性病クラミジアの発見方法は、尿検査？それとも血液検査？

クラミジアは、日本の性感染症の中で最も感染者の多い病気の一つで、男性は尿道炎や精巣上体炎等を発症します。女性だと卵管・卵管周囲炎、子宮頚管炎等を発症します。クラミジアは感染しても症状の現れない人も多く、発見するには尿検査などが必要ですが、ここではその検査方法について説明いたします。

クラミジアを検査する方法は血液検査と尿検査の２通りある

クラミジアの検査は、血液検査と尿検査の2種類があります。

血液検査では、クラミジア抗体の有無を調べます。クラミジアに感染すると抗体ができるのですが、病気が治っても消えません。ですので陰性であれば問題ありませんが、陽性の場合、過去に感染歴があっても陽性になってしまうので、IgAとIgGという血中抗体2種類を検査して判定します。しかしあくまでも推定であり偽陽性・偽陰性も多く、尿検査によるクラミジア抗原が陽性であれば、そちらが優先されます。

尿検査ではクラミジア抗原、つまりクラミジア・トリコマチスという細菌そのものの有無を調べます。男性は初尿（出し始めの尿）で検査しますが、女性は膣分泌物で検査します。これは女性の尿道は短い為、菌の存在率が低いためです。さらに男性はペニスに尿道口がありますが、女性の場合は尿道口と膣は別ですよね。性感染症ですので、菌は膣に多く存在する為です。ただ、ほんの少しの菌でもいればわかるので、男女とも尿だけでの検査も可能です。

この検査ではクラミジアの存在の有無がわかるので、陽性になれば感染しているという事になりますが、死滅している菌にも反応してしまいます。また、血液や精液の混入は偽陽性となる事があります。

クラミジア検査（男性編）

血液検査は血液を採取します。尿検査は朝一番か、2時間以上排尿をしていない状態で採尿します。出始めの尿を専用の容器に採り、PCR法、またはSDA法という高精度の検査法で検査をし、細菌の有無を調べるのが一般的です。精液が混じらないように射精直後は避け、尿道に残った精液を完全に排出してから検査します。男性の場合は尿を採取するだけなので、負担が少なくて済みます。

喉へ感染を調べる場合は、喉の粘膜を綿棒でこすって採取したぬぐい液、またはうがいした後の水（うがい液）で検査をします。

クラミジア検査（女性編）

血液検査は男性同じく血液を採取します。女性の場合、症状も少なく気付かない内に卵巣などまでに進行してしまったり、時間がたち過ぎてしまって子宮頚管からは菌が出ない場合もあります。クラミジアが疑われるのに膣粘膜での検査では陰性の場合は、血液検査が有効な事もあります。

膣粘膜での検査は、子宮の入り口部分をスワブと言われる綿棒のような物で軽く擦って採取します。専用の容器に綿棒を入れ、PCR法、またはＳＤＡ法で検査するのが一般的です。血液が混じらないよう、生理時は避けます。男性に比べて、負担が大きいですね…。最近では尿での検査でも精度が高いという事で、尿検査も行われています。

喉の検査は男性と同じく、喉粘膜のぬぐい液やうがい液で検査します。

検査キットでは不十分？

病院に行かなくても、検査キットで自分で検査する事も可能です。検査キットを注文し、自宅に郵送されてきます。届いたら自分で検体（血液や尿、膣分泌物やうがい液）を採取して送り返します。送り返してから数日で検査結果が届きます。病院に行く時間がなかなか取れない人や、女性で恥ずかしくて病院に行けない…という人等にはありがたいキットです。

検査そのものは、病院と同じ条件でしてもらう事ができます。問題は自分で検体を採取しなければいけない、という事と、陽性だった場合の対処です。全て自己責任という事です。そしてあくまでも早期発見のためのもので、治ったかどうかの確認はできません。病院での検査との大きな違いは、問診や診察がなく、検査結果の判断等の医師の医療行為を受ける事ができないという事なんですよ。

感染の不安が大きかったり、既に症状がでている場合は病院で診察・検査を受ける方が安心できます。また症状が似た他の病気だった場合、検査キットではわかりませんが、医師の診察で発見される事もあります。検査キットは検査だけという事を忘れてはいけません。

検査キットが購入できるサイト：STD研究所


医療は日々進歩しています。精度の高い検査や検査キットの普及等、本当に便利になりました。クラミジアを確実に見つけたいなら、尿検査を中心に血液も必要に応じて検査してもらいたいものです。症状はないけれど不安のある人や、感染する機会の多い人は検査キットを使用するのも良いでしょう。以上、panpan（パンパン）編集部のお届けでした。

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