HIV・エイズの感染者が女性よりも男性の方が多い理由

HIV・エイズの感染者が女性よりも男性の方が多い理由

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女性のほうが男性よりもHIVに感染しやすいのですが、女性よりも男性の方がHIV感染者が多い、というのが現実です。ここでは、「HIV・エイズの感染者が女性よりも男性の方が多い理由」ということでご紹介していきますので、どうして男性の方がHIV感染者が多いのか、その理由を知ってエイズ感染に注意しましょう。


国内のHIV・エイズ患者は男性のほうが圧倒的に多い


国内のHIV・エイズ患者は男性のほうが圧倒的に多い

まずは、厚生労働省の調査からHIV感染者とエイズ患者が日本国内にどれくらいいるのかについて見ていきましょう。

HIV感染者+エイズ患者累計(平成27年3月29日現在)
男(日本人): 19,538人
女(日本人): 1,239人
男(外国国籍):2,301人
女(外国国籍):1,804人
合計: 24,882人
※厚生労働省エイズ動向委員会
引用:HIVSOS


このように男性の方が感染者は圧倒的に多いのですが、実は異性間の性的接触による感染率は、女性から男性よりも、男性から女性への方が高いのです。

異性間性的接触時の感染確率
異性間性的接触(男性側) 0.05%
異性間性的接触(女性側) 0.1%
引用:HIVSOS


男より女のほうが感染しやすいのに、患者数は男性が多い!不思議ですね。これはいったいなぜでしょうか?


HIV感染者が男性の方が多い理由①風俗産業を媒介にして感染拡大したから


HIV感染者が男性の方が多い理由①風俗産業を媒介にして感染拡大したから

実は、日本にいる外国国籍の女性で、HIVに感染している感染者が多いというのも、男性のほうがHIV感染者が多い理由の一つです。どうしてかとういうと、HIVに感染している事に気づいていながらも、日本に来てセックスワーカーとして働いている外国人もいると言われているからです。

そして、男性はそのような風俗に行って、相手の女性がHIV感染者などとは知らずに性交渉を行って、HIVに感染してしまうことがあるのです。女性は風俗に行かないので、そのような場所でHIVに感染することがありません。なので、男性の方がHIVに感染することが多くなります。風俗に従事している一部のHIV感染者女性と、不特定多数の男性がセックスすることにより、多くの男性に感染拡大するということですね。


HIV感染者が男性の方が多い理由②男性同士のアナルセックスは感染リスクが高いから


男性のほうが女性よりHIV感染者が多い理由に、男性同士のアナルセックスが挙げられます。アナルはセックスをするための器官ではないので、セックスをすると出血しやすいからです。そして、そこからHIVウイルスが侵入して、HIVに感染すると言われています。

また、たとえアナルが出血していなくても、アナルでの挿入や摩擦によって、小さな傷ができることもあり、そこから感染することも有り得ます。ちなみに、男性同士のアナルセックスの場合、女性役の方がHIVに感染する確率が高くなります。

それから、男性同士のアナルセックスだと、妊娠の心配をする必要がないので、コンドームを使用しないでセックスをすることが多いです。そしてその結果、HIVに感染しやすくなるのです。男性と女性がセックスする場合も、粘膜による接触なので、HIVに感染する確率は高いのですが、男性と女性のセックスの場合は妊娠を心配してコンドームを使用することが多いし、アナルセックスと比べると異性同士のセックスでは傷がつくこともほとんどないので、HIV感染の確率は低くなります。


HIV感染者が男性の方が多い理由③身に覚えのある男性は検査に行く


このように、男性同士の性交渉はリスクが高いということがお分かりいただけたと思います。しかし実は最初に示したデータは「検査の結果で感染がわかった人」の数であり、「実際のHIV感染者(検査を受けていない人)」は男性も女性も現代ではデータよりも遥かに多いと考えられています。

ご存知の通りHIVは潜伏期間が長く、エイズが発症しないと感染に気がつかないこともあるウイルスです。同性間の性交渉をする男性は、「アナルセックスにはリスクがある」とわかっているので、身に覚えがあると検査に行くことが多く、そこでHIVに感染していることが「発覚している人が多いだけ」とも言えるのです。これはHIVが男性のホモセクシャルの間で爆発的に流行した1980年代のアメリカと同じ傾向です。

アメリカのHIV感染者数は、当初は男性が9割だったのが、現在では女性が30パーセント程度にまでなりました。つまり、本当は異性間交渉にも高いリスクがあるが、検査には行かない人が多く、またエイズが発症するまでの期間が長いことから表面しなかったのが過去。現在は、異性間交渉にもリスクがあることもわかっているため検査が一般化しており、HIV感染がエイズの発症前に発覚している、そして過去にHIVに感染した女性がエイズを発症しているという状況なのです。


HIV感染者が男性の方が多い理由④薬害エイズによる被害


また1980年代に発覚した「薬害エイズ」も、日本のHIV患者数が圧倒的に男性に多いことと関係しています。血友病患者のために輸入された血液凝固因子製剤(非加熱製剤)によるHIV感染者が約1800人ほど発覚したためです。血友病になるのはほとんどが男性で、薬害エイズも大々的に取り上げられるようになり、身に覚えのある人は男性の多くが検査に行き、約1800人の男性がHIVに感染していると宣告されたのです。


決して「男性の方が多い」とは言えない

つまり、

・最初は男性の同性愛者の間で広がった
・男性の同性愛者はリスクを承知しているため検査に行くことも多い
・薬害エイズの被害を受けた血友病患者のほとんどが男性


以上のような理由で、日本では男性の方が感染者が多いと言われているのです。そのため、異性間性交渉のリスクも大きく高まった現代では、日本も今後アメリカと同じように女性のHIV感染発覚者が増え、比率的には男女の差が大きく開いた今の状況は変わると考えられています。病院の血液検査などではHIV抗体検査は通常行いませんし、献血などでHIV感染があるとわかっても、感染者には通知されません。

「私は病院に行ってるし、献血もしたことあるけど何も言われなかった」などというのは、実はHIVに感染していない保証にはならないのです。これらのことを知らない人がかなり多く、「自分は大丈夫だろう」と油断していると、女性もHIVに感染する、あるいは感染を拡大させてしまう確率は決して低くないのが今の日本の状況です。したがって、「男性の方が感染者が多い」という状況は、あくまでも表面上でしかないので十分注意しなければなりません。


いかがでしたか?どうして男性のほうがHIV感染者が多いのかわかっていただけたと思います。男性の方は、セックスするときにはHIVに感染しないようにより注意することが必要ですね。以上、panpan(パンパン)編集部のお届けでした。

HIV・エイズの感染率を行為別にまとめた

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