ゴムなしセックスの妊娠率は？豊富なデータを使って徹底解説

「彼氏が嫌がる・ゴムありだと気持ちよくない・流されて生でOKしてしまった・外に出してるから大丈夫なはず」etc。ゴムなしセックスをする人の主張はさまざまですが、妊娠の可能性があることはもちろんわかっているはず。今この記事に辿り着いた時点で、内心ヒヤヒヤしているのでは？

今回はそんなあなたのために、ゴムなしセックスでの妊娠率についてお話ししたいと思います。中出しでも外出しでも妊娠率が変わらない事実や、99%の確率で避妊できる方法など、女性なら覚えておくべき知識ばかり。最後までしっかり読み込んで、自分の身は自分で守れるようになりましょう。

ゴムなしセックスの妊娠率は要因によりさまざま

ゴムなしセックスをしたら、例え安全日と呼ばれるタイミングでも妊娠の可能性はゼロではありません。しかしその妊娠率を「〇％です！」と断言するのは難しいでしょう。なぜなら双方の年齢や女性の生理周期によって、確率に大きな個人差が出るためです。

例えば女性の年齢だけ見ても、以下のように妊娠率は異なります。

20歳～24歳　86％
25歳～29歳　78％
30歳～34歳　63％
35歳～39歳　52％
40歳～44歳　36％
45歳～49歳　５％
50歳以上　　０％
引用：婦人科ラボ

他にも「何日周期で生理がくるのか」、これも妊娠率を変動させる要因です。

規則的：51％
25日より短い：64％
40~90日：61％
90日以上：40％
引用：国井クリニック

こうして見てみると、さまざまな要素によって妊娠率が変動するのがわかります。だからこそ「ゴムナなしセックスの妊娠率は〇％」と断言できないのです。

しかし外だししても中だしと妊娠率は変わらない

もしあなたが「私は中だしじゃなくて外だしだったから、もう少し数値は低くなるわよね？」と思っているのなら、残念ながらそれは間違いです。中だしも外だしも、妊娠率は変わりません。また「ガマン汁では妊娠しないはず」というのも間違った知識です。

ガマン汁は尿道球腺液(カウパー腺液)と呼ばれ、射精の前に尿道に分泌される液体です。ただ分泌されただけならば、精子は含まれていないため妊娠する可能性はありません。しかし少しでも快感を感じたのであれば話は別です。

尿道球腺には精子が存在しないため、理論的にはガマン汁だけでは妊娠しません。
(中略)
完全に射精してしまわなくても、少しずつ精液が尿道の方に染み出してくることがあります。
(中略)
したがって、ガマン汁が出ている状態は、いつ精子が出てくるかわからない状態と言えるので、赤ちゃんができる可能性はあるということになります。
引用：セイシル【TENGA】

特に射精を我慢している時のガマン汁には、精子が含まれている可能性が大いにあります。つまり射精直前に抜いて外だししたとしても、すでに膣内に精子が入り込んでいるのです。

避妊せずにセックスした場合のパール指数は85％

どれだけ妊娠する可能性があるのか、それを示す「パール指数」と呼ばれる指標があります。

パール指数とは、100人の女性が1年間避妊を続けたときに、妊娠する数です。つまり1年間で避妊に失敗して妊娠する確率（パーセント）のことです。
引用：MEDLEY

コンドームやピルなどの避妊法を含め、このパール指数を見てみましょう。

・ピル：0.3
・子宮内避妊器具（IUD）：0.2-0.6
・女性用コンドーム：5
・男性用コンドーム：2
・女性不妊手術：0.5
・男性不妊手術：0.1
・殺精子薬：18
・（避妊せず）：85
引用：MEDLEY

きちんとゴムありでセックスすればたった2％しかないパール指数が、「避妊せず」になると85％まで跳ね上がっているのがわかります。ゴムなしセックスが、いかに妊娠の危険性を孕んだ行為なのかがわかるでしょう。

妊娠をのぞまない相手とゴムなしセックスしてしまったら72時間以内にアフターピルを

アフターピルとは、別名「緊急避妊薬」とも呼ばれる内服薬です。その効果は絶大で、早く飲めば飲むほど高確率で妊娠を防げます。

【アフターピルの妊娠率】

・直後〜12時間…0.5%
・13〜24時間…1.5%
・25〜36時間…1.8%
・37〜48時間…2.6%
・49〜60時間…3.1%
・61〜72時間…4.1%
引用：プライベートクリニック高田馬場

72時間以内で95%、12時間以内なら99%の確率で避妊できるのです。また稀に混同される方がおられるようですが、アフターピルは中絶薬ではありません。妊娠成立を防ぐ役割を持つ薬なので、倫理的問題に対して気に病む必要もないでしょう。

妊娠の成立そのものを阻害する薬剤ですから、人工妊娠中絶とは根本的に作用機序が異なります。
引用：プライベートクリニック高田馬場

そんなアフターピルの服用法は2つあります。


【アフターピルの服用法】
①ヤッペ法
・2回飲む必要がある
・半数以上の人に副作用が出る

②ノルレボ法
・飲むのは1回でいい
・副作用が出にくい

しかし見てわかるように、明らかに性能の良い「ノルレボ法」が最近の主流となっており、「ヤッペ法」を選択する医療機関は滅多にありません。ノルレボは世界保健機関(WHO)でも認可されている避妊薬ですので、安心して服用しましょう。

120時間以内の服用でも63%程度の妊娠阻止率

アフターピルは早ければ早いほど効果がある避妊薬ですが、72時間を越えたからといって無意味な薬になるわけではありません。効果は若干下がりますが、120時間以内(5日以内)でも63%の確率で避妊できます。

120時間以内に服用することで63%程度の妊娠阻止率があることがわかっています。
引用：プライベートクリニック高田馬場

120時間たっても効果がある理由は、アフターピルが果たす2つの役割を知ればわかるでしょう。

【アフターピルの役割】
①排卵を遅らせ受精そのものを防ぐ
②受精後でも子宮内膜の発育を阻害し着床を防ぐ

この②番がポイントで、受精から着床までは平均7日を要するため、例え受精してしまった後でもまだ間に合うのです。

アフターピルは病院やクリニックで処方してもらう

アフターピルは病院やクリニックなど、医療機関で処方してもらってください。最近ではネットの普及で個人輸入もできますし、フリマアプリなどでも取引されているようですが、ネット経由のアフターピルは安全性がまったく保証されていません。

ホルモンの配合量も不明なものが多いため、副作用が強く出てしまい辛い思いをしたという報告もあります。さらには、ホルモンと混じって他の薬物が混入されていたというケース、ネットの画像と全く違う商品が送られてきたという例もあります。
引用：医療法人社団エムズ

妊娠は人生を左右しかねない大事な問題です。「誰にも知られたくない」と考えてしまう気持ちもわかりますが、万が一を考え必ず医療機関を受診しましょう。

アフターピルの副作用や服用後の注意点

主流になっているノルレボ法は、1度飲むだけで効果が得られる避妊薬です。しかしそのたった1回の服用でも、副作用が出る可能性があります。考えられる副作用は以下のようなものです。

【アフターピルの副作用】
・吐き気
・嘔吐
・下痢
・不正出血
・乳房の張り
・頭痛
・めまい
・倦怠感

このように生理前の症状(PMS)に似た副作用です。

もっとも危惧すべきは「嘔吐」でしょう。服用から2時間以内に嘔吐してしまえば、薬の効果は半減してしまいます。仮に吐き気を感じたとしても、最低2時間は我慢してください。もし吐いてしまったのであれば、すぐさま処方してもらった病院に連絡しましょう。

服用後に「消退出血」があれば避妊成功の合図

ノルレボを飲んだ3日目以降に「消退出血」と呼ばれる出血があったなら、それが避妊成功の合図です。ただし稀にですが消退出血がない人もいますし、消退出血ではなくただの不正出血の可能性も否定できません。それでも多くの女性に見られる反応ですので、1つの目安として確認しておきましょう。

確実に避妊に成功したと言い切れるのは、次回の生理がきたときです。ただアフターピルを飲んだ日で、それまでの生理周期はリセットされます。「アフターピルを飲んだ日＝最終月経日」と考え、それからいつもの周期で生理がくるかどうかを数えましょう。

もしかしたら、生理周期をリセットしたことで、予定日が多少前後するかもしれません。もし生理予定日を10日以上過ぎても生理が来ないようであれば、妊娠の可能性があるため病院に連絡してください。

100％の方法はない！コンドーム以外の避妊方法まとめ

現在の医学でできる避妊法としては、「12時間以内で99%以上」といえるアフターピルはトップクラスの避妊率です。しかしこれはゴムなしセックスをしてしまった後の話。妊娠を防ぐためにも、やはり最初から避妊してセックスをするべきです。

避妊率・性病予防の観点から見てもコンドームは非常に優秀な避妊法ですが、もしコンドームが嫌なのであれば、それ以外にもある避妊法を覚えておきましょう。

①ピル(パール指数：0.3％)
排卵を抑制する薬です。PMS・子宮内膜症などの治療にも使用されます。服用法を守らねばその効果は激減します。

〇関連記事：ピルの避妊効果はいつから？効果が出るまで７日間かかる理由

②子宮内避妊器具(IUD)(パール指数：0.2～0.6％)
子宮内に装着する避妊具です。手術で装着する必要があり、その効果は3年～10年と長期的です。

③女性用コンドーム(パール指数：5％)
膣内に挿入する筒形のコンドームです。使い捨てで手軽に使用でき、ネット通販で手に入ります。

〇関連記事：女性用コンドームの正しい使い方マニュアル

④不妊手術(パール指数：0.5％)
男性なら精管結紮術、女性なら卵管結紮術と呼ばれる手術をします。効果は半永久的ですが、再度妊娠を望んでも不妊になっている可能性があります。

〇関連記事：男性も知っておくべき！避妊手術の基礎知識6選

⑤殺精子薬(パール指数：18％)
セックスの5分前に、膣内に挿入する錠剤です。愛液と共に流れ出る・1時間以上セックスするなどの要因で失敗しやすく、避妊率は決して高くありません。

これだけ避妊する方法はあっても、100%で避妊できる方法はありません。自分に合った方法を選んで良いのですが、どんな避妊法でも妊娠する可能性があることだけは重々承知しておきましょう。

妊娠を望まないのであればゴムなしセックスは絶対しないようにしよう

仮に「あなたが妊娠する確率は1%です」と言われたとしましょう。ほぼあり得ない低確率です。でもきっと次の生理がくるまで「大丈夫…だよね？」と不安とストレスに苛まれるはず。

一時の快感に身を任せた結果、リスクやストレスを背負うのは男性ではなくあなた自身なのです。いくらアフターピルという強い味方がいても、お金や手間もかかりますし、副作用で苦しむかもしれません。もし今妊娠を望んでいないのであれば、少しでも妊娠率を下げるべく、必ず避妊をしてセックスを楽しみましょう。以上、panpan（パンパン）編集部からのお届けでした。

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