なんとエイズ完治者が出現!実は、HIVは完全に治ることがある

なんとエイズ完治者が出現!実は、HIVは完全に治ることがある

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不治の病と言われたエイズですが、世界でたった一人だけ完治の報告があったことをご存じですか?今回は、完治者がどのような治療を施されたのか、さらにHIVが治るという悲願を達成するために、研修者が日々どのような努力をしているのかをお伝えします。


世界でたった一人のHIV完治者


世界でたった一人のHIV完治者

世界中のHIV感染者及びエイズ患者の皆様ならご存じかと思われますが、ついに「完治者」が現れたことは記憶に新しいところです。

2009年に米医学誌「New England Journal of Medicine」(2009; 360: 692-698)で、世界で最初のエイズ治癒例が報告された。現在も“唯一のエイズ完治者”とされる米国人のTimothy Ray Brownさんが7月24日、第19回国際エイズ学会(7月22?27日、米ワシントン)で記者会見を開き、エイズの治療薬開発に向けた基金を設立することを発表した。英米の複数のメディアが報じている。
引用:mamari


上記の記事のとおり、Timothy Ray Brownさん(以下Brownさん)が、造血幹細胞移植によりHIVが完治したという報告がありました。なおBrownさんは、もともと抗HIV剤によりHIV感染者の通常の治療を行っていたそうですが、急性骨髄性白血病を併発してしまったそうです。しかし、同病気の治療に伴い抗HIV剤の服用も中止したにも関わらず、造血幹細胞移植によりHIV感染も完治してしまったのです。なお、同時に白血病まで治るという結果となったそうです。


造血幹細胞移植とは?


造血幹細胞移植とは?

ここで気になるのが、造血幹細胞移植とは何かという部分です。これは、正常な血液を生成できない病気(白血病など)に罹患した患者に、造血幹細胞を移植することで正常な血液を作らせるようにする治療です。白血病患者等は正常な血液を生成することが難しく、それに伴い様々な症状を呈することはご存じかと思われます。白血球が異常増殖し、倦怠感や発熱の諸症状を経て死に至るという恐ろしい病気です。しかし、造血幹細胞移植を行うことで新鮮な正常な血液が体内を巡り、異常な血液を排出して血液が正常に戻り治るという経緯を辿るのです。

この造血幹細胞移植を、今回HIVが完治したBrownさんにあやかり、HIVの新治療となるか否かの研究が進められるようになったのです。ただし、この造血幹細胞移植は「ドナー(提供者)」が必須となり、現状「ドナー待ち」となることが大半です。理由は、登録者はここ近年で増加の傾向にあるものの、「HAL」と呼ばれる白血球の型が合わないと移植ができないためです。よって、ドナー待ちのままそのまま白血病で死亡するケースも珍しくなく、できるだけ多くのドナーの存在が求められています。


カクテル療法ですらもう古い


これまでのHIV治療と言えば、いくつかの阻害剤を同時服用する「カクテル療法」が主なものでした。しかし、それはあくまでHIVを抑える程度にしか至らず、「治療」というよりは「現状維持」と言った方が正しい治療法だったのです。さらにこのカクテル療法、個人差があるものの概ね副作用がきつく、長期間に渡り飲み続けていられないというケースも多々で、それを理由として服用を中止し、結果エイズを発症したという事例も数えきれないほど存在します。

しかも、保険が適用されると言っても金銭的負担はかなりのものです。保険を適用し、障害者手帳を作り、自治体の支援を受けている方ならまだしも、保険だけでは月に6~8万円程の金銭的負担が掛かることもあり、それを理由として服用をやめる方も少なくはないのです。我が国なら、何とか治療を続けようと思えば治療を続けられなくはありませんが、発展途上国における治療の実態については押して知るべしでしょう。これだけのデメリットを抱えても、治ることなく「現状維持」なのです。新薬や新治療の登場は、全世界が待ち望んでいたと断言できるでしょう。


続々と現れる新たなHIV治療法


では、カクテル療法に変わる新治療についてですが、まずは前述した造血幹細胞移植による治療についてです。これは、まずHIVに感染していない自分の造血幹細胞を予め採取しておき、HIV感染後に放射線を当てて骨髄を意図的に破壊し、血液細胞を死滅させます。何故このようなことをするかと言うと、血液細胞はウイルスの根城となっており、抗HIV剤ではそれらを死滅させることができないので、「血液ごと死滅」させるのです。そんなことをしても大丈夫なのかと思われるでしょうが、ここで予め採取した自分の造血幹細胞が登場します。その造血幹細胞を自分に移植することで、正常な血液を取り戻せるという寸法になるのです。ただし、僅かに残ったウイルスがさらに増殖を始めてしまうという欠点があるので、今後の改善が見込まれます。

次に、キメラ抗原受容体と言うタンパク質を利用した治療法です。これもまた造血幹細胞を利用した治療となるのですが、造血幹細胞が血液を生成していることは前述からでもご理解いただいているかと思います。その造血幹細胞にキメラ抗原受容体を生成するための遺伝子を加え、変異したT細胞を造血幹細胞に生成させるというものなのです。変異したT細胞は、HIV感染した細胞を攻撃するようインプットされており、他の細胞を攻撃せずにHIVに感染した細胞「のみ」叩くことができる治療法となります。マウスでも一定の効果を上げており、その上どのようなウイルスでも対応可能ということで、今後継続した開発が望まれます。これらの治療法は、今後HIVが治るのが当たり前という先駆の治療法となるでしょう。


新HIV治療の残る課題について


そもそも、HIV治療における「HIVを抑える」という従来の考え方は、HIVというウイルスがしきりに変異するために、劇的に効果がある薬剤等を開発できなかったという背景があります。それだけHIVの特効薬の開発は難しく、未だ風邪の特効薬すら開発できない人類には荷が重いのです。しかし今回、人類は改めて「HIVを根絶する」という考えの下、新たに治療法を考え出しました。まもなくHIVは根絶されるものと見込まれます。

しかし課題も多く残っています。前述に記述した自分の造血幹細胞を移植する方法に関しては、治療を施してもウイルスが再増殖するという欠点があります。そもそも、ある種のウイルスを体内から根絶するというのは、実のところヒトの免疫に掛かっているところがあり、外的な干渉では「援護」するしか今のところ方法がありません。そこに介入できるかという難しい課題がありますし、突如として変異するHIVが今後「人類の知らないHIV」に変異する可能性もあり、その対応をどのようにしていくかが問われます。今後の医療の発展に期待したいところです。

HIV感染者及びエイズ患者に、一筋の光明が見えた瞬間となります。長らく人類を苦しめてきたHIVは、今や人類に制圧されようとしており、決して夢物語ではないのです。以上、panpan(パンパン)編集部からのお届けでした。

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