身の回りにあるものだけで、超人的な筋肉がつくパルクール式筋トレ法

身の回りにあるものだけで、超人的な筋肉がつくパルクール式筋トレ法

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この記事を書いた人
パーソナルトレーナー
KUBOTA TRAINING
大学時代、アメリカへ留学中にパーソナルトレーニングの仕事をしていた筋トレ大好き26歳のクボタです。誰でも簡単にモテる身体が作れる筋トレ方法を教えています。現在はpanpan編集部にて、トレーニング仲間と3名体制で専門的かつ初心者にも分かりやすい記事を執筆しています。
スポーツジム等の専門的設備で、器具を使った筋トレと対照的なのが「パルクール式」です。発祥はフランスで、当初は「フリーランニング」とも呼ばれていました。自重や環境を利用してストレス解消&楽しみながらできるとして人気を集めています。今回はパルクール式筋トレの魅力を、動画を交えて解説していきます。


パルクール式って何?メリットは?


パルクール式筋トレの魅力①:パルクール式って何?メリットは?

冒頭で述べたように、「フリーランニング」と呼ばれることもあるくらいですので、自由度が極めて高い特徴があります。元々は、創設者のレイモン・ベルが障害物レース形式の軍隊トレーニングの発展させたもの。彼が息子に自分のトレーニングを伝える際に、Le parcours(ル・パルクール)と言ったことから、パルクール式と呼ばれるようになりました。パルクール式は、あくまで器具を使わずに、自重を中心に負荷をかけ、周囲の環境を利用して体を鍛えるというのがその概要です。

街を走り抜け、障害物を飛び越え、木を登ったり塀を乗り越えたりしながら、その動き自体が全てトレーニングなのです。パルクール式のメリットとして代表的なものをあげると「身体能力を底上げできる」、「ボディバランスが鍛えられる」、「アトラクション的要素があって飽きにくい」、「実生活の中で効果を実感しやすい」というものがあります。専門的な器具をつかって、部分的に肥大させる筋トレよりも、より体全体の連動を重視し、生活で使う筋肉を刺激しやすいのです。

また、熟練者のトレーニング風景がアクション映画のようにかっこいいところも大きな魅力。


パルクールの技を使いこなす筋力や感覚が身につく


宙返りなどアクロバティックな動きを加えるフリーランニングや効率的な移動を追求するパルクールでは、地面に脚をつけずに移動したり、壁を蹴って高い場所に登ったりと様々な技を駆使して街中を駆け巡ることになります。

パルクールで使われる技は主に「ヴォルト」「クライムアップ」、「ウォールラン」、「プレシジョン」、「バランス」の5つです。

「ヴォルト」は比較的低い高さの障害物を乗り越える際に使われます。例えばガードレールや腰辺りにある手すりを飛び越える際に、両手で障害物を掴んで飛び越えます。これには高い跳躍力が必要となります。

「クライムアップ」は塀などを乗り越える際に使われる技術です。塀の縁に掴まって、腕と脚の筋肉を使ってよじ昇ります。縁に掴まる握力や全身を持ち上げる腕力がなければ落ちてしまうでしょう。

「ウォールラン」は名前の通り壁を蹴って高い壁を乗り越える技術です。高くそびえる壁は一見すると乗り越えられないように思えますが、壁を蹴ることで縁に掴まることができます。壁を蹴るには瞬発力と跳躍力が、縁に掴まった後は腕力と握力が必要となります。

「プレシジョン」は自分が着地したいと思っている場所に正確に着地する技術の事を言います。着地するのは当たり前と思われるかもしれませんが、自分の身体能力を正しく見極めていなければ、着地点がずれて高所から落下してしまうという危険性があります。高速で走りながら着地点を見極める必要があるので瞬時の判断力が求められます。

「バランス」はその名前の通り障害物の上に立つ技術のことを言います。障害物の上に立つだけなら誰でも出来ると思うでしょうが、パルクールでは細い柵や壁、ポールに立たなくては行けません。そのため優れたバランス感覚がなければすぐにずり落ちてしまうでしょう。

このような技を使うには、強靭な筋力と優れたバランス感覚・判断力が必要となります。パルクール式筋トレ法で体を鍛えることで、これらの筋力や感覚を身につけることができるようになるのです。


地面さえあればすぐできる、初心者向きメニュー


まずは初心者向けメニューです。アクロバットなことはやらず、基本の腕立て伏せや腹筋をして、体を慣らしましょう。この時のポイントは、なるべく直線的な動きにならないよう円形をイメージすることです。筋肥大よりも筋肉間の連動を高めるイメージをしましょう。動画の中で、2分近辺から始まる四つん這いの動きは、最初はかなりきついはずです。全身の筋肉のどこかに絶えず負荷がかかるため、強度が高いトレーニングと言えます。こちらのポイントとしては、「できるだけ滑らかにゆったりと」イメージすることでしょう。少しのんびり目に動くと、全身くまなく負荷がかかり、スタミナとバランスが鍛えられます。

パルクール式筋トレの重要な要素の一つが「バランス」です。単純な筋力強化よりも、バランスの強化に重点が置かれているといっても過言ではないでしょう。器具や部位別のトレーニングでは鍛えるのは非常に難しいものでした。そこを上手く捉えているのが、人気の秘密なのです。




慣れてきたらより負荷を高めて


基礎的なトレーニングに慣れてきたら、少し負荷を高めましょう。動画の中では1分20秒近辺から、壁や手すりをうまくつかって、通常の自重のみの筋トレよりも負荷を高めています。1分29秒近辺で、階段を四つん這いで降りているシーンがあります。これは上半身、特に上腕の筋肉と肩を鍛えます。最初は少し恐怖感があるでしょうが、まず手を出してから足を動かすことを念頭に置けば安定します。手の位置を確保→足を引き寄せるイメージですね。

1分42秒近辺では、手すりを使って体全体を持ち上げる運動をしています。これは右足を除いたほぼ全身の筋肉に負荷をかけていますね。通常の懸垂とは違い、下半身も同時に鍛えられるのが大きなメリットです。「引き寄せ」と「突き出し」を交互に行うため、体全体の使い方がスムーズになり、筋力も高まります。

8分52秒近辺では、坂を上る形での手押し車を行っていますが、これも通常のものより負荷が高まります。地面がアスファルトではなく、草と土であることがポイントで、手首や肩を痛めにくいのでお勧めです。上半身全て、特に肩と腹筋が非常に鍛えられますよ。このように地形をうまく使って、通常の自重筋トレよりも負荷を高めたり、全身運動の要素を高めたりできるのがパルクールの魅力の一つです。




手すりを使ってモンキーヴォルト


段々地味な筋トレにも慣れ、「リアル忍者」と呼ばれるアクロバティックな動きに挑戦したくなるでしょう。そこでこのモンキーヴォルトです。ポイントとしては、

「まず腰の高さを限度として、レールや手すりを選ぶ」動画の中でも解説していますが、限度はあくまで腰の高さです。手すりやガードレールはそれほど高い位置にはないので、これは探しやすいでしょう。

「次にレールや手すりを手でつかんで、なるべく腰を高い位置まで上げられるようにする」跳び箱の練習と同じですね。手をついて腰を、両足でピョンピョンと下半身だけ跳躍させます。飛び越えるイメージを持ちながらやると効果的。頭の位置よりも腰が高くなるつもりで(実際はそこまで高くなくても飛べます)、腰を跳ね上げましょう。

「慣れてきたら手すりやレールに両足を乗せる」この段階がおそらく一番怖いのではないでしょうか。跳び箱もここでつまずく人が殆どですからね。さらにレールや手すりは細いですし。握る→飛びはねる→乗る(最初はここで手を放してもいい)→一呼吸おいて反対側に降りる、といった動作が滑らかにできるようになればOKです。上半身が起きてしまわないように、前屈のイメージで腰を高くあげるのがポイント。

「最後に両手で上半身を前に押し出しつつ、足を抜く」上半身だけが残ってしまわないように、両手でグイっとレールや手すりを押しましょう。足裏が後ろを向くように抱え込んで飛ぶとちゃんと抜けますよ。




流れるような動きを手に入れる


全身の筋肉もつき、筋肉間の連携もとれてくると自然と身体能力があがります。ボディバランスや俊敏性が向上し、この動画のような見事のランニングをこなせるようになります。特にアクロバティックな空中技を展開しなくても、普通の動作を滑らかにできるようになれば、見違えるように体は軽くなりますよ。また、体全体のラインもいびつさがとれ、自然と引き締まって外見的にも良くなります。

下の動画は、人間離れした軽やかさで街を疾走していますが、一つ一つの動きは特に難易度が高いものではありません。前述したような地味な筋トレで全て手に入れられる要素です。一つ一つの技が滑らかで力みがないために、全体としてとても綺麗ですよね。こんな風に街を疾走し、野生に帰った気分に戻れるのも、パルクール式の大きな魅力なのです。何より非常にかっこよくないですか?「リアル忍者」と呼ばれるのも頷けます。海外の熟練者の動画は、再生数もかなり伸びていますよね。




バルクール式 筋トレの注意点



見ているだけで痛い動画が続きますのでご注意ください↑↑

動画サイトなどで紹介されているパルクールやフリーランニングの動画では、まるで忍者のように見事に技を決めているカッコいいモノばかりですが、実際は失敗するととても悲惨なことになります。

例えば高いところからジャンプしたは良いけれど、筋力が足りないためにプレシジョンをミスって手前に落ちてしまったり、バランス感覚が鍛えられていなかったためにポールの上に立つつもりが落ちてしまい股間を強打する、なんてこともざらにあります。

パルクール式筋トレを行う際は、自分の出来ることをしっかりと見極めることが重要です。目の前の障害物を飛び越えようとチャレンジしたくなる気持ちは分かりますが、筋力が足りないと感じているのに挑戦しても怪我をするだけです。もし骨折やアキレス腱断裂のような大怪我をして入院なんてことにでもなったら、それまでやってきた努力が無駄になってしまいます。体ができていないと感じたら、まずは基礎体力や筋力をしっかりと作ってから挑戦するようにしましょう。


バルクール式 筋トレで、より効果を出すためのポイント


パルクールを行う際も筋肉は必要になりますが、不要な部位にまで筋肉を付け過ぎると、跳びはねるのに邪魔になるだけです。

例えば肩は腕と胴体を繋ぐ重要な部位で、より強靭にしなければ壁に掴まるのも難しくなりますが、肩にある三角筋を鍛えすぎると腕の可動域が狭くなるため動きが制限されてしまいます。また、無駄に筋肉を増やし過ぎると体が重くなってしまい体を支えられなくなったり、走る際に速度が出ずに障害物を乗り越えられなくなったりもします。

このようなことを防ぐためにも、パルクールで使われる筋肉に重点を置いて鍛え、無駄な脂肪や筋肉を削ぎ落とし、柔軟運動をしっかりと行って関節の可動域を広げたりするとより効果的で実用的な体を作ることが出来るはずです。


こんな人にオススメ!


ボディービルダーのように筋肥大だけを目的とした筋トレでつく筋肉は、重いものを持ったりするのには適しています。しかし、飛んだり跳ねたりと他のスポーツにも応用が効くかと言われると、一概にそうとは言い切れません。その点、パルクール式筋トレ法でつく筋肉は日常で使う筋肉を更に高めたものなので、色々なスポーツにも応用が効きます。さらに常に走り回る必要があるので有酸素運動にもなり脂肪も燃焼されます。パルク式筋トレ法は、ダイエットを目的とした人や実用的な筋肉が欲しい人、引き締まったキレのある体を手に入れたい人にオススメなトレーニング法です。


いかがでしたか。単純な腕力や筋力よりも、体全体の性能を向上させたいと願う方には、このパルクール式はぴったりの筋トレ方法と言えそうです。何よりも特段の設備や器具がいらないので、経済的にとてもハードルが低いのです。場所もあまり選びません。ぜひこの機会にパルクール式を始めてみてはいかがでしょうか。

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