南新宿検査相談室に学ぶ、もしもエイズ陽性診断がでたら？

もしも、エイズの検査を行って陽性反応が出てしまったらあなたはどうしますか？自分のやるべきことがしっかりとわかっている人というのは少ないのではないでしょうか。まずエイズとは何なのか、そして陽性診断が出た後の行動、日々の暮らしについてまとめました。

そもそもエイズってなに？

エイズとHIV感染というのは異なるものというのはご存じだったでしょうか。

HIV感染とは、体の中にエイズウイル ス（HIV）が存在している状態をいいま す。
引用：東京都南新宿検査相談室

これは、エイズウイルスが身体の中に存在しているだけなので、身体の免疫の低下などは自覚症状として表れていません。この場合は、薬などで治療をしないとエイズを発症してしまいますが、治療を行うことでエイズの発症は抑えることが可能です。

また、エイズ、というのは日本語で「後天性免疫不全症候群」と呼ばれる病気を略したものになります。HIVと呼ばれるエイズウイルスが体内に入り、増殖してしまうことが原因で発症する病気です。風邪や、ウイルスから体を守ってくれる白血球の一種を、エイズウイルスというウイルスが破壊していくことによって免疫が低くなって行ってしまいます。

免疫が下がっていってしまうことで、普通の人間ならどうともならない様なカビや、ウイルスで重大な症状が出てしまう「日和見感染」が起こりやすくなってしまいます。発症する前なら、投薬で減ってしまった白血球を増やしたり、エイズウイルスを減らしたりすることを目的に、発症してしまった後なら、日和見感染にかからないように、白血球を増やしていくことを目的に治療していきます。

エイズ陽性診断が出てしまったら：まず知っておくこと

病院に行って検査を受けるというのは、自分の体調や健康を管理する上でとても大切な物なのは違いありません。しかし、エイズの検査で陽性診断が出たというのには、思い当たる節があったという人も、青天の霹靂だったという人も、頭が真っ白になったり、これからの人生、生活について不安を覚えていると思います。

まず、エイズの陽性診断が出てしまったときに知っておかなければならないのは、エイズ の治療は急速に発達し進化しているということです。現代の最先端の医療によって、治療法や薬などもかなり進化してきています。症状が出る前に薬を飲むことで、身体の中にあるウイルスが増えていくのを防いでいくだけで、すぐさま死に至ることもありません。「不治の死の病」から、ずっと薬を飲まなければいけない「慢性疾患」の分類へ移行しつつあります。

また、エイズの陽性診断が出てしまっても、

今までどおりの生活を 続けることができます。
引用：東京都南新宿検査相談室

HIVはセックス以外で感染することはありません。家族と触れ合ったり、仕事に出勤したりするのは通常通り行うことが出来るのです。

エイズ陽性診断が出てしまったら：すぐ周りに伝えなければならない？

エイズを近くにいるだけで移してしまうのではないか、と考えているならそれは大きな間違いです。エイズは性交渉以外でうつることがありませんので、ウイルス性の風邪のように周りに気を付けてね、等と言っておく必要もありません。感染が分かったからと言って、すぐさま周りの人と距離を置く必要もありませんし、急いで検査結果を伝える必要もありません。

　だれに、どこまで伝えるかは、あなた 自身が精神的に落ち着いてから、その人 とのこれからの関係を考えて、ゆっくり 答えを出してください。
引用：東京都南新宿検査相談室

家族にも、友人にも、決して伝えなければいけないということはありません。性交渉を持たない日常的な接触だけをする関係の人なら、自分の中で気持ちが定まっていないのに早まって伝えてしまうのは、後々後悔することにもつながりかねないからです。

自分が落ち着くことが出来、パートナーがいるのなら、今度はパートナーに伝えることは大切です。しかし、自分が冷静になれていることが前提になります。時や場所、タイミングなどを計って伝えることが大切です。また、もしもまだ伝えられないという時には、言わなくてもいいのでセーファーセックスを心掛けるようにしましょう。大切な人に、感染の連鎖が起こってしまうかもしれないのだから。

セーファーセックスとは

性感染症やHIVに感染するリスクを下げるように配慮した性行為のこと。性行為では、ペニス、膣という性器と、口(舌)粘膜、肛門・直腸粘膜、手指などの身体部分、さらに性器具(ディルド)などが接触するし、身体部分は健康な皮膚を除いてHIVの侵入門戸になる可能性がある。

一方、唾液には感染性のHIVが含まれることはないが、HIVを含む精液、膣液、血液がそれぞれに接触したり侵入する時に感染する確率がある。感染しやすい性行為をしないことや、病原体を除去したり感染経路を遮断する方法などがとられる。具体的な方法は個人・行為で異なるが、代表的なものにコンドームの使用がある。　
引用：weblio辞書

エイズ陽性診断が出てしまったら：プライバシーについて

病院や保健所などで、医師や看護師が患者の個人情報（病歴なども含む）を口外するのはあり得ません。

、「個人情報の保護に関する法律」に 個人情報の取扱いが厳しく規定されてい ます。引用：東京都南新宿検査相談室

これによってプライバシーは厳しく守られています。

また、市役所などでの職員も、公務員としての守秘義務があるため、貴方に害になるようなことはありません。もしも相談する場所が個室でなかったり、カーテンをひいただけだったりとプライバシーの心配や侵害を感じたなら、担当者に伝えることで改善してもらえます。事前に電話確認しておくと安心していくことが出来ます。

また、健康保険を使うことで会社にばれてしまうのではないかと感じる人もいると思いますが、健康保険組合が本人の同意なしに個人情報を第三者に提供するのは禁じられています。エイズの治療薬や検査費はかなりかさむので、保険を使わずに治療を受け続けるのは金銭的にも負担が重いです。医療費助成などもしてもらえますが、それも健康保険の上に追加するものです。よっぽどでない限りは健康保険を使用することを考えましょう。

エイズ陽性診断が出てしまったら：専門機関を紹介してもらう

もしもエイズの陽性診断が出てしまったのなら、一番にしなければならないのはエイズの専門医療機関を紹介してもらって、早めに精密検査、治療を開始することです。専門機関に行くことによって、どれだけ免疫不全が進行してしまっているのか（もしくは段階が早いので治療が必要ないのか）や、他に治療が必要な合併症や日和見感染などになっていないか、そして今後の治療はどのような方針で行うのかを検査結果を見ながら、決めていきます。

血液中のCD4陽性リンパ球の数やウ イルス量の検査をすることで、現在の免 疫の状態を確認できます。適切な時期に 治療を開始するためには、症状がなくて も、定期的な検査によって免疫の状態を 確認していくことがとても大切です。
引用：東京都南新宿検査相談室

また、病院のケースワーカー等と面談をして、医療費の助成や様々な手続きを進める上での手順、さらには仕事はこのまま続けていけるのか等いろいろな不安を相談することが可能です。

エイズ陽性診断が出てしまったら：セックスは出来るのか？

エイズと診断されてしまった人の中には、セックスをすると必ず感染してしまうのではないかと恐れている人もいると思います。しかしそれは、「アンセーファーセックス」を行った場合であり、しっかりとコンドームをつけて行うセックスではエイズが感染することはまずありません。

粘膜に精液や膣分泌液、血液などがつかないようにすることが目的ですので、もちろんオーラルセックスは行ってはいけません（男性の場合はコンドームをつけることで予防可）。

　セックスは、相手とのコミュニケーシ ョンでもあります。お互いを尊重したコ ミュニケーションを持つためにも、どん なことが起こりうるかを知り、自分と相 手をお互いに守るためにセーファーセッ クスを行うことで、セックスを楽しむ気 持ちを取り戻すことができるでしょう。
引用：東京都南新宿検査相談室

しかし、それらを守って安全なセックスを行えれば、他人に感染を移すことなくセックスを楽しむことが可能です。また、女性の方は子供を産むことも可能です。投薬を続け、母乳を与えることはできませんが、しっかりと方法を守ることで母子感染から身を守って子供をもうけることが可能です。予防、そして早めの治療さえすれば、通常の人と同じように生活できるのです。


いかがでしたか？エイズの陽性診断が出てしまったら何をすべきか、そして疑問点にお答えしました。しっかりとやるべきことをやって、通常の生活を楽しんでくださいね。

以上、panpan（パンパン）編集部からのお届けでした。

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