性行為で感染。毛じらみが引き起こす「ケジラミ症」の原因と対処法

頻繁に陰部の毛の部分が痒くなったりしていませんか？ただの痒みだと思っていたら実はケジラミ症だった、という人も少なくありません。誰でも簡単に感染してしまう可能性があるからこそ毛じらみが引き起こす「ケジラミ症」の原因と対処法を知っておきましょう。

毛じらみとは？

ケジラミという吸血昆虫で、成虫の大きさは０．８ｍｍ～１．２ｍｍ程度になります。茶色かかった白で、形はほぼ円形、触覚を持つ小さな頭と３対の脚があります。毛じらみは血を吸うことによって生きています。

人間の体を離れてから４８時間以上経過すると、餓死します。肉眼的には陰毛の毛根に毛じらみがしがみついているとシミのように、毛じらみが移動中にはフケのように見えるので、発見するのが大変です。

毛じらみは卵を陰毛に産み、卵は１週間ほどで孵化します。卵は灰色がかった白色で光沢があります。潜伏期間は１ヶ月から２ヶ月ほどです。毛じらみ自体は特に珍しいものでもなく、日本人の感染者はとても多いです。

ケジラミ症の感染経路・原因

一般的な感染経路は毛じらみを保有している人との性行為とされています。ですので性感染症扱いされてしまいがちですが、集団入浴などといった場合でも感染するのです。入浴といっても浴槽内での感染はしません。毛じらみは水中では毛から離れずしっかりとしがみつきます。公共の温泉やプールなどで、感染者が使用したかご・ロッカー・タオルから感染するのです。

またラブホテルなどの布団から感染するという場合もあります。前の利用客が毛じらみを持っていて、ソファーや布団に感染部分を接触させていた場合、接触した部分に毛じらみがつきます。その部分にあなたの毛のどこかが触れれば感染します。

ラブホテルの場合、回転率を落とさない為にシーツのみの交換という場所がほとんどです。マット部分に毛じらみが潜んでいる場合もあります。

頭にも！毛じらみが感染する部位

アクロポリン汗腺の臭いを好むため性器周辺、主に陰部や肛門周辺の陰毛に感染します。ですが、毛じらみは毛がある部分にはどこにでも感染するので、太もも周辺の毛、胸毛、脇毛、ひげ、眉毛、まつ毛、髪の毛などにも感染する可能性があります。

まつ毛への感染が一番厄介で、毛を抜くこともできませんし薬を使うこともできません。そのため、ピンセットで虫の本体と卵を１つずつ除去しなければいけないのです。とても時間のかかる作業なのです。

ケジラミ症の症状

感染部分に激しい痒みがあり、これは男性女性問わず同じ症状になります。この痒みは毛じらみに対してのアレルギー反応になっているので、感染しただけでは痒みは表せません。だんだんと毛じらみの数が増え、１ヶ月２ヶ月ほどするとアレルギー反応を起こし症状が出始めます。アレルギー反応からの痒みなので、人それぞれ症状の重さは異なります。

アレルギー反応を起こさず、まったく痒みの症状がない人もまれにいるそうで、一番厄介なタイプになります。症状が無いということでその人の陰毛では「毛じらみが卵を産み孵化する」というサイクルが何回も行われます。その為知らず知らずのうちに周りに感染させている可能性があるのです。勿論ケジラミ症は自然治癒はしません。

また、蚊やダニと違い湿疹などは出ないのが特徴になります。そして下着に赤黒い点状のシミが付くことがあります（白系の下着の場合）。これはケジラミの血糞です。

病院での検査と毛じらみと卵を除去する治療法について

検査は至って簡単なものになり、患部の視診を行います。そこで毛じらみや卵の確認を行います。陰毛を根元から爪でとかしたり、毛を抜いて根元にある卵を採取することができます。

治療方法は感染部分の剃毛（ていもう）が一番です。毛がなくなることで成虫が生息できない環境にするのです。しかし剃るのが大変な部分に関しては他に２つの方法があります。１つ目は、フェノトリンシャンプーという物で２週間、感染部分を洗います。シャンプーでは卵が死にませんので、卵が孵化するタイミングを狙い３日ほど間隔をあけて、またシャンプーをします。３・４回ほど繰り返します。２つ目は目の細かい櫛で陰毛をブラッシングすることで、虫を除去し、卵を取り除くことができます。

ここで注意してほしいのが、症状発生まで１、２ヶ月かかります。ですのでその期間の間に家族や親しい関係の人に感染させている可能性があるので、その人も一緒に検査をしなければなりません。でないとまた繰り返し何度も感染してしまうはめになるのです。

自宅で治療が可能です

フェノトリンシャンプーは市販でも販売していますし、自分で毛を全部剃ることができるというのであればわざわざ病院に行くこともなく、治療することが出来ます。ただ、上記でお伝えした通り毛じらみを肉眼で発見することはとても困難です。

以前ケジラミ症にかかっている人で、大体の内容を把握している方なら良いですが、初めての方は医者の診察を受け確実に治療するほうが良いでしょう。

予防方法はあるのか？

実は毛じらみに効果的な予防策はないのです。性感染症を予防するコンドームは陰毛の部分に使うものでは無いので勿論予防できません。身近な人で感染者が出た時の対策方法しか無いのが今現在の状態です。そちらについて記載します。

・感染者が使用したタオルは使用しない

・性行為時に使ったベッドはしばらく使用しない

些細なことではありますが、これをするだけでも感染する確率が低くなるので大事なことなのです。

また、もし自分が感染してしまった場合、それを恥ずかしいからといって周りに隠していると先ほど述べたように家族やパートナーとの無限感染サイクルになりかねないので必ず周りに伝え、みんなで検査を受けることも大事になります。周りに感染させない予防策はこれにつきます。

いかがでしたでしょうか？予防方法が無いこのケジラミ症は誰もがかかる可能性のある感染症なのです。そしてそのほとんどが性行為からの感染です。自分も彼女もかからないようにするのがベストですが、もしかかってしまった場合はしっかり完治させましょう。感染経路が必ずしも性行為からということはわかりませんので、彼女の浮気などを疑い喧嘩などをしないようにしてください！以上、panpan（パンパン）編集部からのお届けでした。

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