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戦争の本質を射抜く上で欠かせない要素として、目を覆いたくなるようなバイオレンスシーン、過激な濡れ場が数多く描かれる。なかでも性と暴力に翻弄(ほんろう)される主人公の女を演じた江口だが、「率直に面白そうだからやりたいなって思った。撮影で京都に行けるというのも魅力的だったし」と淡々と話す。
引用:映画.com
過激な暴力シーンや濡れ場に果敢に挑んだ江口は、「自分は戦争を知らないし、娼婦という仕事をしたこともないので、それを経験したかのように体に入れなきゃいけなかったのは難しかった」と述懐。今後のキャリアへの支障は懸念しなかったかとの問いにも、「全然なかった。どの仕事をやるにしても、失敗すれば次の仕事にはつながらない。どの仕事も同じこと」と言い切り、会場からは拍手がわき起こった。
引用:映画.com
映画は小説よりも過激な描写が増量されている。
俗っぽくいえばAV、高尚にいえばバタイユで、それからラストの女にはなんだか皮肉めいた暗喩も想像してしまいながらも、江口のりこは、あらゆる観念をふわりふわりと交わした挙げ句、飲み込んでしまう。
音楽を担当した青山真治によるタンゴと絡み合い、悲しみも楽しみも巻き込んで陽炎のように上昇していく女のカラダは、理屈をすべて振り切ってただただ清々しい。
昔々、反戦のために女がセックスしない作戦を実行するという喜劇がギリシャで作られたが、「戦争と一人の女」の女はセックスによって男と観念と戦争を無力化する。
それはそもそもの小説や脚本の力なのか、演じる江口のりこの演技力なのか、そんな彼女にすべてを託した監督の才能なのか、どれでもいいけれど、とにかくやられます。
引用:エキレビ!
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