男性も女性も20代が感染ピークの性病「尖圭コンジローマ」って？

尖圭コンジローマという性病をご存知ですか？最近若い男女の間で急激に感染が広がっていて、感染してしまうと外科的手術をしなければ治らないことも…。性病、尖圭コンジローマについてまとめました。

尖圭コンジローマっていったいどんな性病？原因は？

尖圭コンジローマは、性的感染症の一種です。オーラルセックスも含めた性行為全般によって感染します。この尖圭コンジローマは、ヒト乳頭腫ウイルスに感染することによって発症してしまう病気です。潜伏期間が長く、一度感染すると再発しやすいために、いつ、どこで感染したのかなかなか特定できなく、感染が次々と広がっていってしまうことがあります。

尖圭コンジローマは性感染症の中で、クラミジア、淋病、性器ヘルペスの次に感染者が多いとされている性病で、セックスをしたことのある男女なら誰しもが感染する可能性があるのです。日本では特に25~29歳の男性、20~24歳の女性に感染者が多く、これはコンドームを使用せずにセックスする機会が多いからだと言われています。

日本はコンドームの生産大国ではありますが、実際に使用している人たちは少なく、使用率は実に５０％に満たないとも言われています。また、性行為の際はコンドームをつけていても、オーラルセックスの際につけていなかったということも多く、咽頭に感染してしまう可能性もあります。

尖圭コンジローマの症状とは：男性編

尖圭コンジローマに感染してしまった場合、まず最初に初期症状が出ます。しかし、潜伏期間も長いと上記で説明しましたが、感染してから3週間～3か月ほどたってようやく初期症状が出てきます。ペニスや陰嚢の周りに、薄ピンク色や、茶色のカリフラワーやお椀のような形のイボが感染したところに発生します。

痒みを伴ったり、痛みを伴ったりすることもありますが、初期症状では基本的に自覚症状はなく、何も感じないという人が多いです。また、性器に感染した場合、男性器だけではなく、肛門の周りなどにイボが発生することがあります。放置すると、段々とイボが大きくなっていきます。

そしてまれに、悪性の尖圭コンジローマがあり、イボを放置してしまうと、陰茎がんなどを引き起こしてしまうので、放置してしまうと危険な場合があります。また、自覚症状がない場合、イボがパートナー等の粘膜に触れてしまうことで感染させてしまうことがあります。知らず知らずのうちに感染者を増やしてしまうことがあるのです。

尖圭コンジローマの症状とは：女性編

尖圭コンジローマに感染した際の女性の初期症状は、基本的に男性と同じです。性器に感染してしまった場合、数週間から数か月かけて、ようやく外陰部に先のとがったようなイボが出来始めます。大抵の場合、初期症状は外陰部や、膣の外側、肛門の周りに現れることが多いのですが、まれに膣の内部にイボが出来上がってしまう可能性があります。

大きさは大抵1~3mmほどなので、やはり自覚症状がなく、気づかないことが多いです。放置してしまうとイボの範囲が大きくなってしまったり、イボ自体が大きくなってしまい、ようやく気付いたということが多いです。

尖圭コンジローマの検査方法とは

イボがもう性器の周りにできてしまっている場合、尖圭コンジローマを判断するために何か特別な検査を受けなければいけないということはありません。イボの形に特徴があるため、見た目や広がり具合によって診断します。しかし、イボの形で尖圭コンジローマということはわかっても、悪性の物なのかどうかを判断することはできません。

その場合、組織検査を行って検査することがあります。組織検査の手順としては、局所麻酔を打ってから、イボの一部を切り取り、そのイボによって組織検査を行います。まれに尖圭コンジローマかどうかを判断できなかった場合にも行われます。

また、まだイボが表れていないけれど、心配なので検査したい場合は、女性のみが行うことが出来ます。男性の場合、どれだけ性器をこすっても、粘膜を採取することが出来ませんが、女性の場合は膣の中の粘膜を採取することで尖圭コンジローマに感染しているかどうかを調べることが可能です。

尖圭コンジローマの治療方法とは：軟膏

尖圭コンジローマには、外科的にイボを取り除く方法と、軟膏を塗って治療する方法があります。大きさや、量によって必要な治療が異なるので、しっかりと医者と相談して治療を行いましょう。軟膏治療としては、ベセルナクリームという世界的に使われている尖圭コンジローマ専用の軟膏があります。

このベセルナクリームは、軟膏を塗った場所に尖圭コンジローマのウイルスに対して免疫を作り、段々とウイルスを体内から追い出していくという方法になります。このクリームは比較的初期の治療に用いられることが多く、イボがなくなってもウイルスが存在する可能性があるために8週間異常は塗り続けなければなりません。

決められた時間になると洗い流さなければならない等という決まり事もあるため、しっかりと医師に言われたことを守って塗る必要があります。また、女性で膣の中にイボがある場合などは塗ることが出来ないために、外科的治療が必要になってしまいます。

尖圭コンジローマの治療方法とは：外科的治療

膣の中にイボが出来てしまっていたり、イボが大きく、広範囲にわたってできてしまっていた場合には軟膏だけでなく、外科的にイボを取り除くことになります。足などにできてしまったイボと同様、-190度に近い液体窒素で凍らせてから取り除く冷凍療法、そして電気メスでイボを直接切り取る方法等があります。

冷凍療法の場合は何度か病院に通って治療しなければいけないことがあります。直接切り取る場合は、外来で局所麻酔をかけ、そのまま切り取ることが出来るので一度で終わり、入院する必要はありません。しかし、切り取った後が広かったり大きかったりするとひきつって違和感がでてしまったり、性行痛を発生させてしまったりしてしまいます。

尖圭コンジローマは再発しやすい？

軟膏等を塗ってウイルスを身体から追い出すことで完治することが出来る尖圭コンジローマですが、めちゃくちゃ再発しやすい性病として有名です。患者の4人に1人は3か月以内に再発すると言われているほど再発率が高く、完治というのは1年間に1度も再発しなかったという場合を指すことが多いです。

イボが全部なくなったと思っても、医者の診察を定期的に受け、ちゃんとイボが見られないかどうかを調べなければなりません。さらに再発していないかどうかを自分でもしっかりと確認して、もしもイボの再発があるようなら絶対に性行為は避けるようにしましょう。

また自分が感染していた場合は、パートナーにも感染している可能性があるので、初期症状が現れるまでの何か月間かは症状が現れたりしないかを確認しなければなりません。女性ならすぐに検査を受けるようにしましょう。


いかがでしたか？尖圭コンジローマについまとめました。しっかりと尖圭コンジローマについてを知って、もし感染した際にはすぐに治療に向かえるようにしてくださいね。以上、panpan（パンパン）編集部からのお届けでした。


◯関連記事
・性病の可能性は極めて低い？ペニスに発生したぶつぶつの正体とは
・ペニスにしこりやブツブツが出た時に考えられる性病