エイズとは?誤解しがちなAIDSについての正しい知識

エイズとは?誤解しがちなAIDSについての正しい知識

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エイズは1981年アメリカで26人のカポジ肉腫患者が見つかり、後天性免疫不全症候群(AIDS)と命名されたのが始まりです。現在も様々な研究がされていますが未だ解明途上の病気です。日本は先進国でエイズ患者が増加中の数少ない国という現状を踏まえ、改めてエイズとは?その正しい知識について学んでみましょう。


1.エイズとは? AIDSについての正しい知識 エイズの基礎知識


1.エイズとは? AIDSについての正しい知識 エイズの基礎知識

後天性免疫不全症候群(英語のそれぞれの単語の頭文字を取ってAIDS)は、免疫不全が主な症状のためにつけられた名前です。エイズはヒト免疫不全ウイルス(HIV)が免疫細胞に感染・破壊して免疫不全を起こす、性行為感染症の病気です。人類の病気の歴史を考えてもエイズは比較的新しく、発症以来ずっと世界中で研究がなされワクチンも開発されていますが、病気について100%解明されているわけではありません。

エイズの特徴としては、HIVに感染しても初期症状は風邪とよく似ているので、気が付かないことが多く、ウイルスの潜伏期間が数年~10年と長いことがあげられます。もし感染したことを知らずに何の治療も受けなければ100%に近い確率でエイズを発症します。但し早い時期に感染を発見し治療を受ければ発症を食い止めることが出来るようになりました。尚、エイズが発症した場合はかなり高い確率で死に至ります。


2. AIDSについての正しい知識 エイズとは?


2. AIDSについての正しい知識 エイズとは?

1930年アフリカでチンパンジーなどのハンターの男性に免疫不全ウイルスが猿から移されたのが最初と言われています。その後、1959年コンゴで初のエイズ死亡患者が出て、1981年アメリカで26人のカポジ肉腫が報告され、このときからエイズという病名が使用されました。1983年までに報告されたデータでは患者1400人以上の中でホモセクシャルや薬物中毒者が90%以上を占めていたので、この時期エイズが同性愛者の病気という誤解が広まります。1984年にHIVウイルスが発見され、抗体検査方法が確立されました。

1980年代北米・中南米・アフリカでエイズ患者が爆発的に増加します。1990年代に入るとエイズの中心が東南アジアに移行しています。現在感染者が集中しているのはアフリカ大陸です。


3. AIDSについての正しい知識 世界のHIV感染者数とエイズ死亡者数


国際連合エイズ合同計画(UNAIDS)の調査によれば、

1500 万人が抗 HIV 治療を受けている(2015 年 3 月) 3690 万人[3430-4140 万人]が HIV とともに生きている 200 万人[190-220 万人]が新たに HIV に感染した 120 万人[ 100-150 万人]がエイズに関連する原因により死亡した
引用:UNAIDS


というデータが出ています。

地域別に見るとサハラ以南のアフリカが感染者数2500万人以上でエイズ死亡者も80万人近くいます。次にアジア太平洋地域・ラテンアメリカ・カリブ海沿岸・中東/北アフリカ・東欧/中央アジア・西欧/中欧/北アメリカの順になります。


4. AIDSについての正しい知識 日本でのエイズ


1985年にアメリカ在住の日本人同性愛者の男性、1985年国内の3名の血友病患者がエイズとして認定されました。実際にはこれより以前にアメリカの非加熱製剤(HIV感染の恐れあり)を使用していた血友病患者がいたのですが、エイズとは認定されませんでした。その後、加熱製剤が開発されるまで2年以上に渡って使用、その関係者たちが起訴されて、マスコミで大きく報道されたのが「薬害エイズ事件」です。このアメリカ輸入の非加熱製剤を使った患者の間にHIV感染が広まりました。

1986年フィリピンから日本に出稼ぎに来ていた女性が自国に帰国後、HIVに感染していたことが判明し、翌1987年には神戸で初の日本人女性感染者が発見され、女性の死後名前と顔写真と共に売春行為などがマスコミで大きく報道され、エイズパニックと呼ばれる騒動になりました。そういう経過を経て1988年に国会でエイズ予防法が成立します。現在は「感染症の予防及び患者に対する医療に関する法律」として施行されています。

先進国では全体的に減少しているのに反し、日本でのHIV感染者数は15,000人を越えてエイズ患者も7,000人以上と、エイズに関しては増加の傾向にあります。


5. AIDSについての正しい知識 HIVの感染経路


感染経路の内訳は同性間性的接触が7割以上を占めて一番多いですが、異性間性的接触は2割弱で、後は静注薬物乱用・母子感染がわずか、その他感染経路が定かでないケースも報告されています。

HIVの感染源は血液・精液・膣分泌液・母乳の4つで、唾液や涙、また水中で感染することはありません。インフルエンザなどとは違って飛沫感染をしない、比較的感染力の弱いウイルスなのです。経路としては血液感染-感染者の血液が 傷口や粘膜に触れたり、輸血や臓器の提供などで体内に入ると98%が感染します。次に性行為感染ですが感染者との肛門性交や無防備なセックスによって感染するので、正しいコンドームの使用が奨励されています。


6. AIDSについての正しい知識 エイズの症状


HIVに感染しても数週間以内ではほとんどの人が無症状です。風邪のような症状が出て10日ぐらい続くことがありますが、約6~8週間で血液中にHIVの抗体が出来ます。HIVの抗体保持者をキャリアといいますが、潜伏期間8~12年を経て全身のリンパ節が腫れてきたり、この時期から体の免疫力が低下してくるので、ひどい寝汗をかいたり、疲れやすくなったり、発熱や下痢が1ヶ月以上続くといった症状があらわれます。発病すると複数の感染症や悪性腫瘍を併発したりして、治療をしなければ2年で75%、最終的には90%が死に至ります。


7. AIDSについての正しい知識 エイズの治療


7. AIDSについての正しい知識 エイズの治療

今現在エイズを100%根治する治療法は確立されていませんが、HIVに感染しても、エイズの発症を抑える抗ウイルス薬や、免疫力を高める薬を使っての治療が有効とされています。どちらにしても早期に発見して早期に治療を開始すれば、発病を先延ばしにしたり、押さえることも可能になりました。


8. AIDSについての正しい知識 エイズ検査


不特定多数と性行為をしないことが一番ですが、もし疑問に思ったり不安を感じたら検査を受けるのが何よりです。HIVは体内に入って抗体が造られるまでに6~8週間かかりますので、感染した可能性があるときから2ヶ月以上経過してから、検査にいきましょう。

検査は地域の保健所で無料・匿名で受けられます。その他では全国で360ヵ所以上あるエイズ治療を行っている病院か、一般の医療機関でも有料で検査が可能です。


9. AIDSについての正しい知識 エイズの知識を持つことが対処法


エイズという病気をトータルで考えると、人間が生きていく上で切り離せない性行為を介して感染すること、感染後も無症状の期間が長く続くために、知らずに他の人を感染させてしまうという非常にやっかいな病気といえます。日本で増加傾向にあるのは、エイズという病気に対しての一般情報が行き渡っていないせいです。学校や家庭での性教育の徹底はもちろんですが、大人ももっとエイズのことを知る必要があります。こんなときこそマスコミの活躍が期待されます。

これだけ文明が発達しデクノロジーが使われている現代でも克服できていない病気がエイズです。エイズは誰もが自分は絶対安全と言えないほど、近くにある病気だと認識してください。そして改めて自分の性生活を見直したうえで、愛するご家族やお子さんなどに必要であれば正しく予防するためにもエイズ教育を施してください。以上、panpan(パンパン)編集部からのお届けでした。

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