HIV=エイズではない。HIVとはなにかを正しく解説

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HIVにかかると死んでしまう…とかなり多くの人が未だに誤解をした知識のまま過ごしていたり触れただけで感染するのでは、と誤った知識しかないために、一向に偏見はなくなりません。今回は、HIV=エイズではないということ、HIVとは何かを正しく解説いたします!


「HIVとは?」HIVの意味を知ろう


「HIVとは?」HIVの意味を知ろう

HIVとは日本語では「ヒト免疫不全ウイルス」と言うウイルスの名前のことを指しています。「Human Immunodeficiency Virus」の頭文字を取って略称「HIV」と呼びます。

HIVに感染した時点ではほとんどの人が自覚症状がありません。稀に、HIVに感染したと思われる行為から二週間程度した後に風邪のような症状が出ることもあります。

HIVに感染すると体内では「CD4」というリンパ球菌がHIVに侵されててしまいます。リンパ球とは人間の免疫力を上げるため、そして健康体を維持するためにとても重要な役割を果たしているのですが、HIVにより破壊され続ければ徐々に減少してしまうのです。

その結果、HIVによって様々な病原菌に感染してしまうのですが、とりわけ※1 日和見感染症と呼ばれる23個指定されている、いずれかの菌による合併症状を起こした時に初めて、「AIDS感染」と判断されるのです。よって、HIV ≠ AIDSではないということが分かりますね。エイズとは総称のようなもので23もの種類の疾患があるということです。

※1:日和見感染症とは?
通常の健康である人ならば感染することがない弱い細菌やウイルスなどが原因で発症する感染症のことをいいます。これはご老人であったり、ガンで投薬をした患者にも起こりうる疾患です。


AIDS(エイズ)の種類や症状について


AIDS(エイズ)の種類や症状について

それでは次に、上記で少し触れましたようにAIDS(エイズ)と判断される感染症23の、それぞれ完成経路および症状をまとめてみましょう。


■腫瘍(4種類)


「エイズ」と診断される菌への感染による腫瘍は4種類あります。
「01:浸潤性子宮頚癌」
俗に言う『子宮頸癌』と同等との認識をしてくださって構いません。
近年ではHIVが進行している女性に多いとされ、AIDS発症かどうかの指標ともなる病気です。

参考:がんプロ.com

「02:カポジ肉腫」
極端に免疫力が低下した人の血管細胞にヒトヘルペスウイルスが感染してしまい、発ガンさせることによって発症します。症状としましては、数センチ大の斑点ができやがて腫瘍となります。この腫瘍は出血しやすく、AIDSを発症している場合ですと全身の皮膚以外にもリンパ節や内臓などの内部器官にも出来てしまい、消化管に出来てしまった場合は下痢と出欠を引き起こします。

過去にAIDS患者とメディアで流れていた映像は恐らくこのカポジ肉腫ではないでしょうか。穴という穴から血が出るというよりは、多数できた腫瘍が出血をしているということになります。

「03:非ホジキンリンパ腫」
悪性リンパ腫を含む一群のことです。悪性リンパ腫=ガンという認識で良いでしょう。
症状としましては脇の下や鼻腔などにあるリンパ節(コリコリした場所)が大きくなります。しこりがあるな、大きくなったな、という程度でしか認識できないことが多く、急性でない限り痛みなどはありません。

「04:原発性脳リンパ腫」
悪性腫瘍で脳腫瘍の3%程がこの病です。一般的には60代~80代といった高齢の方がなりやすいのですが、日本では症例数が少ないにしてもAIDS患者ですと年齢問わずなりやすい傾向にあります。

この脳腫瘍は、治療法は様々あるようですが再発率や死亡率がとても高いので、早期発見で無い限り厳しいとのことです。

参考:脳神経外科 澤村豊のHP

■細菌感染症(10種類)


HIVウイルスによって免疫力が落ちると、以下10種類の感染症による症状が見られます

「05:非定型抗酸菌症」
非結核性抗酸菌という人に病原性があるといわれている菌が原因で起こります。

症状としては、結核と似ているために結核の診断中に判明したりすることもあるのですが、咳、喀血、倦怠感などが挙げられます。悪化しますと呼吸困難など重篤な症状を引き起こしかねません。

参考:gooヘルスケア

「06:化膿性細菌感染症」
原因としましては皮膚が傷つきそこから感染をする場合が多いのですが、特定できない場合もあります。

症状として、広範囲が赤くなり硬くなって腫れます。痛みもあります。放置しておくと壊死をしてしまい、生命を脅かす怖い感染症です。

参考:goo五本木クリニック

「07:活動性結核」
俗に言われる結核です。人同士で感染するのですが現代においては強力なワクチンが発明され感染率はかなり低くなりました。また、投薬により治る病気でもあります。症状としましては、発熱や咳が見られます。

「08:再発性サルモネラ菌血症
生のまま鶏肉や卵を食べてしまった場合感染する菌です。赤ちゃんであったり高齢であったり、そして日和見感染では確率がグンと上がってしまいます。

吐き気や下痢、けいれん、腹痛など一般的に「食中毒」といえる症状を引き起こします。

参考:メルクマニュアル医学百科

■ウイルス感染症
「09:単純ヘルペスウイルス感染症」
口腔感染や性器感染、いわゆるセックスにて感染するウイルスです。症状としましては、皮膚や粘膜の潰瘍、肺炎、気管支炎、食道炎(併発)等がありますが、AIDS発症時においては重症化することが特徴です。

参考:MSD

「10:進行性多巣性白質脳症」
JCウイルスというウイルスに感染し、発症をしてしまうのですがこのウイルスは成人の約70%もの人に不顕性感染をしています。通常ならば何ら怖くないウイルスなのですが、AIDSなど免疫不全になっている時ですと重篤な症状を引き起こします。

認知症、異常行動、失語症、視野障害など治ることのない病を引き起こします。

「11:サイトメガロウイルス感染症(肝、脾、リンパ節以外)」
母体から感染し多くの人が持っている菌です。尿、唾液、鼻汁(びじゅう)、子宮頸管(けいかん)粘液、腟分泌液、精液、母乳、涙、血液、移植臓器などから感染します。

主な症状は、発熱、白血球減少、血小板減少、肝炎、関節炎、大腸炎、網膜炎(もうまくえん)、間質性肺炎などが挙げられます。

参考:yahooヘルスケア

■原虫症
「12:クリプトスポリジウム症」
通常は水道水にも含まれている弱い菌なのですが、免疫力がないと感染してしまいます。主な症状は小腸炎、長期の下痢により体重が減少する等が見られます。

「13:トキソプラズマ脳症」
ネコの糞尿にいる菌で、多くの場合危惧される状況は母子感染により胎児が感染した場合であり、この際は胎児に甚大な影響を及ぼすことで知られています。主な症状として、けいれん、意識障害、神経症状などが挙げられます。

「14:イソスポーラ症」
輸入された生成食品や、汚染された食物を口から食べることで感染します。また、動物の中では唯一人間同士だけが感染してしまいます。

一ヶ月以上の下痢が続く慢性腸炎なのですが、健康な人であればすぐに寛介します。しかしながら免疫力が著しく低下している場合は数ヶ月~数年も持続してしまいます。
イソスポーラ症があるかどうかでAIDS発症かどうかを見極めることも多いとのことです。

参考:yahoo治療法は症状と原因から

■真菌症(5種類)


カビなどの真菌が原因となるエイズの症状は以下5種類です。

「15:クリプトコッカス症(肺以外)」
ハトの糞などにより感染し、髄膜炎や前身感染症(骨随、肝臓、血液)を起こす感染症です。

「16:コクシジオデス症」
人から人へ感染することはないのですが、コクシジオイデス種のカビが含まれるほこりなどを肺に吸い込んでしまうことで感染してしまいます。
7日~21日間程度の潜伏期間を経た後、主な症状は風邪に似た症状のほかに乾いた咳や重い肺炎を併発することもある怖い感染症です。

参考:厚生労働省検疫所

「17:カンジダ症」
カビが原因で食道炎や気管支炎、肺炎を起こす感染症です。

「18:ヒストプラスマ症(全身性または肺外)」
元々は日本にはなかった菌なのですが世界的には比較的多い細菌です。AIDS発症患者の中でこのヒストプラスマ症に感染し死亡した例が徐々に増えつつあります。

健康な人が感染した場合はインフルエンザのような症状の後治癒しますが、AIDS症例においては85%以上の致死率ということで大変恐ろしい細菌です。

参考:呼吸器内科医

「19:ニューモシスチス肺炎」
ニューモシスチスという真菌も、ヒトの肺に潜在的に寄生していますがこれも日和見感染ならではで発症してしまいます。免疫力が著しく低下していた場合ですと、肺胞内に増殖をしてしまうのです。

症状としましては、早い時期から呼吸困難などにもなりやすい恐ろしい病です。

参考:yahooヘルスケア

■その他感染症(4種類)


その他の感染症は4種類。

「20:反復性肺炎」
一年の内に何らかの原因によって肺炎が二回以上起きてしまうことをいいます。

「21:HIV消耗性症候群」
下痢や発熱などの症状が一ヶ月続き、体重が極端に落ちる症状です。徐々に衰弱をしていってしまう恐ろしい症候群です。

「22:HIV脳症」
HIVによって引き起こされてしまう脳症のことをいいます。認知症や認識力の低下などの症状が主となります。

「23:リンパ性間接性肺炎/肺リンパ過形成:LIP/PLH complex」


以上23種類の症状が、現在「エイズ」と診断される感染症です。


投薬で治るエイズの症状


これらの感染症のうち、現在投薬で症状が改善されるものは以下のものです。これによって発病を先送りすることが出来ます。
05:非定型抗酸菌症
07:結核
09ヘルペス感染症
11:サイトメガロウイルウス
15クリプトコッカス症
17:カンジダ症、
19:ニューモシスチス肺炎

逆を言ってしまえば、投薬で治療が出来る感染症はこれしかありません。まったく治療法が見つかっていない感染症も多数存在しています。

参考:AIDS/HIV総合治療センター

これら23つの日和見感染があるかどうかでAIDSを発症しているかどうか、診断することは多いとのことです。


「HIVとは?」感染経路について


感染経路としては主に3つが挙げられます。

■性交渉での感染
とりわけ感染しやすいとされるプレイがフェラチオ、クンニ、アナルセックス、生での挿入です。男性や女性の性器から出る体液にはHIVが含まれているからです。また、傷があったり女性が月経の際などにセックスを行った場合は更に感染の可能性が上がります。

ちなみにキスや肛門を舐めるといった行為での感染報告は確認されていません。口内に傷などがあれば感染する確率はありますが、唾液に含まれるHIVは極微量なためにバケツ一杯飲んでも平気といわれています。

参考:STD研究所

■ 血液感染
たとえば医療機器である注射器が何らかの原因で消毒されておらず汚染されていた場合や、麻薬などの違法薬を注射で回し射ちをすることで、血液から感染します。

上記でも述べました通り、性器からの体液よりも血液は格段にHIV含有率が高い点がポイントです。

■母子感染
母親がHIVであった場合子供にも感染するリスクがあります。現在では妊娠初期の時点で血液検査をし、HIVかどうかの検査を行ったうえで妊娠の経過を見ます。また、赤ちゃんへHIVが感染しないような治療もあります。

参考:STD研究所

感染において気をつけなければならないことは「血液」と「性器の体液」ということです。それ以外、たとえば手をつなぎあったりしてもまず移ることは有り得ません。しっかりと理解しておかなければ間違った知識から偏見を持つのはこの部分ではないでしょうか。


「HIVとは?」エイズ発症に至るまで


■HIVの時点で投薬を開始した場合
HIVに感染しすぐに治療薬を投与した場合、現在ではAIDS発症を40年も遅らせることが出来ます。1990年代においては10年以内で発症する確率がほぼ100%であったことから、画期的な進歩といえます。

■HIV感染から放置した場合
HIVに感染したことに気づかず放置をしてしまうと、残念ながら、10年以内にAIDS発症してしまうことが少なくありません。AIDSに発症してしまい免疫力が著しく低下してしまうと先ほど述べましたように多くの日和見感染を発症してしまい、通常ならばたいしたことのない病気でも死に至る重篤なケースになる場合が多いのです。

■いきなりエイズって?
最近、HIV感染およびエイズ発症に至るまで、とりわけ日本にて『いきなりエイズ』という言葉が使われるようになりました。この『いきなりエイズ』とはどのような意味なのでしょうか?

エイズの潜伏期間はかつて8年から10年くらいと言われていました。しかし、近年は3年から4年以内にエイズを発症する事例が多く報告されています。

参考:HIVからエイズ発症まで。潜伏期間はどれくらい?


■HIVについて最近分かったこと
HIVに感染しAIDS発症に至るまで、昔は8~10年程度といわれていましたが、近年においては3~4年というかなり短い時期で発症してしまうケースが多いとのことです。

人がHIVを治すための治療薬を開発することに抗うかのようにウイルスが変異し、より強くなったとの研究データもあり、現在使われている薬がいつまで効くのかも定かでは無いのです。


「HIVとは?」感染しないためにできること


HIVは先進国で感染が増加している稀なウイルスであり、そして日本ではとりわけ性交渉での増加が見られている病でもあります。

HIVの大半が性交渉から感染するということを先ほどお伝えしましたが、他国の人よりも性交渉においてのリスクというものをあまりにも軽視している結果だと筆者は考えます。

また、2015年においては20代という若者達の間でHIV感染の報告が増加したとのことです。女性が低容量ピルをのんでいるから、安全日だから…という理由だけでコンドームをしないということは大きな間違いということを認識する必要があります。


風俗店に要注意


多くの性風俗店では女性店員に対して性病の検査を行うお店はかなり少ないのが現状です。コストの問題等もあるでしょうが、働く女性でも利用する男性の立場であってもそのことを踏まえた上で、自ら選択する必要があると言えます。

更には近年問題とされているのが同性愛者の男性カップル間でのHIV感染が急増している点です。恐らくセックスをする際に肛門への挿入をするのでしょうが、妊娠しないからといってコンドームをしないことで感染してしまうことは多いのです。


いかがでしたでしょうか?少々恐怖を煽るような文もありますが、HIVとは一人ひとりが性に対する認識を変えることで減らすことの出来る病だと考えます。そしてまた、HIVに感染しているからといって差別することも間違っていますし、HIV感染したからといって悲観する必要もありません。

正しい知識を見につけることで、リスクを回避すると共に差別のない社会になってくれたら、と思います。

以上、panpan(パンパン)編集部からのお届けでした。

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