48手をイラスト付きで解説｜江戸時代から続くセックス体位をマスターしよう

⑧御所車(ごしょぐるま)

騎乗位におけるバリエーションの一種。仰向けの男性に女性がまたがって挿入するまでは普通通りですが、そこから女性が男性器を起点にグルグルと360度回ります。なんともコミカルな体位で、実践すると思わず吹き出してしまうこと間違いなしです。

独特な快感が味わえますが、想像の通り、ペニスには大きな負担がかかります。また回転も想像以上に難しいらしいので、セックスではなくアトラクションを楽しむ感覚で行いましょう。

■名前の由来■
御所車とは牛車のことで、皇族や貴族など身分の高い人が利用する乗り物を指します。馬車とは違いゆっくりのっそり車輪が動く様子が由来とされており、実際のセックスもスローペースが基本です。牛の歩みを見るような気持ちで、まったり楽しみましょう。

⑨炬燵かがり(こたつかがり)

背面座位の1種。炬燵に入っている男性のヒザの上に女性が乗り、そのまま挿入します。挿入部が直接見えないので、周囲に知られないようにセックスを行う際に用いられていた体位のようです。

女性は炬燵の天板に手をつくと、上手くバランスが取れます。しかし男性は上手く動けないので、スローセックス向きの体位ですね。

なお「炬燵がかり」とも呼ぶようですが、どちらが正式名称かは不明です。

■名前の由来■
名前の由来ははっきりしていませんが、見た通り、こたつぶとんを掛けて行う様子から炬燵かがりと名付けられたと推測されます。

あるいは中で火をたく照明具の一つである篝を炬燵に見立て、その内部で熱く燃え上がる情事を由来としているのかもしれません。菱川師宣のこと、そんなロマンティックな想像をしていても不思議ではありません。

⑩炬燵隠れ(こたつがくれ)

炬燵に関する48手を続けてもう1つ。「炬燵隠れ」は、向き合って炬燵に入った状態で挿入する、対面座位の1種です。炬燵かがりと同じく、「誰にも知られず隠れてセックスしよう」という実に遊び心にあふれた体位ですね。

用意する炬燵は1～2人用がおすすめ。大きいと届きませんからね。バランスを取るときは天板ではなく、後ろに手をつきましょう。

■名前の由来■
名前の由来は見たそのまま。炬燵に隠れてセックスしているから炬燵隠れです。

江戸時代には個室がなく、プライベートもほとんどないと言われていました。炬燵かがりや炬燵隠れは、そんな中でもなんとかセックスしてやろうという、涙ぐましい努力が生んだ体位なのかもしれません。

⑪碁盤責め(ごばんぜめ)

碁盤責めは、立ちバックの一種です。やり方は非常に簡単で、碁盤に立ちながら手をついた女性に背後から挿入します。

48手では碁盤ですが、机やベッドなど、手をつけるものなら何でもオッケー。壁に手をつく「後櫓」、床に手をつく「仏壇返し」などとは挿入角度が異なるので、また違った快感を楽しめます。


■名前の由来■
名前の由来は見たまま、碁盤に手をつかせながら責めるから碁盤責めです。

今でこそ男性が行うイメージが強い囲碁ですが、江戸時代には女性も囲碁をたしなんでいました。もしかすると対局で頭を使った後、碁盤を使ってこっそり身体を使った対局もしていたのかもしれませんね。

⑫鶯の谷渡り(うぐいすのたにわたり)

いわゆる全身愛撫のこと。仰向けになった女性に対し、男性が唇や舌を使いながら愛撫します。48手では基本的に手を使いませんが、臨機応変に変えてもオッケー。姿勢や愛撫の順序などにも特に決まりはないので、存分にテクニックを見せつけましょう。

■名前の由来■
鶯が谷から谷へと鳴きながら飛び渡る様子が由来です。男性の頭を鶯になぞらえ、女性の全身を愛撫するために動きまわす姿から発想したのでしょう。もっとも鳴くのは女性の方ですが。

なお鶯の谷渡りは、和歌や俳句の季語としても使われます。これからは全身愛撫のことを、あえて鶯の谷渡りと呼んでみては？

⑬時雨茶臼(しぐれちゃうす)

スタンダードな騎乗位のこと。仰向けになった男性に、女性がしゃがみこむ形で挿入します。女性優位の体位で、M男性にはたまりませんね。スクワットのように上下動するので、非常に強い快感が得られます。

なお女性が男性側に倒れこみ、上半身同士が密着すると「本茶臼」という体位になります。

■名前の由来■
時雨とは、今でいうにわか雨のこと。男性の眼からその時雨に例えた愛液がはっきりと見えることが由来とされています。

なお抹茶を作る道具でもある茶臼には、「上下逆になる」という意味もあります。それが転じて、女性が上になる体位全般を指す言葉となりました。また元々は「逆交」と書いて「ちゃうす」と呼んでもいたようですよ。

⑭獅子舞(ししまい)

対面座位の1種。お互い向かい合って座り、女性が両脚を男性の肩に乗せた状態で挿入します。そのままだと後ろに倒れ込んでしまうので、女性には後ろ手をついてバランスを取ってもらいましょう。

動きづらい上に挿入感もイマイチですが、太ももが閉じられているぶん、膣圧はバッチリ。しかしそれでも実用性には乏しいので、どちらかといえば性欲ではなく好奇心を満たす体位と言えます。

■名前の由来■
激しい動きに揺れる女性の髪の毛が獅子舞のたてがみのように見えることが由来。しかし上述した通り、そこまで激しい動きはできません。もしかすると我々が知らないだけで、獅子舞には隠されたコツでもあるのでしょうか。

なお獅子舞は別名「狂い獅子」とも呼ばれます。