、現在はミラノのブレラ美術館に所蔵されています。

ブレラ美術館の公式リンクはこちら


③「グランド・オダリスク」(ドミニク・アングル 1814年)


オダリスクを扱った作品をもうひとつご紹介。こちらはフランスの画家、ドミニク・アングルが描いた18世紀初期の油彩画で、国内では「横たわるオダリスク」として有名な作品です。

気だるそうな愛妾(あいしょう=お気に入りの愛人)を描いたこの作品。ポイントは曲線が艶めかしい背中のボディラインです。これは、正確な描写よりもアングル自信の美意識を優先して、女性のカラダの丸みを強調して描いたとのこと。

あまりに現実的でない、背中が伸びきったプロポーションで描かれたこともあり、最初に展示された時には「リアリズムの欠如である」として、批判を招いたこともあるそうです。

皇帝ナポレオンの妹・王妃カトリーヌの依頼で描かれたという逸話もあるこの作品。現在はパリのルーブル美術館に展示されています。

ルーブル美術館の公式サイト


④「ヴァルパンソンの浴女」(ドミニク・アングル 1803年)


こちらもドミニク・アングルの作品で、裸婦を描いたものです。正面から女性の裸を描く作品が多い中、敢えて背中から描くことで女性の丸みを帯びたボディラインを際立たせています。

アートの中で、自分の理想の女性像を追及したアングル。中でも、このポーズは大のお気に入りだったようで、晩年に描かれた「トルコ風呂」に至るまで、同じ構図の女性が度々登場します。また、アングルは今でいう背中フェチだったという話もあります。

女性の肌の質感のみならず、左側のカーテンから右側のベッドシーツへと徐々に明るくなっていくグラデーションも、本作のポイント(「入浴」=「魂の洗浄」という解釈も)。こちらの作品も、同じくルーブル美術館に展示されています。


⑤「プロセルピナの略奪」(ベルニーニ 1622年)


続いて、イタリアの彫刻家・ジャン・ロレンツォ・ベルニーニによる17世紀初頭の作品。ギリシア神話の神である冥王・ハーデス(ハデス)が、大地の女王の娘・ペルセポネ(プロセルピナ)を奪い去る場面を描いた作品です。


大理石の彫刻作品ながら、柔らかなペルセポネのカラダや太腿に深く喰い込む指など、肉感的な表現が魅力。特に石とは思えない質感が特徴的で、近年でもTwitterで話題となったほどです。

懸命に手を解こうとするペルセポネの姿や、原題の「The Rape of Proserpina」のとおり、レイプもひとつのテーマとなっているこの作品。現在では、イタリア・ローマのボルゲーゼ美術館で展示されています。

ボルゲーゼ美術館の公式サイト


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⑥「漁夫とセイレーン」(レイトン 1864年)
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