コンドーム使用の失敗例｜保存や持ち運び方法でハッキリ差がでる注意点を徹底解説

コンドームでの失敗は、イコールで妊娠を意味する最悪の事態です。望まぬ妊娠はもちろん、「妊娠したらどうしよう」と不安になるだけでも、大きなストレスになりますよね。そんな思いをしないためにも、コンドームの正しい使い方を学ぶべきです。

今回は【保存・持ち歩き編】と【セックス時】の状況別で、8つの失敗例を紹介します。これら全てを回避できれば、コンドーム使用で失敗など絶対にしません。後半ではコンドームの正しい装着法6ステップも紹介しますので、今一度確認しておきましょう。

コンドームをつけていても妊娠する確率

まずコンドームの避妊率についてですが、正しくつけなければ決して高い数値にはなりません。それを表す値として「パール指数」と呼ばれるものがあります。

パール指数とは、100人の女性が1年間避妊を続けたときに、妊娠する数です。つまり1年間で避妊に失敗して妊娠する確率（パーセント）のことです。
引用：MEDLEY

このパール指数は、文献によってやや前後します。例えば日本のクリニックでは、以下のような数値で定義されています。

ちゃんと使えば、パール指数（１年間に何％の女性が妊娠するか）は３ですが、途中からつけたり、途中で破れたりすると、パール指数は１５に跳ね上がってしまいます。
引用：平和島レディースクリニック

しかし研究によると、「正しくつけなかった場合」の数値が上がります。

男性用コンドームを正しい使い方で使い続けた場合、パール指数は2とした文献があります。
(中略)
コンドームの使い方が正しくない場合も含めると、妊娠する割合はさらに大きくなり、同じ文献によればパール指数は18とされています。
引用：MEDLEY

「正しくつけた場合で妊娠率2～3%・正しくつけなかった場合は妊娠率15～18%」、これがコンドームの避妊率です。100人中15～18人が妊娠すると考えると、正しくつけなければ意味がない避妊法だとわかりますね。

その他避妊方法で妊娠する確率

コンドーム以外にも、避妊する方法はいくつかあります。有名な方法でいえばピルが挙げられるでしょう。他にもある避妊法のパール指数が、こちらになります。

・ピル：0.3
・子宮内避妊器具（IUD）：0.2-0.6
・女性用コンドーム：5
・男性用コンドーム：2
・女性不妊手術：0.5
・男性不妊手術：0.1
・殺精子薬：18
・（避妊せず）：85
引用：MEDLEY

ピルはもちろん、不妊手術やIUDなど、コンドーム以外の避妊法の方がパール指数が低いのがわかります。ただこれらの方法はお金や身体への負担が大きいだけでなく、性病予防は一切できません。

コンドームも正しくつけさえすれば、妊娠率2%ととても低い数値です。性病予防の観点と併せて考えても、やはりコンドームがもっとも手軽で安全性が高い避妊法だといえるでしょう。

コンドーム使用の失敗例①【保存編・持ち運び時の失敗と注意点】

パール指数を見ても正しくつけたいコンドームですが、人によってはきちんと使用した”つもり”になっている場合もあります。どんなときに失敗してしまうのでしょうか。まずはコンドーム使用の失敗例として、保存編・持ち運び時の失敗と注意点を見ていきましょう。

(1)パッケージがすれて破損している

コンドームを箱ごと持ち歩く人は稀です。ほとんどの場合は個別パッケージを持ち歩くでしょう。そうなるとパッケージがすれ、破損してしまう可能性が高まります。

・表面の絵柄や文字がこすれて薄くなっている
・切り口のギザギザがほんの少しでも裂けて広がっている
・パッケージに折れ線がついている

これらの現象が見られるようなら、例え内部に影響がないようであっても使用してはいけません。よく財布などに入れて持ち歩く人がいますが、それも常に圧迫され続ける状況になるため、あまり推奨はできないでしょう。

おすすめは名刺入れをコンドーム入れとして代用する方法です。名刺入れであれば薄くて軽いため、持ち歩くのも苦労しません。入れておくのは、容器内に余裕ができる2・3個程度にしておきましょう。

(2)使用期限が切れて劣化している

コンドームにも使用期限があります。メーカーによってまちまちですが、オカモトコンドームズでは最長で6年と設定しているようです。この使用期限を過ぎても使用するのは、避妊失敗の元でしかありません。

まず使用期限が記載されていないコンドームは使わないようにしましょう。なぜならJIS規格に合格しているコンドームなら、使用期限の記載が義務付けられているからです。JIS規格に合格していない＝避妊信用性が低いと考えられるため、決しておすすめはしません。

・JIS規格に合格したコンドームを使う
・あらかじめ使用期限は確認しておく
・使用期限が切れたら絶対に使わない

この3つを徹底しましょう。

(3)車内や鞄の中など、気温状況を受けやすい環境で保存している

コンドームの素材は、天然ゴム(ラテックス)・ポリウレタン・イソプレンラバーの3つがあります。このいずれもが気温の影響を受けるため、真夏の高温や真冬の低温に晒せば、おのずと変形・劣化してしまうでしょう。変形・劣化したコンドームに、従来品と同じだけの避妊率は望めません。

・真夏でも車内のダッシュボードに入れていた
・個別パッケージのまま鞄に入れ冬でもそのまま放置していた
・直射日光が当たる場所に置いていた

このような気温状況を受けやすい場所で1ヶ月以上放置していたのなら、コンドームの品質が落ちている可能性大です。例え使用期限がまだまだあったとしても、使用しないようにしましょう。

コンドーム使用の失敗例②【セックス時の失敗と注意点】

コンドームの意味をもっとも発揮するのは、やはりセックス時の使用です。絶対に失敗できない大事なことだけに、「知らなかった」では済まされません。望まぬ妊娠を避けるためにも、これから紹介するセックス時の失敗と注意点5つは必ず覚えておきましょう。

(1)コンドームが正しく装着されていない

コンドームのパール指数を高める最大の要因が、この「正しく装着されていないため」です。正しく装着されていない例として、以下のような状況が挙げられます。

・根本まで下ろさずコンドームの輪っか部分が膣内に入ってしまっていた
・精液だまりに空気が入っておりコンドーム内に精液が広まってしまった
・サイズが合わないコンドームを使ったため内部にヨレが生じていた
・裏表を間違えたまま装着していた

これら全てが失敗例です。特に注意すべきなのが精液だまりの空気抜きでしょう。ここに空気が入ったままピストンしていると、圧迫によりコンドームが破れる可能性が高まります。正しい装着の仕方については、次項で詳しく説明します。「そんな今更…」と思わずしっかり確認しておきましょう。

(2)コンドームと油性のローションを一緒に使う

先述したようにコンドームの素材は3つあります。この中でもっとも多く使用されているのが天然ゴム(ラテックス)でしょう。このラテックス製のコンドームは、油性のローションと相性最悪なのをご存知ですか？「リモネン」と呼ばれる油性成分が、コンドームを劣化させてしまうためです。

例えば有名なローションにペペローションがありますが、通常のペペは水溶性でも、「ホット・ペペ」は油性です。他にも油性か水溶性かを記載していないローションも多々ありますが、コンドームと併用するのであれば「水溶性」と書かれたローションを使いましょう。

(3)装着に失敗したものを再度使用する

コンドームの裏表を間違えた経験は、多くの男性がお持ちかと思います。「クルクル下ろそうとしてもなかなか進まない」、そんなときどうしていますか？まさか1度外して、裏表を変えて付け直したりしていないでしょうか。

コンドームは1度伸ばしてしまえば、2度と元には戻りません。根本まで下ろそうと引っ張った時点で、精液だまり付近は伸びてしまっているでしょう。また無理矢理下ろそうとしたがために、爪で傷付けてしまっているかもしれません。

そうなると精液が内部に広がりやすくなったり、ピストン中に破れやすくなったりなど、失敗の要因になってしまいます。もったいないと思う気持ちもわかりますが、装着に1度失敗したコンドームは再利用NG。新しいコンドームを使用するようにしましょう。

(4)最初から装着せず途中から使用する

「挿入前にコンドームをつける」これは常識ですが、中には生のまま挿入し、途中(射精直前)でコンドームをつける人もいるようです。これでは避妊に失敗して当たり前。射精を我慢した状態で出るガマン汁(カウパー腺液)には、微量の精子が混入している可能性があるためです。

よく「ガマン汁で妊娠などしない」と言われていますが、射精を我慢しているかどうかで変わります。確かに勃起したものの、一切刺激がない状態で出るガマン汁には、精子は含まれていません。

しかし少しでも快感を感じると、尿道括約筋の内圧によって副睾丸が刺激され、精子が漏れ出す危険性があるのです。ほんの数ピストンでも、生で挿入すれば妊娠のリスクはあります。途中からと言わず、最初から必ずコンドームは装着しましょう。

(5)射精後に根本を押さえず抜いてしまう

射精後すぐに引き抜く人はあまりいないでしょう。短くても10秒程度は余韻を味わっているのでは？そうなるとその間にペニスがサイズダウンし、コンドームのサイズが合わなくなっている可能性があります。

サイズが合わなくなっている状態にも関わらず、コンドームの輪っか部分を押さえずに引き抜いてしまうと、膣内にコンドームが取り残される・隙間から精液がにじみ出てしまう等、失敗の要因に繋がります。

射精後のコンドームは、もともとついている潤滑油・精液・愛液などで、非常に滑りやすい状態です。膣内から引く抜く際には、必ずコンドームの輪っか部分を抑え、ゆっくりと抜くようにしましょう。

コンドームの正しい装着方法

コンドーム使用での失敗例を防ぎたいのであれば、正しく装着するのが1番です。多くの男性が「そんなの知ってる」と思うかもしれませんが、今一度確認しておきましょう。

【コンドームの正しい装着法6ステップ】
①コンドームを傷付けないよう、中身を端に寄せ封を切る
②裏表を確認する
③精液だまりをつまみ、空気を抜いた状態で亀頭に被せる
④爪を立てず、指の腹で優しく撫でるようにして下ろす
⑤根本部分に包皮がたまっている場合は、コンドームの輪っか部分に指を入れ包皮ごと包む
⑥陰毛を巻き込んでいないかチェックする

コンドームの正しい装着は、この6ステップ全てを行わねばなりません。例えば個別パッケージの真ん中から、ビッと勢いよく開けてはいませんでしたか？根本まで下ろした後に、皮のたるみや陰毛のチェックはしていましたか？

知っているつもりでも、案外間違っている人は多いものです。失敗しないためにも、必ずこの6ステップをこなすようにしましょう。

コンドーム使用を失敗したと思ったときの対処法

コンドーム使用を失敗した場合、それは膣内に精子が張り込んでしまったときです。

・コンドームが破れていた
・抜く際にコンドームが膣中に残ってしまった
・ピストン途中に竿の半分程度までズレていた
・射精後通常時サイズに戻るまで膣内に挿入したままでいた

どんな状況であれ、もし避妊に失敗したと思ったのであれば、男性にできることは何もありません。洗う・掻き出すなど無駄なことに時間を費やさず、72時間以内にアフターピル(緊急避妊法)を飲用しましょう。早ければ早いほど、避妊効果は高くなります。

ただアフターピル(緊急避妊法)は薬局やドラッグストアで手に入るものではありません。また個人輸入もできるようですが、信用性に欠けるので絶対にやめましょう。婦人科を受診し、処方してもらうのが1番です。

〇関連記事：男性も知っておくべき、アフターピルの基本的な知識まとめ

コンドーム使用で失敗は許されない！正しく装着し避妊失敗を防ごう

避妊率だけを見れば、ピルやIUDの方が高確率で避妊できます。しかし性病予防の観点や手軽さまで併せて考えれば、コンドームほど適した避妊法はありません。ただ手軽であるがゆえに、失敗してしまう可能性が高いのも確か。コンドーム使用で失敗しないためにも、考えられる失敗例を再確認しておきましょう。

【保存・持ち運び時の失敗例】
(1)パッケージがすれて破損している
(2)使用期限が切れて劣化している
(3)車内や鞄の中など、気温状況を受けやすい環境で保存している

【セックス時の失敗例】
(1)コンドームが正しく装着されていない
(2)コンドームと油性のローションを一緒に使う
(3)装着に失敗したものを再度使用する
(4)最初から装着せず途中から使用する
(5)射精後に根本を押さえず抜いてしまう

これら8つの失敗例を回避できれば、決して失敗などしません。今回ご紹介した情報を参考にコンドームを正しく使用し、安心・安全なセックスを楽しみましょう。以上、panpan（パンパン）編集部からのお届けでした。

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