受診前に知っておきたい、HIV治療の基礎知識

受診前に知っておきたい、HIV治療の基礎知識

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HIVに感染したと医者に言われてしまえば、誰であろうと焦ってしまいます。しかし、最低限の基礎知識を知っておけば、それだけでも安心するのではないでしょうか?ということで、受診前に知っておきたい、HIV治療の基礎知識をお話していきたいと思います。


HIV治療とは?


HIV治療とは?

HIV治療と言っても、正直ピンと来ない人が多いのではないでしょうか?HIV治療というのは、HIVに感染してしまった患者が行なう治療の事で、HIVに感染してしまった事によって、体内に存在するHIVウイルスを増やさないようにするための治療の事を指します。

もし、この治療を行わなかった場合にはウイルスが増えていき、エイズが発症します。エイズが発症してしまうと人々は様々な免疫力が下がり、体内の抗体が少なくなってしまいます。ですので、エイズを発症させないために、HIVウイルスを増やすことなく、体内の免疫力を高めていくために行わなくてはなりません。そのためにあるのが、HIV治療です。


HIV治療とはどんなことをするのか?


HIV治療とはどんなことをするのか?

では一体HIV治療とはどんな事をするのか見ていきましょう。HIV治療とは具体的には抗HIV薬を定期的に内服することになります。この抗HIV薬は以前、2~3種類の薬を組み合わせることによって効果が出ていたのですが、現在はウイルスが変化した事によって3~4種類の錠剤を組み合わせてのむ必要があります。人によって体質の違いもあるので、組み合わせも変わっていきます。

その組み合わされている抗HIV薬は主に「核酸系逆転写酵素阻害剤」「非核酸系逆転酵素阻害剤」「プロテアーゼ阻害剤」「インテグラーゼ阻害剤」「侵入阻害薬」の5つになります。主にこの5つを患者に合わせて組み合わせることによって、強力な抗HIV薬になります。


抗HIV薬を定期的に内服しなかった場合


抗HIV薬を定期的に内服しない、つまり服用し忘れなどをしてしまった場合には治療が失敗する可能性が高くなってしまいます。なんと10回に1回内服し忘れただけで治療をしている2人に1人がHIV治療に失敗しています。

抗HIV薬とはHIVウイルスを抑えるための薬です。そのため、1回服用し忘れただけでも、充分HIVウイルスを繁殖させてしまうのです。そうさせないためには、本人に治す意思がなくてはなりません。


HIV治療はいつから始めればいいの?


昔は薬の効果が強すぎため、それに伴い強力な副作用が存在し、HIV治療を始めるのはCD4陽性リンパ球数が、ある一定の数値を下回るまでは治療を行っていませんでした。しかし、現在では副作用が弱い薬が発明されていることや、早期治療からの利点が多いことから、HIVに感染しているとわかり次第、治療を始めるのが良いと判断されています。

といっても、もちろん強制では無いのでHIV治療を始めるのは患者さん次第です。因みに、目安としてはCD4陽性リンパ球数が500/μl以下であれば、医師に治療開始を勧められ、350/μl以下であった場合には準備を整え次第、直ぐに治療を始めることが多いです。と言ってもやはり治療を早めることや遅くすることによってそれぞれ利点と欠点があるので、治療を進める場合にはその点もキチンと押さえておきましょう。


HIV治療を早くすることによって起こる利点と欠点


まずは利点を挙げていきたいと思います。何と言っても早くに治療することによって、HIVウイルスを早くから抑えることが出来ます。また、他人に感染させる可能性が低くなり、治療がうまくいく可能性も高くなるのです。さらに、HIVウイルスによって起こる他の病気との合併症が引き起こりにくくなるのです。

逆に欠点を挙げると、HIVウイルスが変化する可能性があることです。以前のHIVウイルスと現在のHIVウイルスが変わっているように、これからのウイルスがどう変化するのかわからないことです。そのため、今の治療薬では効果が得られない可能性があります。また、早くに治療し過ぎるとウイルスに免疫力がついてしまう恐れがあるのです。また、患者へのストレスにもなってしまうのです。


CD4陽性リンパ球数とは?


HIVに感染していると下がっていくCD4陽性リンパ球数ですが、これは一体何でしょうか?CD4陽性リンパ球数とは、血液中にある1平方ミリメートルの白血球の中のCD4陽性リンパ球の数になります。通常は800/μl~1000/μl程度存在し、このCD4陽性リンパ球によって感染症から身を守っているのです。そのため、このCD4陽性リンパ球数が下がると感染症を引き起こしやすくなってしまいます。


HIV治療にかかる医療費


HIV治療ってなんだか、かなりお金がかかってしまいそうですよね。でも、大丈夫です。HIVに感染している証明があり一定の条件を満たしていれば、身体障害者の制度を受けることが出来ます。その制度を使用すると、料金が地域によって変わりますが1ヶ月に2万円前後で済みます。

また、その他の福祉制度や、保険、高額療養制度によって医療費を安くすることが出来ますので、スタッフと相談するようにしましょう。因みに、その人や扶養家族の所得金額によっても医療負担金額が変わりますので、しっかり理解しておく必要があります。


HIVに感染するとどうなるのか?


HIVに感染し、その上で治療をしなかった場合には、血液中にHIVウイルスが増えていき、CD4陽性リンパ球数が下がってしまい、エイズを発症させることになります。エイズを発症させる事自体は問題がないのですが、エイズを発症させてしまうと、身体にある全体的な抵抗力が下がっているため、他の感染症にかかりやすくなってしまうのです。

また、他の感染症にかかってしまっても、身体の抵抗力が落ちてしまっているため治りも悪くなってしまいます。そうした感染病が重なって引き起こされ、入院しベッドに寝たきりになってしまうこともあるのです。因みに、HIV感染期間が長ければ長いほど慢性的な疾患と合併症を起こしている危険があります。


いかがでしたか?なるべく知っておきたいHIV治療について、見てきました。この記事で、今まであまり知らなかったHIV治療について少しでも理解していただけたでしょうか?HIVとは感染したらそこから、確実に死に繋がっているというわけではありません。ちゃんとした治療を受ければしっかり治すことができるのです。それをしっかり理解し怖がらずにHIVに立ち向かっていきましょうね。

以上、panpan(パンパン)編集部からのお届けでした。

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